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自分の性格を知りたい人へ。エゴグラムで自分の長所と短所がわかります

00:00 今日のテーマ
01:27性格タイプ
03:525つの要素
06:28 知らず知らずのうちに他者に反映してしまう
09:39 エリック・バーン
17:56 ジョン・M・デュッセイ
18:56 心理検査のタイプ分けは臨床では使いづらい
21:18 TEG

今日は、自分の性格を知りたい人へ「エゴグラムを受けてみよう」というテーマでお話しします。

先日、金子書房の金子さんとclubhouseで話をする機会があり、その際にオンラインでエゴグラム(TEG-3:Tokyo University Egogram-New Ver.3)を受けられるシステムを作ったとのことでしたので、当院でも導入しました。その宣伝も兼ねて動画を撮ります。
案件動画ではありません。自分で勝手に撮っているだけです。

検査の詳細は結果に影響を与えてしまうのであまり言えませんが、質問に対して答えることで色々な性格タイプに分けられるものです。

タイプは、
・頭でっかちタイプ:合理性が強いが、社会のルールや人の意見をあまり聞かない
・お手上げタイプ:親の言うことや社会のルール、自分の欲求に従いがちで、合理的に考えない
・ガンコおやじタイプ:親の言うことや社会のルールを守りがちで、自分の欲求をおさえてしまう
・子供タイプ:自分の欲求を重視し、社会のルールを無視しがち
などと分かれます。 
どれが良いとか悪いというものではありません。

5つの要素

エゴグラムでは、P(Parent)、A(Adult)、C(Child)という3つの自我状態をもとに5つに分類しています。

CP:Critical Parent(厳しい父親的な要素)
NP:Nurturing Parent(優しい母親的な要素)
A:Adult(合理的、感情を抑える、常識を疑う)
FC:Free Child(自由奔放な子ども、創意工夫)
AC:Adapted Child(順応した子ども、認められたい、可愛がられたい)

人間の性格をこれらの要素に分けてそのバランスで性格を評価しようと言うものです。
これは「交流分析」から生まれたものです。

知らず知らずのうちに他者に反映してしまう

自分の性格やこうありたいという像を他者に反映してしまうことがあります。
例えば僕は「頭でっかちタイプ」で、合理的、常識を疑う、感情を抑えるといった特徴がありますが、同じことを患者さんや職場のスタッフに求めてしまうという感じです。

また、NPが高い「への字」タイプは共感性が高い、人付き合いが良いなどと言います。ただどれも一長一短ですのでどれが良いということではありません。への字タイプだと人を甘やかしすぎることもあります。

FCが強いと楽しい時は良いのですが、社会のルールを守らない感じになってしまいます。社長だったら「楽しいからいいじゃん」と残業が多めになって規律がなくなってしまうなどあります。

気をつけなければいけないのは、自分の理想を投影させしまって質問に正直に答えないことがある点です。見ていても「あなたそういう人じゃないでしょ、投影強すぎでしょ」ということがあります。

エゴグラムではそれぞれの分類を「高い・普通・低い」の3段階にすると、3の5乗で243通りの性格に分けることができます。ただ、人間の認知として性格タイプをそんなに分けても意味があるのかという感じもするので、この4パターンくらいで良いのではないかと僕は思います。(テスト結果は243パターンで出ると思います!)

エリック・バーン

ここからはWikipediaなどの情報をつまみながら解説したいと思います。

「交流分析」はエリック・バーンが作った理論です。エゴグラムは弟子のジョン・M・デュッセイが開発したもので、それを東大が真似て作ったものがTEGになります。

エリック・バーン(1910-1970)ユダヤ系カナダ人で、1935年に医師になります。

1941年 NY精神分析協会でパウル・フェダーンに教育分析を受けます。
(教育分析:自分がカウンセリングを受けること)
――――――
パウル・フェダーン(1871-1950)はフロイト(1856-1939)の昔からの仲間ですが、15歳離れています。
1902年に開業し、1903年に水曜会(初期のフロイトの勉強会)のメンバーになります。フロイトが45、6歳の頃です。1914年から10年間、ウィーンの教育委員長を努めます。そして、1938年にNYに亡命し晩年を過ごします。
――――――

1946年 サンフランシスコ分析協会に移り、エリク・エリクソンの教育分析を2年間受けます。
――――――
エリク・エリクソン(1902-1994)
エリック・バーンと8歳差です。1933年に亡命しアメリカで過ごします。
「アイデンティティ」「ライフサイクル」といった概念を広めた超有名人です。
エリク・エリクソンはフロイトの娘のアンナ・フロイト(1895-1982)から教育分析を受けています。
――――――

1956年精神 分析医の申請を出しますが、却下されます(!)
これがこの業界の面白さ、良さです。
自分も分析を受け、キャリアも積んで、よしこれから分析家としてやっていけるなと思って申請したら却下されます。「お前は仲間じゃないよ」と。

そこから、エリック・バーンは自分の理論「交流分析」を広めていきます。
精神分析の中に自分の理論が入っているのか、それとも別の物なのかはややこしいところです。サーモンは江戸前寿司に入るのかどうか、認めて良いのかというような話です。

ジョン・M・デュッセイ

エリック・バーンがP, A, Cの分類によって治療システムを作っていったのですが、その中でエゴグラムというグラフを作ったのがジョン・M・デュッセイです。元々は診察の中でメモとして性格タイプのグラフを作っていたようです。

心理検査のタイプ分けは臨床では使いづらい

心理検査のタイプ分けは分かりやすいといえば分かりやすいのですが、臨床の中では使いにくいものです。うつ病の点数などは薬の効果判定や論文を書くときには役に立ちますが。

発達障害の特性別評価法(MSPA:エムスパ)では様々な項目を数値化して情報共有しますが、なかなかあまり…という感じがします。結局「この人はどんな人なのか」という要約を数値化して共有していくのは難しいのです。WAIS、学歴、職歴、生活歴、薬歴、家族構成、診断名のレポートの方が「だいたいこういう人なのかな」ということがわかりやすいです。

ですから臨床家はあまり心理検査を重視しないといえばしないです。ただ患者さんが自分を客観視して理解してもらうためには役立つ気はします。

TEG Tokyo University Egogram

TEGはエゴグラムを質問紙法にして作り直したもので、1984年初版、1993年第2版が出されます。デュッセイが臨床感覚でグラフにしていたものを、質問紙にすることで客観的に取るようにしました。

主観的に判断した臨床条件を客観的にして、でも伝えるときは主観的になるし、患者さんの中に入っていくときも主観的になってくるので心理検査は難しいなと思います。と、僕はいつも思います。
(医者1年目か2年目の時に、心理士の藤原先生に「心理士にとって心理検査は大事なアイデンティティだからそういうこと言っちゃダメだよ」と怒られました。「そういうことなのか」と思った記憶があります)

このような流れを見ていると、彼らは「どんな臨床をしていたのだろうか?」と考えます。理論の部分ではないところでその人らしさがあるし、その人らしさが理論になっていく部分もありますから。
逆に現代は益田がどんな臨床をしているのか筒抜けになっているので、なんかねえと思ってしまいます。

脱線してしまいましたが、自分の性格を知るのに「エゴグラム」は有効だと思います。当院でも実施していますので、気軽に申し込んでください。質問に答える前に自分はこんな感じかな?とパターンを書いてみて、実際にエゴグラムを受けた後に答え合わせをしてみるのも面白いかもしれません。

心理学:ライフサイクルについて解説します
https://youtu.be/zc7ApeqTPlM

【参考】

エゴグラム(2021.4.6)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B4%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0

エリック・バーン(2021.4.6)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3

エゴグラム マインドマップ
https://mm.tt/1845697966?t=1vqJYAj1hs


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