今日は「いびきと睡眠薬」というテーマで解説します。
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いびきはどうして起こる?
そもそも「いびき」がどうして起こるかというと、「気道」が狭くなるためです。気道とは鼻から咽頭にかけて空気が流れるところで、上の方を「上気道」と言います。その上気道が狭くなるといびきが発生します。具体的に言うと、あごが小さい、鼻中隔湾曲症、舌が大きい、扁桃体が大きい人です。このような人はもともといびきをかきやすいです。
大人になってからいびきをかくようになったという人は、だいたい太ってしまった人です。太ったために首の周りに脂肪がついてきたために気道が狭くなります。
それから、舌根沈下もあります。疲れがたまっていたり飲酒をしたりすると舌そのものが落ち込んでしまいます。この舌根沈下にベンゾジアゼピン系の睡眠薬も関係します。飲酒やベンゾジアゼピン系の薬には筋弛緩作用があります。舌も筋肉なのでそれがフニャッと柔らかくなると落ち込んでしまうということです。
内科などで肩こりに効く薬としてベンゾジアゼピン系の薬(デパスなど)を出されることがよくありますが、服用するといびきが増えてしまうのはこのためです。
睡眠時無呼吸症候群
これがひどいと寝ている間に寝ている間に息が止まってしまうことがあります。これを「睡眠時無呼吸症候群」と言います。寝ていても寝足りない感じがしてしまいます。無呼吸になるわけですから、他の病気を引き起こすこともある恐ろしいものです。
改善法:
・CPAP(シーパップ)
耳鼻咽喉科や睡眠専門のところで提供してもらえる鼻につける機械。機械から空気を送ります。絵はイマイチなのでCPAPで検索してみてください。
渥美Dr:https://www.youtube.com/channel/UCcD89sg8P2miam7RWKz8eqQ
・やせる
首周りの脂肪を減らせば良いので、太っている人はやせるということです。
うつの治療が優先
精神科の場合はうつそのものを治すことを優先するべきです。睡眠薬をベンゾジアゼピン系から他のものに変えることもありますが、疲労感があるから舌が落ちやすいということもありますし、睡眠時無呼吸症候群にはなっていなけれど、うつの症状のせいで熟眠感が欠如しているというパターンもあります。ですからまずうつをそのものを治すようにします。うつ病のうつ、適応障害のうつ、躁うつ病のうつ、統合失調症の陰性症状のうつなどです。もちろん、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合はCPAPを併用していくことも大事です。
以上、今回はいびきと睡眠薬の関係を解説しました。
不眠症
2021.4.11