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ゼロから学ぶ。アルコール依存症について症状から治療法まで解説します

00:00 今日のテーマ
01:01 依存症の特徴
02:03 そもそもアルコールとは
06:47 アルコール依存症になりやすい人
07:17 依存症の家族の問題
08:10 アルコール依存症の治療
11:55 治療モデル
15:26 僕も断酒中です

今日は「アルコール依存症」の解説をしようと思います。アルコール依存症の全体像を解説しますので大作になるのではないかと思います。

そもそも依存症とはどんなものかというと、定義はいろいろあります。
・社会的な問題が起きはじめたら
・朝から飲んだら
・お酒を飲んでいないと手が震えるなど離脱症状が出たら
など。

臨床的には「お酒でトラブルが起きて自分がコントロールできなくなっている(やめたいけれどやめられない)ならば依存症」と言えます。

依存症の特徴

依存症の特徴は「誰にでも起こる」ことです。お酒を飲めばいつかは皆依存症になります。依存症になるのが先か、寿命が来るのが先か、そういう意味で「進行性」です。そして「慢性的」です。アルコールは1回飲むと脳に気持ち良さが刷り込まれてしまうので忘れられないのです。ですから「飲みたいな」という欲求は消えません。それは依存症でなくてもそうだと思います。

性格変化が起こるのも特徴です。嘘をつくようになる、暴力的、衝動的になるほか、無気力になるのも依存症の特徴です。

そもそもアルコールとは

合法的ドラッグ、犯罪とも近い

そもそもアルコールとはどのようなものかというと、「合法的なドラッグ」です。
ドラッグというと「えっ!」となると思いますが、お酒はキング・オブ・ドラッグです。他のドラッグはいろいろありますが、アルコールはその中でもキング・オブ・ドラッグと言われるくらい危険です。依存しやすいですし、手軽に手に入ります。

お酒は許容されている感じや「飲み過ぎたっていいじゃない」という感じもあります。文化の中に親和性が高く許容されていますが、いや、全然ダメです。このコロナ禍で8時、9時を過ぎて夜中までお酒を飲んでいたというのなら、集団でドラッグパーティーを夜中までやっていたようなものです。

また、お酒はどこでも売っているのでクリーンなイメージがありますが、犯罪とも近いです。アルコール依存症でトラブルが起きている時は、グレーな人たちと近づいたりして危険です。

肉体への影響

《急性中毒、離脱、けいれん》
急性中毒とは急性アルコール中毒のことです。一気に飲むと呼吸が止まって死にます。
アルコールはダウナー系のドラッグで、鎮静作用があるため意識が薄くなり、脱抑制が起きて「ウェーイ」と明るくなります。だから力は出ません。お酒を飲むと元気が出ると言いますが、あれは嘘で脱抑制なのです。普段抑えている理性が飛ぶことではっちゃけられるというのがアルコールの気持ちよさです。その反対のアッパー系のドラッグはカフェインやコカインなどで、こちらは集中力を上げます。

離脱症状とは、ダウナー系ドラッグの作用で自律神経がグッと抑えられていたのが、お酒が抜けてスコーンと交感神経が上がってしまい、すごく汗が出たり震えが出たりするものです。場合によっては幻視も見えます。上りすぎるとけいれん発作も起こります。

《肝臓、膵臓、脳、血管、ガン》
長期的には肝臓、膵臓、脳、血管にダメージがあります。肝硬変、脂肪肝、急性膵炎、脳出血、高血圧、動脈硬化が進みます。ガンのリスクも上がります。
お酒は1杯なら百薬の長と言ったりしますが、そんなことはなくて1杯でもリスクは上がります。

精神への影響

精神はリラックスできるから良いんでしょう?と思うかもしれませんが、これも嘘で精神への悪影響もあります。不眠、うつ、認知症のリスクを上げます。そもそもお酒を飲んで寝ても休まりません。本当に眠れないのなら睡眠薬を飲んで寝るほうが遥かに健康的です。お酒は危険です。

アルコール依存症になりやすい人

アルコール依存症になりやすい人は自己理解を深めることが大事です。対人不安があったり、自分の気持ちを言語化するのが苦手な人もアルコール依存症になりやすいと言われています。トラウマ、虐待、発達障害などの問題がある、うつ病が隠れている、他の依存症が合併していることあります。

依存症の家族の問題

依存症の家族の問題としては共依存があります。お酒を止めようとしているのですが止めない、お酒を買ってきはいけないのに買ってきてしまう、この人は私がいないとダメなのと言ってつい援助してしまうという形でもつれてしまいます。

それからアダルトチルドレンです。アルコール依存症の親のもとで育った子供たちが、大人になってさまざまな精神疾患を持ってしまう問題もあります。
ですからお酒は良くないのです。

アルコール依存症の治療

通院、デイケア、入院

治療としては、通院、デイケア、ナイトケア、入院などがあります。
アルコールはなかなかやめられないので入院して治療をしていくこともあります。ただ、入院治療をしても、退院から2年後も断酒を継続できている人はたったの25%です。13%は亡くなってしまいます。アルコール依存症は予後が悪くて治療が困難なのです。外来だけでは難しく、デイケアやいろいろなものを使いながら治療していきます。

抗酒薬

《ノックビン、シアナマイド》
抗酒薬といって、アルコールからアセトアルデヒドが水などに分解されるのをストップさせる薬があります。アセトアルデヒトは二日酔いの原因になる中間物質(毒)です。それが水に分解される前の段階でストップさせます。結構怖いです。なので飲むと気持ち悪くなります。

今までお酒を飲むと気持ち良くなっていた人がすぐに二日酔いになってしまう薬です。それによってお酒を飲むのをやめるという理屈です。ですが、二日酔いになっても良いから飲みたいということが起こります。またアセトアルデヒトは毒なので肝臓へのダメージもあります。

《アカンプロサート(レグテクト)、ナルメフェン(セリンクロ)》
アカンプロサートは飲酒欲求を下げます。ナルメフェンは毒を持って毒を制すという形の薬です。

当院が出せるのはアカンプロサート(レグテクト)だけです。あとは睡眠薬を出したりしながら治療しています。抗酒薬は肝機能障害の問題があるので当院では出していません。ナルメフェンは専門施設でないと処方できないという規約があります。

自助団体(断酒会、AA…)

皆で集まって話をする会です。良いのですが、いろいろと団体の問題もあったりなかったりという感じです。良い人もたくさんいます。

治療モデル

アルコール依存症の治療モデルは「引き金欲求モデル」だと言われています。

何かの引き金があり
→欲求が生まれる(飲みたい!)
→頭が「飲みたい」でいっぱいになり
→飲んでしまう
というモデルです。

《引き金》
引き金が何であるかを個人個人考えた方が良いです。
例えば、
・YouTubeで美味しそうなものを食べているのを見た
・お酒を飲んでいるシーンを見た
・HALT:お腹が空いている→飲みたい、怒り・イライラ→飲みたい、孤独・つまらない→飲みたい、疲れた→飲みたい
引き金をはっきりさせることで、その状況にならないように持っていきます。

お酒を飲んでいるシーンを見たら飲みたくなってしまうのならば、動画でそういうものが出ないようにする、お腹が空いたら飲みたくなるならば、小腹が空いた時に食べられるようにチョコレートを持ち歩く、などです。

《行動療法》
お酒を家に置かない、お金も持たない(つい飲みに行ってしまう)、予定を詰める(時間があると飲みに行ってしまう)など。

《錨》
・もし飲んでしまったら家族が悲しむかもしれない
・仲間を裏切るかもしれない
・取引先に迷惑を掛けるかもしれない
など何でも良いのですが、錨を作ることでお酒をやめます。

このようなモデルを使いながらお酒をやめましょう、ということです。

アルコール依存症の治療プログラムはこれらの情報をもっと深く何周も何周も行っていきます。わかったつもりにならずに理解を深めていくのが重要です。

ざっくりと全体像を話しましたが、これでアルコール依存症のこと全部説明したとは言えません。
「僕は対人不安があるからお酒を飲みやすいんだな、うん」→「で、何?」という感じだと思いますので、理解を深めていくことや生い立ちを考えることが大事です。

そのようなことを、できれば自助団体で話していくことが良いのですが、話しにくい場合はオンラインでもいろいろな団体がありますし、断酒系・禁酒系YouTuberの方もいます。いろいろなものを利用しながらお酒をやめることが大事です。

僕も断酒中です

僕もコロナをきっかけに2020年の6月5日からお酒をやめています。300日を越しましたがやっぱり飲みたいです。飲みたいけれど、以前ほどではありません。我慢できる程度ではあります。飲まないことで得られるベネフィットは、痩せた、健康的になった、時間が増えた、お金を使わなくなった、充実感を感じるなどいろいろあります。

お酒に苦しんでいる方、もしよかったらこの動画を見てお酒をやめてみてはいかがでしょうか。


2021.4.13

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