今日は「自律神経失調症」について話します。
自律神経失調症を一言で言うと「疲労で自律神経が乱れる状態」です。
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自律神経とは
自律神経とは「体の調子を整える神経」です。
実際の○○神経というよりは、イメージ的な概念です。ややこしいのですが。
これもイメージ的なものですが、「交感神経系」と「副交感神経系」の2つがあります。
(「神経」と言ったり「神経系」と言ったりしますが、「系」というのは仲間ということです)
・交感神経系
交感神経系は体の調子をアップさせる神経系です。元気にさせて、体を動かします。
これを刺激する薬はコカインや覚醒剤、合法的なドラッグではカフェインといったものです。
・副交感神経系
副交感神経は体をリラックスさせる神経系です。
体をリラックスさせる方向に、この神経を刺激するものとしては、アルコールやベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬があります。
アルコールを飲むことで元気になった気がするかもしれませんが、あれは元気になっているのではありません。体はダルッとなるのですが、脳のブレーキが外れるので元気になった気がするだけです。体と精神の緊張感を取れるので、疲れが取れた気になりますが、実際には疲労は蓄積しやすくなります。
・交感神経系と副交感神経系が押し合う
これもイメージですが、交感神経系と副交感神経系は互いに押し合っています。押し合いの中でバランスが保たれます。
朝や寝る前は、副交感神経系が優位で「休め」と言ってきます。
きます。
これが自律神経のバランスが整っているということです。
もちろん、日中でも会議など集中するときは交感神経系がもっと優位になり、昼休みなど落ち着くときは副交感神経系が少し優位になるなど、細かい押し合いがあります。
自律神経のバランスが乱れる時
現代人はストレスが多いので、交感神経系が押しすぎています。
そうすると副交感神経系が弱まってしまい乱れてしまいます。
仕事終わりにお酒を飲むと、今度はストレスがない状態で副交感神経系がグッと押してきます。そうするとまた押されすぎてしまいバランスが崩れてしまいます。
自然な体の中のバランスで押し合っている分には良いのですが、過度のストレスやお酒などのドラッグでどちらかに押しすぎてしまうと乱れてしまいます。
自律神経が乱れると
自律神経が乱れた結果どうなるかというと、疲れが取れない、不安、イライラ、体がほてる・冷えるといったことが起こります。他にも、肩こりが取れない、動悸、呼吸が苦しいなど様々な症状が出ます。
自律神経は体の調子を整えるわけですから、様々な影響が出ます。
診断
自律神経はイメージ的なものだと言ったように、検査では異常を見つけられません。
検査では動悸がするなら心臓に問題がないか、呼吸が苦しいなら肺や気管に問題がないか、便秘や下痢を繰り返すなら胃や腸の調子はどうなのかなど、色々調べた結果何も原因がないのだとしたら、自律神経の問題だと診断されます。
自律神経失調症と言われながら、それがうつ病などの精神の病気だったりすることもあります。
交感神経系が行き過ぎると、発作が出て冷や汗が出て「死んでしまうのではないか」という恐怖感に襲われることがあります。それを と言います。
細かいことをいうと色々ありますが、大雑把なイメージをつかんでもらえたらと思います。
治療方法
治療方法としては、まずは自律神経の乱れを整えるために休むということです。
ストレスを減らすためには、仕事を休む、仕事の量を減らすなどの調整をする必要があります。
ストレス解消法としては運動、散歩、趣味、愚痴を言う、人と話すと言ったことも大事です。
副交感神経を押すドラッグ、つまりアルコールは良くありません。できるだけお酒は控える、やめてしまうのが一番大事です。
お酒をなかなかやめられない場合は節酒をしてください。
週3日、1日3杯まで、1杯あたり1時間はかけます。これが節酒の基本的なルールです。
寝れないというのであれば、お酒はやめて睡眠薬で寝てしまうというのが大事ですし、便秘や下痢がひどい場合は整腸剤を飲むなど対処療法的なアプローチをします。
以上、自律神経失調症の症状と治療方法について解説しました。
★noteでも書いています「自律神経失調症」
https://note.com/wasedamental/n/na8c58ba72ecd
自律神経系
2021.6.8