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パニック障害について解説

00:40 パニック発作
04:33 パニック障害の治療

今日は「パニック障害」について解説します。
パニック障害とは、一言で言うと「疲労で『パニック発作』がクセになっている障害」です。

パニック障害

・パニック発作

自律神経は「交感神経系」と「副交感神経系」があります。交感神経系は体を活動的にさせる神経系で、副交感神経系は体をリラックスさせる神経系です 。

人間の体の中ではこの2つの力がせめぎ合っており、朝と夜は副交感神経系が勝っていて、日中は交感神経系が勝っています。このリズムがあります。

パニック発作はこの交感神経系がポーンと突き抜けてしまっているイメージです。
疲れ果てているところに過度に緊張する(交感神経系が活性化する)と、動悸、目が回る、冷や汗、口が乾く、喉がつまる、手足が震える、死ぬのではないかという恐怖感、こういった症状が数分間続きます。

疲労が蓄積したところに緊張が重なると誰にでも起こり得る生理反応ですが、それを何度も起こしてクセになっているのがパニック障害です。
発作はとても怖いものです。脳が恐怖感に支配されてしまうので「何か体に問題が起きたかもしれない」と不安になり、救急車を呼ぶのですが、いざ検査をすると何も異常がありません。

・予期不安
発作がクセになっているので、「また起きるのでは」と不安になるのを「予期不安」と言います。

・広場恐怖
発作が起きた場所や、「あそこで発作が起きたら嫌だな」という場所を避けるようになるのを「広場恐怖」と言います。「広場」となっていますが、映画館などの密室、電車やバス、人の列、渋滞、人混みなども避けたりします。

これらは古典的な診断基準で、現代的には広場恐怖と言わず「広場恐怖症」という別病名になったりしています。パニック発作がなくても特定の場所を避けることを広場恐怖症と言い、パニック障害はパニック障害で分けています。ですが、実際は重なっている人が多いのでここでは一緒に書いています。

パニック障害の治療

治療は長期戦になることを覚悟しなければなりません。
良くなったと思ってもぶり返すことがあります。

・薬物治療
抗うつ薬(SSRIなど)…不安体質の改善
発作が良くなってもしばらく飲み続けた方が良いです。

抗不安薬…副交感神経系を刺激する
こちらは対処療法的に使います。

抗不安薬は依存性があり、長期間飲み続けるとなかなかやめられなくなってしまうので注意が必要です。ただ、実際とても怖い思いをするので、お守り代わりに持ってもらったり、頓服で飲んでもらったりします。
患者さんにきちんと疾患を理解してもらうことで、抗不安薬の使用を減らすことが重要です。

・客観視、暴露療法、「しなやかな思考」
本人の考え方や病気の理解も重要です。
ひとつは客観視できるようになることです。「この発作で死ぬことはないんだ」「今、発作が起きているんだ」と思えるようになる、客観視できるようになりましょう。

また、特定の場所を避け続けるとなかなか良くならないので、苦手な場所にも少しずつトライしていきます。これを「暴露療法」と言います。

ストレスを溜めやすい考え方や行動を取ってしまう人も多いです。頑張らなくて良いのに頑張ってしまう。考え方がゼロか百になってしまうといったことです。
そうならないように「しなやかな思考」を身につけましょう。
しなやかな思考とは、柔軟で、さまざまな角度から物を見られる、さまざまな立場で意見が言えるような思考です。

これらのものをセットにして行う治療法が、かの有名な「認知行動療法(CBT)」です。
病気の説明と、客観視や暴露療法、しなやかな思考を身につけるための宿題、トレーニングをしていきます。
セットでやらないにしても、外来の先生も認知行動療法のエッセンスを部分的に取り入れてやっています。

今回はパニック障害の症状と治療について解説しました。

★noteでも書いています「パニック障害」
https://note.com/wasedamental/n/n673932d11d91

【参考】社交不安障害(社交不安症)の認知行動療法マニュアル (治療者用)
http://jpsad.jp/files/JSARD_manual_panic.pdf?1623032425


2021.6.10

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