今日は「梅雨とメンタルヘルス」というテーマでお話をします。
このテーマは「メンタル系医療YouTuberの会」の企画です。パンダ先生という心理士の先生が「梅雨」というお題を挙げてくださいました。
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梅雨とメンタルヘルス
実際に臨床をしていると「梅雨の時期だから調子が悪い」という患者さんはいるにはいますが、意外と関係ありません。脳科学的にもあまりわかっていません。
科学的にはわかっていないけれど、カルチャーとして梅雨とメンタル疾患の問題は関係あるのかと検索をしてみましたが、梅雨の時期だからといって「うつ病」などの検索数が上がっている様子も見られませんでした。
雨が多いとクリニックの収益が下がる(ドタキャンが増える)ということも特にないので、やはりあまり関係ないのだなと思います。
梅雨は東アジアのものですが、雨季のある地域での雨季とメンタル疾患の関係も特にないようです。
どちらかというと、年間の日照時間で調べられています。日照時間が減るとメンタルヘルスに影響があるのではという研究はありますが、その影響も微々たるものです。
「高照度光療法」という強い光を当てる療法もありますが、これもあまり効かないなという感じがします。
人間の適応力
最近僕がよく考えていることの中に、人間の「適応力」があります。
今はコロナもありますし、社会はすごい勢いで変化しています。防衛医大の時は悪いことをすると「外禁(外出禁止)」というものがありましたが、今は1年以上それが続いているようなものです。だからと言ってメンタルヘルスの不調が増えたかというと意外とそうでもありません。
人類はアフリカ大陸で誕生しましたが、その後寒い地域でも暮らすようになりました。人間はやっぱり強靭ですよね。こんな動物は他にいません。普通は病気になってしまいます。道具を使って世界中で暮らしていけるのはすごいなと思います。
ですから梅雨ごときで人間はメンタルはやられないのです。
やはり人間関係
やはりやられるのは、人間関係、周囲と比べて自分は劣っているのではないかと考えてしまうこと、虐待といったことです。自然には勝つことができても、人間関係には負けてしまうのです。そこで病んでしまいます。
また、クリニックの患者さんの数が多いのは7月や11月で、この時期は普段来ない人も来たりします。夏休みや冬休みの前は忙しいからです。
やはり人間は、梅雨よりも休みがないとか忙しいとかで病んでしまうということなのかなと思います。
今回は「梅雨とメンタルヘルス」というテーマでお話ししました。
★noteでも書いています「梅雨」
https://note.com/wasedamental/n/nd60b09939a16
雑談
2021.6.15