今日は「発達障害の中枢性結合の弱さ」というテーマでお話しします。
難しいテーマですがお付き合いください。
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発達障害
発達障害とは、主に「自閉スペトラム症(ASD)」と「注意欠如多動症(ADHD)」の2つです。
この2つは別の病気と定義されていますが、合併することが多いです。
自閉スペトラム症:
・こだわりが強い
・空気を読みにくい
・相手の気持ちがわかりにくい
・感覚過敏
注意欠如多動症:
・不注意
・多動性
・衝動性
主に自閉スペクトラム症の相手の心がわからないことや、応用の利かなさを「中枢性結合の弱さ」と表現します。
中枢性結合
中枢性結合とは「別々の情報をまとめて、応用が利く知識に変えること」です。
例えば、犬を何匹か見ると頭の中に「犬とはこのようなもの」という概念が出来上がります。それを中枢性結合と言います。
「犬」という概念ができることで、個々の犬の特徴は忘れていきます。
1匹1匹について覚えていられませんから、応用できる知識に切り替わると細かいところは抜けていくのです。概念ができれば他の犬を見たときにも「あ、犬だな」と判断できます。
発達障害の人で自閉スペクトラム傾向の強い人は、「犬」という概念ができる前に個々の犬を延々と機械のように覚えていくことができます。学校では教科書をそのまま記憶できるのでテストの点数は良かったりしますが、作文や応用問題が苦手だったりします。
これの何が問題かというと、覚えきれないということもありますし、1個1個を覚えていかないといけないので脳がパンクしないように興味の幅が狭くなるとも言えます。
遂行機能障害
遂行機能障害も説明ができます。
・個別の案件は対応できるが、応用がきかない
・創造性が乏しい
職場で会話で慣れていけばプライベートでも「会話はこういうもの」と応用ができるものですが、それができないのでまた「別のこと」として始まってしまいます。
ですから、いつまでたっても新人に戻ってしまうという問題があります。
中枢性結合の弱さ
中枢性結合の弱さの感覚:
・自分が1つではない
・相手のことがわからない
場面場面で入れ替わってしまったり、気分の上下に振り回されてしまったり、自分がさも別人になってしまったかのように感じる人が多いみたいです。調子が悪いと、これは自分ではない、みたいな。
また、相手と自分は違うものだと思ってしまうので「相手のことがわからない」となってしまいます。
確かに違う人間ではありますが、同じく人間ですから「きっとこう思うだろうな」とか「あの人の性格的に○○さんと似ているから、こんなことを言いそうだな」と応用が利くものです。でもそれができません。
ですからとても不安なところに生きています。
同じテレビ番組を繰り返し見ることを好む人もいます。ですが、同じ人を劇場で見ると落ち着きません。違うものだと思ってしまうからです。アドリブなどしようものなら不安になってしまいます。
ちょっと極端な言い方をしましたが、程度の差はあれど発達障害の人にはこのようなことがあると言われています。
今回は「中枢性結合」のお話でした。
発達障害
2021.6.18