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注意欠如・多動症の診断基準を解説します

01:16 ADHDの診断基準
06:54 不注意について
07:42 薬が効かない項目
0939 社会的障害
10:47 大人になると多動性・衝動性は落ち着く
11:58 心理検査
12:20 薬物治療

今日は「注意欠如・多動症(ADHD Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder)」の診断基準について、DSM-5に沿って解説します。

昨日の動画では「自閉スペクトラム症(ASD)」の解説をしましたが、今回はその続きです。
ASDとADHDは別の疾患とされていますが、実際は合併することが非常に多いです。

ADHDの診断基準

ADHDの診断基準は下記のA-1、A-2を満たし、かつB~Eの診断基準を満たすことです。

A-1 不注意

不注意の定義は「a~iの6つ以上、17歳以上であれば5つ以上を6ヶ月以上継続しているかどうか」です。

a)不注意な間違い…書き間違い、書類の不備が多い
b)注意が続けられない…会議、授業など
c)聞いていないように見える
d)義務をやりとげられない…宿題
e)順序立てることが困難…持ち物の整理、時間管理
f)努力が必要な課題を避ける…レポート提出
g)必要なものを失くす…財布、スマホ
h)外的刺激で気が散る
i)約束を忘れやすい…デート、折り返しの電話

A-2 多動性・衝動性

(a~iの6つ以上、17歳以上であれば5つ以上を6ヶ月以上)

a)そわそわ、足をもじもじ 
b)席を離れる
c)走り回る
d)静かに遊べない
e)じっとしていられない、エンジンがかかったよう
f)喋りすぎる
g)質問が終わる前に話す
h)順番を待てない
i)他人の活動に干渉

B. 12歳以前から症状があるか

C. 2つ以上の状況で認められるか

家だけなのか、学校でもあるのか

D. 社会的障害が起きているか(グレーゾーン)

精神医学は社会保障と密接に関係していますが、社会的な障害があり保障を得ないとやれないのか。
仕事につけないほどならばADHD、仕事につけるけれど困難が伴う場合は障害と言うよりはグレーゾーンと言ったりします。ここのラインはややこしいです。
 

E. 他の精神疾患で説明できない

多動性や不注意は躁うつ病の躁状態でも起こるが、それではない。

不注意について

不注意や多動性・衝動性は薬物治療で改善する場合が多いです。
不注意に関してはメチルフェニデート、アトモキセチンがよく効いたりします。
衝動性についてはグアンファシンがよく効いたりします。

薬が効かない項目

薬が効かないこと、例えば「順序立てることが困難」だったら、仕事のマニュアルを作ってもらう、自分でノートやメモにまとめておくも大事です。

「必要なものを失くす」のだったらスマホにエアタグを付ける、「外的刺激で気が散る」のならばそもそもデスク周りに刺激になるものを置かない、「約束を忘れやすい」ならばGoogleカレンダーのアラーム機能などを駆使しているか。
このようなことを確認しなければなりません。

特に「順序立てることが困難」というのは本人にとってはかなり苦しいので、結構手伝ってあげないといけません。そういう時に「構造化支援ツール」という本など、特別支援教育の資料が役立ちます。

【参考書籍】佐々木 敏幸 (著), 縄岡 好晴 (著)『自閉スペクトラム症のある子の「できる」をかなえる! 構造化のための支援ツール 個別編』(明治図書出版 2021年)

こっちは大人だと嫌がられるかもしれませんが、このような本を読むとヒントがたくさんあります。臨床の場面で使えるアイデアもたくさんあります。

社会的障害

僕も不注意や多動で当てはまるところはありますが、人並みに働いて納税もできているので、あってもグレーゾーンかなと思います。(ちなみにたまに聞かれるのですが、薬物治療は受けていません)

大人になると多動性・衝動性は落ち着く

大人になると、不注意は残るけれど多動性・衝動性は落ち着く人がほとんどです。
ASDの受動型で能動的なものが弱い人だと多動性・衝動性は目立たないかもしれませんが、頭の中ではガヤガヤとしていて不注意が多いという場合があります。

A-1は満たすけれどA-2は満たさない場合は「不注意優勢に存在」というサブカテゴリーになります。逆の場合は「多動性・衝動性優勢に存在」というサブカテゴリーになります。

心理検査

昨日のASDの回でも話しましたが、心理検査は必須ではありません。
それよりも、診察室での様子や現在困っていることや過去に困っていたこと、自分だけでなく他の人から見てもそうだと言えることが重要なポイントだと思います。
  

薬物治療

診察室での様子よりも、家や職場にいる時の方が症状が重いだろうなと思って患者さんの話を聞いています。
自分の直感だけで判断せず、少し重めに診断しないとその人の本来の苦しみはわからないだろうし、薬を使うかどうかを躊躇していると、その数ヶ月の間でも本人の自尊心は傷つくし抉られたりします。
もちろんすべてが薬で解決するわけではありませんが、不必要な傷を負う必要はありません。

そのようなことを考えながら薬の適用を考えます。

以上、注意欠如・多動症(ADHD)の診断基準および症状について解説しました。


2021.6.28

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