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職場ストレス(パワハラ・セクハラ)で鬱になった時の休職基準を解説します

00:57 診断
01:37 「うつ」の重さ
03:10 社会背景・キャリアプラン
04:35 休職にならないケース?

今日は「パワハラ・セクハラでうつになった場合の休職の基準」についてお話しします。
パワハラ・セクハラでなく業務量が多いなどの場合でも同様です。

先に結論を言うと、明確な基準はありません。人によって違います。
「診断」「うつの重さ」「社会背景・キャリアプラン」の3つの要素で決めます。

診断

1.うつ病
2.適応障害
3.二次障害(発達障害、不安障害)

うつ状態が、「うつ病」という脳の病気で起きているのか、ストレスの結果起きているのか(適応障害)、もともと発達障害や不安障害があり日常のストレスからうつになっているのか(二次障害)、などによって治療方針が変わります。
治療方針によって休職の基準も変わります。 

「うつ」の重さ

・食事・睡眠?
・希死念慮?
・疲労感?

食事・睡眠は取れているのか、死にたいという思いがあるのか(希死念慮)、仕事は続けられるのかそれとも限界なのかということも大事です。

よく休職の基準を上記の「うつの重さ」だけで判断しようとしてしまうのですが、うつが軽くてもうつ病の場合、今後悪化するかもしれないので休職を検討することもあります。
また、今後のキャリアプランによっては、このままだと適応障害が悪くなることがわかっているのであれば、まだ頑張れそうでも早めに休むこともあります。

発達障害、人格障害などベースの問題がある場合は、休むことよりも、その場で対処できる力を身につけることのほうが重要なときもあります。

もちろん、食事・睡眠が取れないほと落ち込んでいるならば休んだほうが良いですし、会社に行ったら死にたくなる、涙がポロポロ出るという場合はすぐ休まなければなりません。

社会背景・キャリアプラン

・残業時間がどれくらいか
・異動制度
・会社の体制
・転職の予定?

1、2ヶ月後などまもなく異動できる場合、それまで睡眠薬でしのぐこともあります。会社の体制や精神疾患への理解によっても異なります。
結婚による転職などを予定している場合は、3ヶ月や半年くらい前倒しで休職しましょうかとなることもあります。

休職の基準は今の状態像(うつの重さ)だけで決まるのではなく、診断やその人の背景によっても変わります。

休職にならないケース?

苦しくて精神科に行ったけれど、主治医から「休職する必要はない」と言われるのではないかとビクビクしている人も多いと思います。益田は冷たそうに見えるとか、自衛隊出身だから厳しいんじゃないかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

とはいえ、「休職せずに頑張ろう」と言うことはもちろんあります。
発達障害、不安障害、人格障害の二次障害で、かつパワハラが過度ではない場合です。本人でないとわからないと言うかもしれませんが、ある程度のラインはあります。
 
対人不安のある人がちょっと舌打ちされて「もう会社に行けません、休ませてください」と言う場合、それで休ませて良いのかということです。舌打ちにみたいに聞こえたかもし、怒っているように見えたかもしれないけれど、あなたに対して怒っているのではなく忙してイライラしていたのかもしれません。

この辺りの見極めは重要です。
休むことで、本人の成長と学習機会を損なうかもしれないからです。

医者が治療介入することでかえって病気を悪くしてしまうこともあります。そうしないように見極めなければいけません。とても難しいですが。

そうすると皆さん「(休みたいと言うのは)甘えということですか?」と言うのですが、甘えではなく「能力(伸び代)の見極め」の問題です。

頑張りすぎることが良いとは決して思いませんし、診察室での様子よりも家や職場での状態の方が悪いと思っています。

眠れなくて夜中に苦しい思いをしているというのもわかります。僕自身もたまにはそのような経験はありますが、患者さんのようにそれが数ヶ月も続くということはありません。たまに眠れなくなった時に、「もしこの夜が1週間、2週間、何ヶ月、何年も続いたらどうなってしまうのだろう」と考えます。僕は考えているうちに寝てしまうのですが、考えるだけでもその苦しさを想像することができます。

ですから休ませてあげたいなとも思うのですが、それで成長する機会を失ってしまったら可哀想なのではないかという葛藤もあります。
これは家族の葛藤とも似ています。この子を頑張らせても良いのか、頑張りすぎなのではないか、ここは叱咤激励をしてでもやらせなければいけないのではなど。

伸びしろを考える上で、基準としては、例えば人口の1.6%が生活保護を受給しています。これは諸外国に比べて低いのではないかという議論もあります。

この人は一見普通に会話もできているし、頑張れそうな気もするけど難しいのではないかなど、自分に置き換えずにその人の立場に立って、その人の経験や能力をもう一度加味し、自分の経験から引き算して自信のなさを加えて、自分の苦しかった夜の思い出を思い出し、それを数倍にした上で本人の伸び代を考えます。

どっちかなと迷うこともありますし、休職させてよかったのかなと思うこともありますが、概ね休職の診断は広めに取った方が良いです。精神科に来るのは今でもまだハードルが高いことですので、本人が休みたいと言った場合は休ませることが多いです。この辺の塩梅は難しいです。

今日は休職の基準についてお話ししました。


2021.6.29

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