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問題を抱えた集団がとる行動について解説(リーダーとグループ)

01:38 グループがうまくいっていないとき
02:23 よくあるパターン
05:05 全員にリーダーシップ教育が必要
07:31 リーダー信仰を捨てる

今日は「リーダーとグループ」というテーマでお話しします。

人間は集団になると「集団力動」が働くようになります。
集団心理でも、一人の人間の心で起きるのと同じようなことが起きます。

精神科では、集団力動、集団精神療法という形で、集団を理解しそれを治療に活かしていこうという分野があります。

僕は専門ではありませんが、知識としては知っていますし、自衛隊という組織の中で生活していたこともあるので、その時の経験もまじえて「集団が不安になり、混乱しているときにどのようなことが起こるのか」ということをお話ししたいと思います。

グループがうまくいっていないとき

グループがうまくいっていないとき、グループ構成員は「自分たちは無能、能力が低い」「リーダーが必要」なとど考えます。
助け、教え、ルールなど何か自分たちを導いてくれるものが必要なのではないかと思い込み、それらを探し始めます。

本来リーダーとは探すものではなく、自分たちで作らなければならないものです。
誰かがリーダーをやれそうならばそれを援助するということをしなければなりませんが、混乱の中、誤った認知の中にいると、人はそのような発想に至りません。

よくあるパターン

よくあるパターンがこちらです。

パターン1:愚か者がリーダーになる、黙認、黙従

目立つ人など愚か者がリーダーになり、「この人がリーダーじゃいけないんだろうな」と思いつつそれを黙認、黙従していくパターンです。その結果、前に進みません。

誰かが「この人がリーダーじゃダメでしょ」と言うと、リーダーその人ではなく周りの人が「せっかく頑張っているんだから放っておけよ」と意見をつぶしたりします。
こうやってリーダーを仕立て上げると、組織はなかなか上手くいかず、グループは前に進んでいけません。

パターン2:リーダーが生まれてくるのを待つ

愚か者がリーダーではないけれど、2、3人が集まって何か良いプロジェクトをやっているようだから、そこからリーダーが生まれてくるのでは?彼らが頑張っているから僕らはサポートしよう、という流れです。
リーダーが生まれてくるような雰囲気は常にあるので、とにかく任せてみようと思い、何もしないパターンです。

パターン3:問題があるから「リーダー不在だ」と思う

小さな問題を片付ける、些細な問題を解決していくことに専念している状態です。
本当はもっと大事な問題があるのに「とりあえず掃除から始めよう」となってしまうパターンです。
小さなトラブルを解決していく中で、何か先が見えてくるのではないかという幻想に囚われている形です。

「あいつがいるからダメなんだ」と身内の争いに終始してしまうこともあります。そうなってくると悲惨です。問題を誰か特定の人物に押し付けるパターンです。

だいたいこの3つのパターンに当てはまります。
このような状況で集団から被害に遭い、適応障害になり、クリニックを訪れる患者さんは多くいます。

全員にリーダーシップ教育が必要

こういったことは、係長や部長など上の立場の人がやることをやっておらず、かつ新しいリーダーを潰しにかかるような雰囲気が出来上がっているときに起こりやすいです。

個人的な意見にはなりますが、日本ではそもそもリーダーシップ教育はあまり行われていないように思います
代表になって何かをやってみるという機会が圧倒的に少ないと思います。

リーダーシップ教育は全員に対して行う必要があります。
今後リーダーにはならないかもしれないけれど、リーダーをサポートする人にもリーダーシップ教育をするのです。それによって良いサポートができますし、集団が誤ったパターンに陥ることを防げます。

それからこれはよく思うのですが、多くの人にとって、リーダーが正しいリーダーでも、愚かなリーダーでも困りません。
ほとんどの人はリーダーが愚か者でも困らず、困るのはスケープゴートにされてしまう弱者だけです。
これは残酷な事実で、一番弱い人たちが被害を被ります。

ですから皆が意識して変わっていかなくてはなりません。

リーダー信仰を捨てる

患者さんにとって大事なのは、リーダー信仰を捨てることです。
周りの人と同じではなく、治療の主人公は自分である、自分からやっていくという気持ちを持てるかどうかです。

家族で治療をしていても、夫婦で治療をしていても当事者意識を持てるのか。タイミングが来れば自分たちがリーダーになれるような気持ちでいるかは重要です。
そうでなければ、リーダーを治療者に求めたり、家族病理がある場合は患者さんだけに責任を押し付けてしまったりします。

例えば、摂食障害の娘がいて家族病理があるならば、ある時は治療をリードしていくのは母親だったり父親だったりします。そのような当事者意識がないと治療はうまくいきません。
患者さん自身も、治療を進めていくのは母親でも父親でも主治医でもなく自分なんだという気持ちを持つということです。

「愚か者がリーダーであることを否認してしまう」「リーダーが生まれてくるのをただ待つ(幻想を持ち続ける)」「小さい問題にばかり目が向いてしまう」というのは良くあることですので、ここに気をつけながら当事者意識を持つことが大事かと思います。


2021.7.22

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