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ダメ上司と負けず嫌いな自分

00:25 本当にダメ上司?
02:32 しなやかな思考を身につける

今日は「ダメ上司と負けず嫌いな自分」というテーマでお話しします。

本当にダメ上司?

よく「うちの上司はダメなやつ、努力をしないし向上心もない」と怒る患者さんがいます。
患者さん自身はスポーツマンで努力家で、自分を追い詰めていくような人だったりします。

でも話を聞いてみると、実際はその上司はしたたかで現実的だったりします。やらないにはやらないなりの理由があり、疲れない程度に仕事をしています。それが努力家の患者さんにはわかりません。

実際、患者さんの理想通りにやると疲れてしまいます。

ある日の診察では「残業が多くて疲れる」と言い、次の診察では上司の悪口を言い、また次の診察では「仕事が疲れた」という話になります。このような人は結構います。

問題は、
・自分の弱さを認められない
・実はネガティブ
ということです。

スポーツ選手には根がネガティブな人は多くいます。スポーツマンは爽やかでポジティブな人が多そうですが意外とそうでもありません。

相手の弱さを認めれば自分の弱さを認めることができますが、それができません。
これは患者さんによって、ダメ上司がダメ家族、ダメ会社、ダメ主治医だったりします。臨床ではよくあります。

しなやかな思考を身につける

どうすれば良いかというと、まずはアセスメントをします。

・べき思考がある
・完璧主義を目指している
・超自我が強い(勝たなければいけないという意識が強い、親が厳しかった、競争に勝たないと生き残れないと思い込みすぎている)

このような話をしながら「しなやかな思考」を身につけていきます。

ただ、アセスメントをしたからといって、すぐに「自分はこういう人間でした」と言ってパッとしなやかな思考ができるようにはなりません。それほど簡単なことではありません。

日々の臨床の中で、
・折り合いをつける方法を一緒に考える
・現状認識
・目的確認
など細かいやり取りを続けていきます。 

「上司がダメだというのはあなたの思い込みだ!」という話にはなりません。
患者さんの現状認識が間違っていないこともありますが、どうして上司はこれくらいの仕事量になっているかにはそれなりの理由がありますので、きちんと理解していくことが必要です。

勝つために仕事をしているわけではありませんし、勝たないと生き延びられないということもありません。

どうして患者さんはそんなに一生懸命仕事をしないといけなのか、上司を攻撃してまで達成したいことは何なのかを確認する必要があります。実はそんなに頑張らなくても良いのではということを確認したりします。

とはいえ、なかなかそうもいきません。
自分の理想があり、自分の至らなさがあり、そこでの折り合いを見つけていく。自分が今できるのはどれくらいのことなのか、自分ができないのは何なのか、やることは何なのか、やらないことは何なのか。
そのような話は日々変わっていきます。

「こうしようと」思ってもなかなかできませんし、かと言って悩みすぎても先に進めません。とても難しい問題です。

ですが、このようなことを話し合うことで、しなやかな思考を身につけていくことが重要です。
話し合いをしないと「べき思考」や「完璧主義」になってしまいます。


2021.8.16

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