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仕事で鬱になった人。次はどんな仕事を選ぶべき? 基準を解説

02:54 大企業or中小企業or障害者雇用
05:33 転職を前提としたキャリアに
06:38 業務の忙しさ(利益追求)vs 人間関係(官僚)
07:47 右肩上がりの業界(を転々とする)
08:38 派手<地味
10:04 仕事は人と人との縁

今日は「職場のアドバイス」についてお話しします。

クリニックには、パワハラ、セクハラなどが重なりうつになってしまった。
発達障害がありコミュニケーションが上手くいかずうつになってしまった。
マルチタスクが苦手でうつになってしまった。
そのような患者さんが多くおられます。

彼らは休職をして、復職をするか転職をするか、それぞれ色々な道を歩まれます。

僕ら精神科医はそれほど職場のことを答えられるわけではありませんが、自分の経験や他の患者さんの話などから仕事を選ぶ際のアドバイスもします。

本格的ではないにしろ、キャリアカウンセラーのような役割も多少はするのです。

考えてみると、僕らはいろいろな仕事の人と話をしています。
もちろん「精神科に来ている患者さん」というバイアスはありますが、かなり幅広い人の話を聞いています。
芸能人、社長さん、フリーターなど色々な人のことを意外と知っています。

「あなたはこの仕事をしなさい」のように昔の占い師みたいな言い方はしませんが、診察では今回の動画のようなアドバイスをしています
この動画を見ていただくことで、仕事を選ぶヒントになれば、と思います。

患者さんだけでなく、就職をひかえるお子さんがいらっしゃる親御さんもご覧ください。

大企業or中小企業or障害者雇用

これはよく出る話ですが、結論、何とも言えません。

・大企業
大きい企業に入れるなら入った方が良いのですが、まず入るのが難しいです。入った後も企業内の政治的な絡みや異動があり、自分のやりたいことができないことがあります。

・中小企業
中小企業(従業員数百人規模)になってくると、やることがたくさんありマルチタスクが求められます。
また、社長の意思決定が早くいろいろな波を受けます。

給与面は中小企業の方が低そうなイメージがありますが、意外と中小企業の方が良いこともあります。
最近では、名前を知られていないIT関係の会社で給料が良いところもありますし、名前がある大企業だから良いというものでもありません。

・障害者雇用
発達障害の人からは、障害者雇用で働いた方が良いのかという質問もよく受けます。

これも難しく、障害者雇用だと給料がなかなか上がらない、結局正社員と同じことをやっていて途中で正社員に変わる、または障害者雇用のままずるずると行ってしまう、など色々なパターンがあります。
会社によってもかなり違うので、必ずしも障害者雇用が良いということもないと思います。

特例子会社のように障害者に特別な配慮がされた子会社もありますが、こちらは身体障害者の方も多く、そのような人向けに組まれていることもあります。
特例子会社でなくても、理解のある職場に精神障害者として入った方が楽な場合もあるので、やはりケースバイケースです。

転職を前提としたキャリアに

というわけで、大企業・中小企業・障害者雇用のどれが良いですかと聞かれても、パッと答えることはできません。
ですが重要な点として、「スキル不足の悪循環にならないように」という話はよくします。

これからは転職が前提となります。
大企業から中小企業へ、障害者雇用から中小企業へ、など会社を移ることがあると思いますが、やっている仕事の内容に連続性がある方が望ましいです。
行き当たりばったりになってしまうと、 ります。

「こういうスキルを身につけたら、こちらにステップアップできるな」という見通しを立てて仕事を選ぶのが良いと思います。

業務の忙しさ(利益追求)vs 人間関係(官僚)

業務の忙しさと人間関係は相反するものです。

利益追求型の会社だと意外と人間関係はそれほど悪くなかったりします。複雑な人間関係がないのです。
ですが、業務が比較的楽でマニュアルで決められているようなところ(官僚型)では、人間関係のトラブルが増えることがあります。

「ここは暇そうだ」と思って行っても意外と人間関係がギスギスしていて、「これなら忙しいところの方が皆で協力しあっていた分、たまに喧嘩をすることはあっても仲が良かったな」と、残業が多い会社の方が良かったと言う人も結構います。

ここは好みが分かれるところです。
愛想の良い人ならば官僚型の方が良いかもしれませんし、利益追求型の方が合っている人もいます。

右肩上がりの業界(を転々とする)

右肩上がりの業界を転々とするというのが、これからのキャリアの選びの王道だと思います。

実際、大学生の人たちも、
「この業界は将来性もあるし、スキルも身につくから、何年か働いてこういう会社に移れたら良いと思います」
「文系でも、こういう仕事をしていたら今度はこちらに行けるので良いと思います」
というようなことを言います。

今儲かっている企業というよりは、今後伸び続ける業界を選ぶ人が多いと思います。

派手(toC)<地味(toB)

若い人は特に知らなければなりませんが、派手な仕事よりも地味な仕事の方がメンタル的には平和です。
賃金も良かったり、福利厚生も整っていたりします。

派手(to Customer)というのは直接顧客に物を売るような仕事です。
例えば、芸能界は非常に派手ですが、そのようなところはトラブルも多いです。出版メディアなどもそうです。

逆に地味なところは(to Business)、働きやすいところが多いです。
toBというのは、素材や部品を扱うような会社です。

特に行きたい業界が決まっていないのであれば、toBの地味なところに行った方が良いのではという話をします。

このようなことは患者さんも知らないことが多く、「そういう仕事の探し方があるんですか」「そういう会社があるんですね」と言います。

仕事は人と人との縁

その他には、有休取得率、育休取得率、女性管理職の割合が高いところはやはり良い会社が多いです。そのような会社を選ぶのも1つのポイントですが、調べるのも大変なので今回は項目としては取り上げませんでした。

結局のところ、仕事は人と人との縁です。
職場の雰囲気や業界の業績は移り変わるものなので、絶対的なものではありません。ですから、縁を大事にしながらやっていくのが良いと思います。

もう1つは、社長の実力以上に会社は大きくなりません。
「あの会社、社長以外は良いんだけどな」と患者さんが言うことがあります。
「社長以外は良いから残りたいんだけど…でもああいうトラブルがあるとなあ」などと言いますが、社長の実力より会社は大きくなりません。ご安心ください、そこはあまり良い会社ではありません。
働いていると続々と人が辞めて悪くなってしまうことがあります。そこも重要なポイントです。中小企業で社長の顔が見えているところは、このようなことも意識すると良いのではないかと思います。


2021.9.4

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