アンケートにご協力ください:
https://www.youtube.com/c/精神科医-益田裕介のメンタルクリニックTV/community
今日は、登録者数10万人を超えたお礼と今後の方針、およびアンケートへのご協力のお願いについての動画を撮ります。
いつものショートレクチャーとは違う特別編です。
このような思いでYouTubeを撮っていますというお話をしようと思います。
コンテンツ
登録者数10万人
登録者数が10万人を突破しました。ありがとうございます。
10万人を超えたのが、2021年10月末です。
月間の再生回数は350万回ほどになります。
これは中田敦彦さんのYouTube大学の1/6くらいになり、かなり見られています。
それだけメンタルの情報を求めている人がいるということですし、必要なことなのかなと思っています。
自分自身は、ただ数字が増えていくだけでどれくらいの人が見ているかという実感は湧かないのですが、ありがたいことだなと思います。
ただ、ありがたいだけではなく責任が伴います。
ドクターということもあり無責任な話はできないので、どのような責任があり、今後どのような方針で動画を撮らなければいけないのかということを、10万人を目前にした時から考え続けました。
10万人を超えたときに「銀の盾の開封動画とかやらないんですか」と言われたのですが、何を話せば良いかわからなくて撮れませんでした。
ズルズルと1ヶ月くらいが経ち本日に至ったという形です。
今後どのような動画を撮ろうかといろいろなことを考えましたし、いろいろな人にも相談したのですが、やはり信頼が大事だなと思います。
僕の動画にとって一番大事なのは「信頼されること」です。
あとは、背伸びをせずに診察室で話すことを続けていこうと思います。
最新の論文を読むとか、最新の研究を引っ張ってくるといったメンタルの最前線を追いかけることや、マニアックな情報を届ける、難しい話をするのではなく、診察室でどんなドクターも話すようなお話を患者さんのためにし続けるのが良いのではと思います。
それが信頼につながるのではないかと思い、そのようにやっていこうと思います。
まあ、これまで通りということです(笑)
10万人超えたから何かもっと頑張るというのではなく、これまで通り続けるということです。
このまま続けていくと2022年12月には登録者数30万人、2025年12月には100万人とか行くかもしれません。どこかで頭打ちすると思いますが。
100万人というとすごく責任がありますので、本当に考えながらやっています。
3つの方針
方針は3つ立てました。
1.全ての人に全ての精神医学・臨床心理学を
「全ての人に全ての精神医学・臨床心理学を伝える」というミッションを打ち立てました。
ですが、すべての人に伝えるのは不可能ですし、すべて情報を動画にするのも不可能なので、そこはYouTuberの会の人と協力しながらやっていこうと思っています。
僕が頑張らなくても、そもそもこれからの時代は「無料・無限コンテンツ時代」になり、動画化されます。
それがYouTubeかどうかは分かりませんが、情報が動画になりすべての人に行き届くようになります。その一助となれば良いなと思いながら続けていく所存です。
「YouTuberの会」とは、精神科医の筑波大の松崎先生たちと運営している会です。
・YouTuber同士での倫理的な相互監視(再生数や登録者数稼ぎのために変なことをしないかどうか)
・ノウハウの共有、教育(新しくYouTubeを始めた人の教育)
・メンタルフォロー(孤独な作業、炎上・批判コメントで傷ついて落ち込むこともある)
2.新しい治療体験の提供(反転学習、SNS)
YouTubeを見ることで治療効果が高まると思っているので、その質をより高めていくことが重要なのかなと思います。
YouTubeを見ることでの治療効果は何かと言うと、1つは「反転学習」です。
予習をしてから授業を受けることを「反転学習」と言います。
自宅で動画を見て勉強をして学校では先生に質問をするということです。そうすると学習効果が高まると言われています。
YouTubeも同様で、精神科医療の心理教育、病気について、悩み事など予習していただき、診察室ではもっと自分のプライベートなこと、コアな悩みを相談してもらった方が治療効果が高まるのではないかと思います。
また、SNS的な利用もあります。
YouTubeのコメント欄には、同じような悩みを持つ方、同じ疾患で苦しむ方がコメントを書いてくれています。それを見て安心したり、励みや学びになっている方も多くいらっしゃるようなので、そのような場の提供をし続けたいと思います。
どのような治療が起きているかを言語化して、もう少しブラッシュアップできたらと思っています。
3.未解決の社会課題の明確化、啓蒙
精神科の病気はまだ全然知られていないので、色々な人に伝えていくとともに、もっとコアな問題があります。
例えばヤングケアラーの問題、発達障害の教育システムの問題、妊活うつの問題など、まだまだ知られていませんし、社会的な整備がなされていません。
ヤングケアラーの問題で、親の介護や祖父母の介護をしなければいけない子供たちの教育の問題は、社会保障のシステムがなかなか上手くできていません。
発達障害にしても、かなり知られるようにはなりましたが、そうはいっても合理的配慮は十分になされていません。
妊活中にうつになってしまった時は、会社側の整備や法的な整備もまだですし、そもそも旦那さんやご両親さえ理解してくれなかったりします。この辺りもきちんと啓蒙していく必要があるのではないかと思います。
皆に知れ渡ると保障システムができてきますので、そのために啓蒙活動をしていきたいと思います。
■新しい治療体験とは?
新しい治療体験とは何かと言うと、例えばこのようなことです。
「誰が」×「何を」×「どう感じた」
これをもう少し明らかにしていきたいと思っています。
今この動画を見てくれているのは患者さんなのか、それとも家族や友人、恋人なのか、もしくは心理に興味がある人なのか。
そして今どのようなコンテンツをYouTubeで見ているのか。
有名人の悩み事相談を見る人が多いのか、当事者発信の動画を見ていることが多いのか、あるいはドクターや心理士さんが発信しているものを見ているのか。
そしてそれを見た結果、安心に繋がっているのか、逆に不安になってしまっているのか。成長や学びはあったのか。
これらを明確化して質を高めていく必要があるのではないかと思います。
それはなぜかというと、「多くの人に見てもらう必要があるから」です。
僕のチャンネルを見ているのが患者さんのみであれば、家族や一般の人に見てもらいやすいような要素を組み込んでいった方が良いだろうし、逆に一般の人しか見てないのであればもっと患者さんに寄り添ったものを作らなければなりません。
そのバランスをどうしたら良いか分かりませんが、とにかく多くの人に見てもらうことを目標としたいなと思っています。
YouTuberの会としては、できるだけ「治療者」の動画を多く見てもらいたいという思いはあります。
有名人や当事者の情報発信だけで満足するのではなく、きちんと治療者発信のものを見てもらいたいと思います。
治療者発信のものも、僕だけでなく松崎先生や他のドクターの動画も同時に見てほしいのです。
そうすることで、治療でどのようなことが起きているのか、いろいろなドクターの視点があることで治療の立体感が増します。
その方が学びやひらめきが多いと思うので、そのようにしてもらえたらと思います。
そうするためにはどのように動画を作っていけば良いのか。コラボの回数を増やせば良いのか。
その辺りも研究していきたいなと思っています。
安心できる動画とは何かということも考え、質を高めていきたいと思います。
こちらに関するアンケートを作っています。
概要欄にリンクを貼っておきますので、もしよかったらご協力ください。
今後について
これら3つのことを解決するために、今後どうしていきたいかということです。
1.再生リスト、動画の整理 中長期的なスケジュール・計画
再生リストや動画の整理、中長期的なスケジュールや計画を立てる必要があると考えました。
ただ、これはなかなかできません。
週5で診療を行いその後に動画を撮ったりしていると、もうギリギリです。
編集やプロデューサー的な人の協力がほしいと思っています。
副業感覚で時給で働ける人がいたら相談に乗ってほしいなと思います。
心理士やドクターなど治療者の立場で、チームメンバーに入りたいという人がいたらお声がけいただければと思います。
自分でやっていくのですが、できれば仲間が欲しいなと思います。
2.アンケートからSTART→学会発表へ
新しい治療体験の研究ということですが、まずアンケートからスタートしていこうと思います。
今回のアンケートももしよかったらご回答ください。
このアンケート結果を学会発表へ繋げていこうと考えています(ポスター発表)。
来年の精神神経学会のポスターで発表しようと思っていますが、募集期限が12月20日までなので、それまでにアンケートが集まってきて良さそうな発表ができそうだと思ったら発表しに行きます。
これもまた動画で撮ろうと思います。
学会発表することでいろいろなドクターからアドバイスをいただけると思いますし、いろいろな交流もでき、おそらく皆さんにとっても良い情報発信ができると思います。
3.動画の企画にも可能
どうやって社会に働きかけるのかということです。
NPO的な活動になるのかと考えています。
今抱えている社会的な課題、未解決課題をこのチャンネルでも取り上げて、解決できるように考えていきたいなと思っています。
なぜ動くことが重要か?
なぜ僕が動くことが必要なのかも最後にお話しします。
結局「早く動いた方が助かる人が増える」のです。
僕がやらなくてもゆくゆくはYouTube上ですべての情報は揃いますし、精神医学の情報も入ると思います。
僕がやらなくても誰かがやるのですが、ただ、早い方がやはり救われる人が多いと思います。
今困っている人を助けるには僕らが動いた方が良いのです。
来たるべき無料・無限コンテンツの時代を、できるだけ早めた方が良いのではないかと思います。
コンテンツの歴史はどんどん民主化していく方にあります。
昔は、精神医学の情報はなかなか知ることができませんでした。
フロイトもシャルコー先生のところに留学に行ったように、大学でしか教わらないので、講義を受けるとか、一般の方は市民講座になんとか漕ぎ着けるくらいしかありませんでした。
それがだんだん論文という形で発表されたり、書籍という形で広まっていきました。
その後に、ラジオなどで子育て相談に答えるドクターがいたり、テレビでの精神疾患の啓蒙活動が増えました。
今は時代が進み、WEBの時代です。
ブログやSNSの時代を経て今はYouTubeの時代に移りつつあります。
最初の頃は限られた人しか聞けませんでしたし、限られた人しか情報発信ができませんでした。
講義をするのは大学教授しかできなかったわけです。
精神科医の中でもさらに教授しかできませんでした。
講義を受けられたのも医学部の学生でしたし、市民講座を受けられるのも一部のエリートの人たちだけだったのが、だんだん誰でも受けられるようになってきました。
書籍も手に入るようになってきましたし、テレビもそうです。
今はYouTubeという形でいつでもどこでも見られるようになっているので、どんどん民主化が進んでいます。
そして「無料・無限コンテンツ」に近づいています。
いろいろ思うところはありますが、将来的には無料・無限コンテンツが来るので、一足先に僕らが向かうことで、今助かる人が増えるのではないかと思っています。
登録者10万人を超えまして、皆さんありがとうございます。
今度はこのような方針でやっていこうと思います。
より良い動画を撮るために、ぜひアンケートにご協力ください。
どうぞよろしくお願いします。
精神医学
2021.12.2