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離脱症状について解説。突然薬をやめてもいいですか?

01:19 ホメオスタシスの原則
05:15 自律神経系への影響
08:48 治療はゆっくりと

訂正:パキシル(抗うつ薬)をパクチーと言っています。

今日は「突然薬をやめても良いですか?」という質問に対してお答えします。

よく診察で「薬をやめても良いですか? 突然やめたらダメですよね?」と聞かれますが、もちろんダメです。薬を突然やめてはいけません。

ですが実際のところ、患者さんは突然来なくなったり、飲むのを忘れてしまったりします。面倒くさくなってパタっとやめてしまうことがあるのです。
とても危険なのですが、若くて体力があったりすると意外となんとかなったりします。

これを理解してもらうには「離脱」を理解する必要があります。

ホメオスタシスの原則

人間の体は「ホメオスタシスの原則」に則っています。
生体は「恒常性」を保つようにできていて、少しくらい何かがあっても元に戻るように、バランスを保つようにできているのです。

これは体だけではなく地球全体、生態系全体でも同じです。
例えば、気温が急に上昇しても海水が温度を吸収し、急激に熱が上がらないようにするなど。コロナが爆発的に増えてもそのうち落ち着くとわかっています。
それはこのホメオスタシスの原則があるからです。人類が滅亡するほどイレギュラーなことは起きません。

細かい原理はわかっていないのですが、なんとなくこのような原則があるというのは経験的にわかっています。
突然変異やがんなど、ホメオスタシスの原則が成り立たないこともありますが、他のものについては基本的にバランスを取るようにできています。

例えば、毎朝のコーヒー、毎晩のアルコール、突然のカロリー(たくさん食べる)、塩分などがあります。
毎朝コーヒーを飲んでいるとだんだんそれに慣れてくるので、バッチリ目が覚めるというよりは、効きにくくなってきます。

それは、体が「コーヒーが来る」ということがわかってきているので、「コーヒーが来るな」と思うと自分の体で覚醒しようという働きが弱まったりします。

アルコールもそうです。毎晩飲んでいると眠る力が落ちてきます。
お酒の力で眠るようになると、自分の体が持っている眠くなる力が体の中から湧き上がらなくなってきます。アルコールもある上に眠る力もあると眠過ぎてしまうので、体の方がバランスを整えてくれます。

また、突然カロリーをたくさん摂ったからといって、体がすべてを吸収することはありません。便になって出ていきます。
逆にカロリーが少なくても、今度は栄養の吸収率が上がるので少ししか食べていなくても100%エネルギーとして吸収します。
そのような形で急激にカロリーを摂りすぎたり、摂らなすぎたりしないように、体の方が調節してくれています。

塩分もとりすぎたからといって、むくみはしますが、むくみすぎて破裂することはありません。体がきちんと調節してくれます。塩分をできるだけ排出しようなどやっているのです。

このように、人間の体はこちらが何かをやってもうまく自然の力でコントロールするようにできています。
ただ、何をやっても良い、何をやっても効かないということではもちろんありません。

薬やドラッグはホメオスタシスに影響を与えるほど強力な物質です。
サプリは影響を与えられないと思います。

自律神経系への影響

精神科の薬では、自律神経系に影響を与える薬があります。
睡眠薬、抗不安薬などです。

これを突然やめるとどうなるのかを最初のコーヒーの例で言います。
まず「自律神経系」というものが人間の体にはあります。自律神経系とは、交感神経系と副交感神経系という2つの力です。
朝起きたときは副交感神経系が優位で、だんだん交感神経系が優位になり、寝る前になると副交感神経系が優位になります。この力のバランス調整が1日の中で起きています。

副交感神経系というのは「リラックスする力」です。
リラックスしたり、眠くなったり、気だるくなったりします。

交感神経系は「集中するときの力」です。
集中したり、体の活動を高めます。逆に行き過ぎると不安になったりします。

この2つが拮抗しています。

朝は副交感神経系が優位なので気だるいのですが、交感神経系を上げていくためには、交感神経系を刺激するものを入れてあげます。例えばコーヒーです。コーヒーを飲むことでグッと覚醒します。

ただ、毎朝コーヒーを飲んでいると、「コーヒーが来るな」と思ってそれを抑えこむ方の副交感神経系の力も強まります(ホメオスタシス)。
それを乗り切ってもコーヒーが強くなると、コーヒーを飲まないと副交感神経系側に行ってしまいます。
だから、コーヒーを飲まないと目覚めが悪いとなります。
毎朝コーヒーを飲んでいるとそうなってしまうのです。

逆にコーヒーを飲まないのが1週間でも続けば、またホメオスタシスを維持するために元に戻ります。
これが基本的な働きです。

同じように抗不安薬を飲んでいると、リラックスする力を強制的に押しているので、突然やめると交感神経系側に行ってしまいます。そのため、普段以上に緊張しやすくなったり、動悸がしてしまうことがあります。

アルコールを毎晩飲んでいる人は、突然抜けると夜に寝にくくなったりしますし、二日酔いになった時にイライラしたりします。
アルコールは副交感神経系を押すので、それが突然抜けると交感神経系側に行ってしまい、妙に朝からイライラしたりします。
これがもっと酷いと「離脱症状」と言って交感神経系が優位になり、発汗、動悸、手の震えが起きたりします。

だいたいこのようなイメージだと思ってください。
ですから、突然抜くのではなく、徐々にドラッグの力を弱めていく、ホメオスタシスの逆張りの力を緩めてあげることが大事です。

治療はゆっくりと

治療はゆっくりやめていくことが重要です。
突然薬をやめるのではなく、少しずつ減らしていくようにします。

これは依存ですか? 耐性がついたということですか? 中毒みたいなものですか? と患者さんに聞かれますが、それとは少し違います。ややこしいのですが、同じものではありません。

薬の中には、自律神経系に影響を与えるものだけでなく、セロトニンを増やす薬(SSRI、抗うつ薬)や、ドパミンを増やしたり抑えたりする薬もあります。エビリファイや抗精神病薬などです。

この場合は、セロトニンが増えるとわかっているので体の中ではセロトニンを減らすような作用が起きていたりしますし、ドパミンをブロックする薬を飲んでいるときには、ドパミンを増やす反対側のフィードバックが働いています。
ですから、突然やめてしまうとセロトニンが過度に足りなかったり、ドパミンが過度に多いということになってしまいます。
パキシルの離脱症状などと言ったりしますが、徐々に減らしていく必要があります。

また、離脱が起きにくい薬もあります。
1回飲んだ後にしばらく作用する薬は離脱症状が起きにくかったりします。(1回飲むと1週間くらい効く薬など)

細かいことはありますが、皆さんには、逆張りのようなことが起きることと、やめるときはゆっくり減らすことが重要ということを覚えていただければと思います。


2021.11.11

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