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自己劣等感をどう克服するか? 鶏口牛後の教え

00:50 鶏口牛後
01:23 どちらが良い?
04:05 鶏口牛後? 寄らば大樹の陰?
04:47 親子で逆のパターンのことも

今日は「劣等感? 鶏口牛後の教え」というテーマでお話しします。

「自分は劣っているのではないか」「自分は周りに比べて弱いのでは」と劣等感で苦しんでいる患者さんは多くいらっしゃいます。

ですが、「鶏口牛後」ということもあります。
その組織ではあなたは劣っているように見えるかもしれないけれど、別のところに行ったらそんなこともありません。
そのことについてお話ししようと思います。

鶏口牛後

「鶏口牛後」とは、大きな組織、つまり牛のお尻側にいるよりは鶏の口側にいた方が良い、ということです。

つまり、大きな組織で下の方にいるよりは、小さい組織でも前線を走っている方が良いということです。
このような考え方もあると思います。

実際、給料は下がったけれども転職して生き生きしている、やりがいを感じているという患者さんは多くいらっしゃいます。

どちらが良い?

・大企業 or 中小企業
休職して転職をするとなった時に、大企業が良いのか中小企業が良いのかというのはよく話します。

大企業はやりがいを感じられない、自分が何をやっているかよくわらからない、自分のやっている仕事が何の役に立っているのかわからない。安定しているし給料は良いかもしれないけれど、何だか嫌だ。

だから中小が良い、という人もいれば、中小は安定しないからとにかく給料がもらえれば良いということもあります。

大きい企業の方がブランド力もあり、家族や周りの人も安心してくれるから大企業が良いという考え方もあります。ここは悩みどころです。

・一般企業の障害者枠 or 特例子会社
一般企業の障害者枠が良いのか、特例子会社が良いのかというご相談もよく受けます。

実際、企業の中で障害者枠の人がどのような働き方をしているのかは差が激しいです。
では特例子会社の方が楽かというとそうでもなく、人間関係や、治安が保たれているかには差があります。
ですからどちらが良いか一概には言えません。

一般企業の中で障害者枠で働いてしまうと、正社員や他の人に比べて劣等感を感じやすい人もいますし、特例子会社の方が劣等感を感じやすいという人もいます。

・お金持ち・東大親族 or 平凡な家
お金持ちや東大親族と平凡な家、ということもあります。

今時それで劣等感を感じるのかという気もするかもしれませんが、このような悩みを持つ人もいます。
家はお金持ちで東大に入って当たり前という感じなのに、自分はそうではなくて悲しいと感じている人もいます。

逆に、家は平凡な家で全然偉くなれない、庶民なんですと言って劣等感を感じている人もいます。

・無理して付き合う or ミュート・ブロック
無理して付き合うのか、あるいはミュート・ブロックした方が精神衛生上良いのかということです。

無理してたくさんの人と付き合い、多くの人に囲まれている方が良いのか、とにかく不快なものはミュート・ブロックをしていき、少ない人数で生きている方が楽なのではないかという話もよく出ます。

鶏口牛後? 寄らば大樹の陰?

鶏口牛後が良いのか、寄らば大樹の陰が良いのかすごく悩みます。

その場その場で選択しなければいけないこともあります。分野によってはそちらの方が良いこともあります。
友達関係は広く浅く付き合うけれど、仕事はバリバリ攻めていくベンチャーに行くという人もいれば、仕事は大企業だけれど、プライベートでは株や投資をガンガン攻めているというタイプの人もいると思います。
ですから一概にどうとは言えません。

親子で逆のパターンのことも

親子で逆のパターンになることも多いです。
このような質問をされるときは、だいたい親の意見と自分の意見が違うことが多いです。

復職と転職で悩んでいる時に、親は大企業の方が安心なんだからと言いますが、本人は中小企業に行きたいのです。ですが、親の意見や年上の人の意見も尊重しなければいけない、経験が多い分そちらの方が正しいことも多いので、悩むことも多いです。

ですから、親は一般企業の障害者枠の方が良いのではと言うけれど、本人は特例子会社の方が良いという場合もありますし、逆もしかりです。

どちらが正しいかということは基本的にはないのですが、寄らば大樹の陰という親の考え方でそちらに支配されているのであれば、鶏口牛後ということも考えた方が良いでしょうし、鶏口牛後が良いという親であれば、逆に自分はそこまで積極性はないということで寄らば大樹の陰と考えても良いかもしれません。

大企業信仰は今も根強いのですが、実際は待遇や給料だけでなく、やりがいや生き生きしていることが大事です。周りが自分よりはるかに上だとやはり苦しいので、身の丈にあうというと失礼ですが、そうでない場所の方が伸び伸びとして生き生きできることがたくさんあります。
その辺りは柔軟に考えてあげるのが良いのではないかと思います。

実際、逆の選択をすることでハッピーになった患者さん、適応障害が良くなった患者さんはたくさんいらっしゃいます。

今回は劣等感や鶏口牛後の教えについて解説しました。


2021.12.6

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