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アンガーマネジメントを解説

01:25 「怒り」とは?
03:06 問題となる怒りとは?
06:04 アンガーマネジメントのポイント
07:33 客観的になる
08:40 「べき思考」を直す
10:09 投影同一視

今日は「アンガーマネジメント(怒りをコントロールする方法)」をご紹介します。

「アンガーマネジメント」という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。
書籍、教育現場、福祉現場、医療などいろいろなところで出てくるワードです。
実際に、アンガーマネジメントの研修を受けたのことのある人も多いのではないかと思います。

僕自身もアンガーマネジメントの理論を学ぶことで、怒りっぽいのは減っています。
昔は自衛隊にいましたしレスリング部でしたので、血の気が多いと言うか、格闘技も好きですし、パッと怒ってしまう人間でもありました。
ですが、臨床をしたり、このようなことを患者さんにも説明したり一緒に学んでいくことで、だいぶ怒ることは減ったかと思います。

■「怒り」とは?

そもそも怒りとは何かというと、「ストレスに対する攻撃的な感情」と定義します。

何か嫌なことがあったり攻撃を受けたとき、しくしく泣いていたら原始時代だったら敵に襲われてしまいますし、野生動物にやられてしまいます。
やられたときにメラメラと怒りが湧いてきて「何なんだよ!」と戦っていくことが、人間には必要な本能なのです。

本来の怒りの使い方はそういうものです。
ただ、現代でもそれは必要なのですか、ということです。

現代では敵に襲われることもなければ、野生動物に襲われることもありません。
基本的には怒りはあまりない方が良いですし、あったとしてもコントロールできた方が良い。

どちらかといえば不要なのだ、という前提で考えた方が良いのです。
怒りを抑えて淡々と合理的に動くようにします。

これには異論もあると思います。
いじめられていても、怒ることでいじめられなくなる、などいろいろな言い方があるかもしれませんが、ある種の自己洗脳です。

「怒りというものは良くないものだ」と思うことで、アンガーマネジメントを進めやすくなるので、一旦そういうものだと思って受け入れて次に行かせてください。

問題となる怒りとは?

怒りというものは消せません。
人間の本能に近いところにあるので、その感情をなくすことはできません。

怒りが湧くようなこと、僕らの生活からストレスがなくなるようなことはおそらくありません。
古今東西、そのようなことを達成したことは一度もないので、そのような平和は訪れないと思います。

ですが、怒りを「問題となる怒り」の手前で抑えなければなりません。

問題となる怒りとはこのような怒りです
・頻度が多い
・程度が大きい(ちょっとしたことですごく怒る)
・持続する(1週間も1ヶ月もムカムカ)
・攻撃的で周囲を巻き込む(殴る、物を投げる、嫌がらせをする)

頻度が多いことや程度が大きいことは、臨床ではよくあります。
患者さんの話を聞いていると、「少しは腹が立つかもしれないけど、そんなに怒ることかな」ということが結構あります。
同じような仕打ちを受けていないからそう思うのだろうと思うかもしれませんが、それを差し引いても、それくらいのことで怒らないな、怒ると疲れそうだな、という話が多いです。

なぜそれくらいのことで怒ってしまうのかと言うと、「~すべき」という「べき思考」に陥っていることが多いのです。
ですから、そのべき思考を直します。

また、怒りがずっと持続してしまう人は、切り替えが下手な人です。
嫌なこともあるけれど、サンクコストであり仕方ないと損切りして次に行った方が良いのですが、それがなかなかできずに持続します。
それで裁判にまでなることも結構あります。裁判になると長くなりますから、年単位の時間とお金を費やすことにもなります。

攻撃的な場合というのは「習慣」です。
殴る癖がついている、殴る学習をしてしまっている。
それは、昔殴られたことがあるから自分も殴るようになってしまったということもあるだろうし、いろいろなパターンがあります。
手が出るというのは結構「癖」なのです。この癖を直していくことが重要です。

アンガーマネジメントのポイント

実際、怒りをどのようにコントロールするかという話です。
怒りは本能的にガッと湧き上がるものなので、理性の力でコントロールしてあげるのが良いです。

外側からコントロールするにはこのような方法があります。

・6秒待つ
怒りはグッと上がってくるのですが、6秒間待つと少し落ちてきます。
自分の中で6秒待ってみます。

・深呼吸する
ゆっくり深呼吸をしているとリラックスモードに入っていきます。
交感神経系を抑えて副交感神経系が優位になるようにゆっくり行います。

・「テトリス」をする
テトリスなど何か別のことをしているとそちらに集中するので、怒りを忘れることができます。

・別の場所に行って10分耐える
よく子供のしつけでもあるのですが、椅子に5分か10分座らせます。
怒りが湧いてきた時は、どこか別の場所に行って10分間耐えてみます。
そうすると、怒りのボルテージが下がってきて、冷静に考えられるようになります。

客観的になる

アンガーマネジメントは認知行動療法の一種です。
認知行動療法は「客観的になること」をすすめる治療です。ですから、客観視できるようになれば良いわけです。

・紙に書く
今何が起きているのか、どんなことで腹が立ったのかを紙に書きます。

・鏡に語りかける
鏡を見ながら「こんなことで怒っていたよな、怒る気持ちもわかるよ、でもな…」などと、自分の顔を見ながら自分の言葉と会話をしていると、だんだん冷静になれます。

・第三者と話す
第三者と話したら「それくらい怒るべきじゃない」と言われ、「まあ、そうだな」と思うこともあります。冷静になることで、怒りのボルテージが下がってきます。

このような形で冷静に何が起きたかを把握し、対応していくことが重要です。

「べき思考」を直す

喧嘩になる時や問題になる時は、どちらも「べき思考」です。

上司は部下は上司のためにちゃんと敬語を使うべき、ちゃんと仕事をすべき、上司を立てるべきと考えていて、部下はなぜこちらにばかり仕事を振るのか、仕事は手が空いている人も含めて皆でやるべきと考えているとすると、べき同士で戦っています。

どちらも正しいことだったりしますが、どちらが正しいかが重要ではなく、自分が有利になるのが一番良いわけです。
腹が立ったら損なので、腹を立てずに自分が少しでも有利になる方法を合理的に考えていくことが重要です。
冷静な対応をすることが重要です。

相手が怒っているときに、自分が怒っても良いことは何もありません。
相手に任せて上手くやることも生きる上では大事です。

僕は長い物に巻かれた方が良いと考えるタイプです。こう見えてオリジナルなことをしたいというタイプではなく、長い物に巻かれたいと思っている方なので、長い物に巻かれましょうということです(笑)

投影同一視

確かに腹が立つことはいっぱいあります。
でも相手が怒っている時に、自分のことを見ていないことがあります。
自分が悪いから怒っているのかな?ではなく、濡れ衣を着せられているなと思うことがあると思います。

実際に怒っている相手をよく見ると、別の人に対する怒りを自分に向けてきていることがあります。そういったことを「投影同一視」と言います。

別の人に向けているのをこちらに向けていることを「転移」と言ったりしますが、それとはまた別です。

・投影同一視
自分の中にある不快感を相手に押し付け、相手をやっつけるというものです。

例えば「コロナいじめ」もそうです。
コロナが不安な小学生たちが、弱い子に「コロナ」というあだ名を付けます。
その子をいじめることによって、自分の内側にあるコロナに対する不安を解消します。

会社で上手く行っていないときやプロジェクトが上手く行っていないとき、それは自分のせいかもしれないし、不況のせいかもしれないけれど、一人の部下のせいにして「お前がやっていないからみんな困っているんだ」とさも正論のように怒ってくることがあります。

・転移
課長のもう1つ上の部長が働かないから腹が立っているにもかかわらず、部下に対して「お前が働いていないからだ」と怒るのは転移と言います。

とにかく怒っている時は相手も冷静ではないので、自分が怒られていても実は別のことで怒っているということも多いです。
ですから冷静に、「この人は投影同一視が起きているんだな」と見ながら気持ちを汲んであげて、「僕も頑張りますので、ご助言よろしくお願いします」と言い、「そうか、お前もわかってくれたんだな。じゃあ頑張ろう」となる方が話はまとまりやすくなります。
僕が言うと「お前、演技くさいんだよ」と逆に怒られたことも多かったなと言いながら思いましたが…。

怒りというものは、怒りに身を任せるのではなく、自分が有利になるように冷静に振る舞うことが重要です。

世の中には誰が正しいとかありません。
もちろん、人それぞれ違いますし、そんなことないとないと言われたらそうかもしれません。
ケースバイケースで正しさの配分も違いますが、冷静になって自分が少しでも有利になるような行動を取り続ける、というのが小市民としての生き方なのではないかと僕は思います。


2021.12.11

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