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スパッと気持ちを切り替える方法を精神科医が解

00:33 気持ちを切り替える方法
03:09 実際は難しい
05:12 間違った切り替え方
07:43 小さな一歩の積み重ね

今日は「スパッと気持ちを切り替える方法」というテーマでお話しします。

「スパッと気持ちを切り替えるにはどうしたら良いですか?」と質問を受けることが多いのですが、結論、そのようなものはありません。
そのことについてお話ししようと思います。

気持ちを切り替える方法

・笑顔をつくれば…?
例えばよく言われるのは、気持ちを切り替える方法として「無理矢理、笑顔をつくる」というものがあります。
笑顔を作ると笑顔に引っ張られて気持ちも明るくなると言われます。

これは心理学実験で証明されたとも否定されたとも言われる理論です。

元の発想としては、落ち込んでいても、気持ちが乗らなくてもとにかく何か行動をする。行動をしていれば、その行動に集中することで気持ちを切り替えられるというところから来ているのではないかと思います。

ですから、笑顔を作るだけではなく、掃除をする、料理を作るなど行動に集中していると、嫌な気持ちを忘れられたりします。

人間の脳みそは有限なので、考えられることには限りがあります。
別のことを考えていると嫌なことを考えずに済むので、この考えにも一理あるかと思います。

気持ちが乗らなくても何かをするのは重要なことかと思います。プロの仕事というのはそういうことだと思います。

趣味ならば、楽しい時にやりますし、楽しくないときにはやりません。
でも仕事の場合は、楽しくなくても体調が悪くてもやります。外来をやるとかYouTubeを撮るとかやるわけです。

そうこうしていると、気持ちが乗らなくても仕事はできたりしますし、その結果、気持ちが良くなることもないけれど、最悪にはならないという感じです。
負債が広がっていくというよりは、とりあえずこなせば次へ進めるので、そのようなことも重要かと思います。

・ルーティンを作る
何時になったら何をする、試合前になったら左足から靴の紐を結ぶなどルーティンを作っていくと、少し強迫行為にも似ていますが、気持ちを切り替えやすいと言ったりします。

・呼吸法
呼吸法も大事だと言われます。
深呼吸をすることによって、副交感神経が刺激されてリラックスした気持ちになれるということがあります。

実際は難しい

上記のようなことを説明すれば患者さんの気持ちがスパッと切り替わるかといえば、そんなことはありません。

通院している患者さんは、苦しいので何か答えを求めて受診します。
気持ちはよくわかります。僕も自分の体調が悪い時などは、ネットで医療系の記事を見たりしますし、体験記を読んだりもします。

良い解決策はないかと調べますが、これは眉唾物だなとか医学知識があるので思ったりしますし、やはり安静しかないなと今は腰痛が酷いので考えたりします。

・医師の言葉で…
医師のこの一言で変わりました、この薬で治りました、スパッと切り替わりましたという記事もあったりしますが、それは暗示や洗脳に近いなと思います。

暗示や洗脳でも治療が進むなら良いじゃないかという考え方もあるのかもしれませんが、暗示や洗脳はどこかで解けます。
そして、解けた頃には落ち込みの原因となった元の問題が膨れ上がっていることが多いです。目が覚めた頃には、借金が膨れ上がってより困難になっていることがありますので、そういうことは良くないなと思います。

食事やサプリを変えることで気持ちが切り替わるということはないので、小さな一歩の積み重ねが重要なのかなと思います。

小さく、少しずつ物事を解決していく、苦しいかもしれないけれど、手を動かしながら問題を解決していくことが重要です。

間違った切り替え方

間違った気持ちの切り替え方で、病的なものにはこのようなものがあります。

・依存症
依存症の場合、不安や嫌なことがあっても、その行為をしている瞬間はそれを忘れることができます。
忘れて気持ち良くて改善したと思い、それをどんどん繰り返してしまいます。
繰り返すことでその行為をやめられなくなりますし、元の問題も膨れ上がっていることがあります。

「アルコール」を飲むと楽になるけれど、お酒を飲まないとストレスを解消できない体になっていきますし、お酒の量も増えていきます。「ギャンブル」もしかり。賭ける金額が増えていきます。
違法薬物、性、買い物、自傷、過食嘔吐もそうです。

これらを行うと瞬間的には気持ちは切り替わりますが、問題は解決しないのでまた落ち込んだりします。
そしてこれらの行為で楽になったことだけは脳が覚えているので、またやりたくなってしまいます。

・強迫行為
手洗い、カギしめ確認などの強迫行為もそれをやることで不安は消えるのですが、どんどんその行為が大きくなってしまうことがあります。

・解離
スパンと自分の問題から切り離してしまいます。自己暗示の世界です。
自己暗示をかけることによって、その問題が見えなくなります。ですが問題は大きくなります。

自己暗示には例えば「多重人格」があります。
別の人格を作ることで気持ちを切り替えます。究極です。
別の人格が対応してくれるから良いのだという話になりますが、うまくいきません。

・他人(自分)への攻撃
他人の問題だとして他人を攻撃してしまうこともあります。
自分に攻撃をするというパターンもあります。自分を半分に切り、その半分に切った自分を攻撃します。解離にも似ていますが。
他人を攻撃したり他人をいじめることで、気持ちを切り替えるということもあります。
自分の責任ではなく相手の問題だと言うことで、問題を直視しないということがあります。

このようになってくると病的という形になってきます。

小さな一歩の積み重ね

スパッと気持ちを切り替えることや、今の落ち込みや不安を解決するのは、一発でということはありません。

治療の基本である、「小さな一歩の積み重ねが大きな飛躍になる」というイチローの名言の通りです。

小さな発見や小さな理解を重ねていくことで、今の問題や困難を受け入れ、合理的に行動できるようになります。
その小さな積み重ねが大きな変化を生みますので、動画を見るなど利用してもらえればと思います。


2021.12.21

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