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うつ病で通院中の人 診察室で〇〇を伝えていないなら、損している!

02:03 初診
05:27 再診
06:23 認知の歪み

本日は「うつ病の人は主治医に何を伝えたら良いのか、外来をどう利用して学びに活かすのが良いのか」というテーマでお話しします。

精神科へ行って、主治医の先生に一体どういう話をしたら良いのか分からない、答えられない人は結構いると思います。
大丈夫ではないのに大丈夫と言ってしまう人も多いと思います。
それはなぜかというと、どういう会話をしたら良いのかよくわからないからです。

人は、僕もそうなのですが、こうしたら良いよと言われても、マニュアルを読んでも上手くできない人が多いと思います。
機械や何でも良いのですが、説明書を読んでもよくわからなくて、誰かが使っていたりやっているのを見て「こういう風にやれば良いんだ」となる。百聞は一見にしかずというか、何となく空気感が分かったりするので、使いこなせたりします。

ただ実際、他人の外来、診察風景は見たことがないし、見ることはないと思います。
医師でもなかなかないので、患者さんは特にないのではないかと思います。
こんな感じで診察を受けてくださいと見せることもないですし。

なので、どんなことを話せば良いかわかりにくいと思います。
自由に喋ってくださいと言われても、自由にと言われてもどれくらい喋って良いのかわからないと思います。
今回はそのポイントをお話しします。

初診

一番最初に受ける診察を「初診」と言い、二回目以降を「再診」と言います。

精神科の初診は大体30分から1時間くらいで終わることが多いです。
結構時間があるのかな、と思うと意外とないです。
30分と言っても高速で過ぎていきますから。
話をして、医者からの説明を受けて、こうしましょう、とパパパッとやると30分はあっという間に過ぎます。

ですから、すごく物足りない感じがする人が多いと思います。
「こんなんでわかるのかな?」と思われるかもしれませんが、医者はだいたい初診の段階でどんなことを聞けば良いのか、どういうことを聞けば治療方針が決まるのかというポイントを押さえています。
聞けなかったことは二回目以降で聞けばいいと思っているので、だいたい30分前後で終わるのですが、どんな内容を聞くのか、どんな内容を教えて欲しいのかということを今回説明します。

・今の困りごと
「今何に困っているのか」ということを聞きたいのです。
眠れません、ご飯が食べられません、落ち着かないです、不安です、ということを言ってくれれば良いです。
ある程度聞いたら、話がどんどん長くなる場合、一回切ります。

・生活歴~現病歴
子どもの時はどんな感じの子どもで、大学を出て今新卒で入って、会社はこういう部署に所属したが、そこの上司がこういう人でこうだから落ち込みました、だんだん眠れなくなってきて、ようやく予約が取れたので今日受診しました、という流れを聞きます。

・家族
どんな家族なのか、お父さんはどこに住んでいるのか、何歳でどんな仕事をしているのか、お母さんはどんな人なのか、そういうことを聞きます。

・持病
持病があるのか、使える薬、使えない薬を弁別するために持病を確認します。

・仕事
実際にどんな仕事をしているのかということも聞いたりします。

・休職を含めた相談
その上で、休職も含めた相談もします。

以上がうつ病の人の初診で聞くべきポイントかなと思います。

なかなか当日その場だと厳しいと思います。診察室の中でバッと言うのは難しいです。
当院はWeb問診を用意しているので、初診の人はWeb問診を書いてきてもらいます。
Web問診を書いてこられない人もいますが、診察を受ける前に問診票があるのでそれに書いてもらったりしています。
そうすると診察は結構スムーズに進むので、こういうポイントを書いてきてもらうという感じです。

もちろん患者さんは初めて書くので、足りないところがあったりします。
そこは診察の中で聞きます。

聞いて、こちらから病気の説明をし、治療方針を立てるのが初診です。

再診

再診は、5分+αで行われることが多く、結構短いです。
短いので問診票やWeb問診を利用して欲しいです。

再診で聞くことは何かというと、今の症状、落ち込みはどうなったのか、睡眠はどうかを尋ねたり、今使っている薬の効果や副作用を聞きます。

傷病手当などの福祉・書類関係も確認します。
傷病手当は取りますか、それはいつですか、自立支援を取りますか、障害者手帳を取りますか、ということを聞きます。

休職中であれば、職場とのやり取りはしましたか、というようなことを聞きます。
ここら辺は一般的かなと思います。

認知の歪みを扱う

もう一個大事なポイントは「認知の歪みを扱う」ということです。
うつ病の人でもどんな病気でも良いのですが、患者さん特有の認知の歪みがだいたいあります。

例えば完璧主義、人に頼ることができないような性格や特性があるということです。
何かの特性があるから、病気を拗らせて悪化させることが多いです。
もちろん認知の歪みがなくて病気になった人もいますが、そういう人はパパパッと良くなったりします。
認知の歪みが絡むと治療はなかなかスムーズに行かないことがあったりします。
もちろん、無くても治療が上手く行かないときもありますが。

完璧主義で人に頼れないということであれば、親子関係は過去どうだったのか、今お父さんとお母さんをどう思うか、過去はどうだったか、その親子関係は恋人との関係にも影響しているのか、というような話をします。
「今も大丈夫」と言ってるの?と話したりします。

本人の中の認知の歪みやテーマがあると思うので、そこに焦点を当ててやっていきます。認知行動療法っぽいです。
そういう治療のやり方をするかな、と思います。

もちろん外来治療のやり方は色々な先生がいるので、色々なやり方があります。
家族療法を専門にしている人だったら、認知の歪みとせずに家族関係に焦点を当てて病気や自己理解を促したりします。
分析的な人であれば力動的解釈、主治医との関係や転移関係、投影を扱ったりする… かな、でも5分だから扱えないかな、そういう話をしますね。

患者さんは何を答えたら良いかわからなくて、「良くなりましたか?」「はい」と言って、ドクター側も「じゃあ同じ薬を出しておきますね」と言って終わってしまいます。
いやいや、あなたこういうところがあるから落ち込んでいるんでしょ?
開きたくない傷を開いていくこともしないので、そうなってしまうのですが、ただそれだともったいないです。

今自分は何に悩んでいるのか。どういう性格のポイントがあって、それが今の問題を起こしているのであれば、その問題についてどう考えてきたのか、今どう思っているのか、どういうことを話し合いたいのか、ということを、難しいと思いますが話してもらえればと思います。
完璧主義とか人に頼れない、人と付き合うとすぐ不安になる、何でも良いのですがそういう話をしてもらえたらと思います。

でもそういう話は日常ではしないと思います。
友だち関係でもしないと思います。恋人関係でも。
僕もしないですよ。
僕も精神科っぽい話題は、リアルな友だちやプライベートな人間関係ではしませんから、こういうことを語るのは患者さんとのやり取りだけです。だから慣れないのは良くわかります。

なので動画を観ながら、どういう形で自分のことを表現していって、どういう言葉で今の気持ちを伝えたら良いのか、ということを学んでもらえたらと思います。
独特な精神科的な世界観や言語、風習を学んでもらえたらと思います。
今回の動画も参考にしてください。

今回は、うつ病の人、主治医に何を伝えるべきか、というテーマでお話ししました。


2022.3.8

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