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しつこい母親(過干渉)、ストーカーみたい。Lineがしつこい、どうする?

01:22 どのような人が来るのか
02:33 母親の特徴
05:21 母親側の主張
07:13 どうしている?

本日は「しつこい母親(過干渉)にどう対処したら良いか」という質問にお答えしようと思います。

母親がとにかく過干渉、なんでもかんでも言ってくる、母親からのLINEが止まらないなどいろいろあると思います。
そんなの普通だよと言うかもしれませんが、普通ではないパターンも結構あります。
ストーカーに近いような母親の行動もあります。
しつこいのでLINEを無視していると「お前は子どもなんかじゃない」「私なんか死ねばいいんだろう」と脅してくるような感じ、そういう母親もいます。

それで子どもがうつになってしまったり、不安になってしまったり、そういうことで摂食障害になってしまったり、色々なパターンで受診されます。

そういう時にどのような対応をしているのかについてお話しします。

どのような人が来るのか

どういうことで来るかと言うと、「ヤングケアラー」として母親の病気を看ていた子どもたちが多いです。
小学校高学年や中学生くらいになってから母親のケアをしてあげていました。そういう人が多いです。
独立した後も母親のケアをし続けなければいけない。
困ってしまいうつになってしまう人もいます。

「不安障害」で来る人もいます。
対人不安があったりいろいろなことに不安になるのですが、聞いてみると母子密着の問題があり、「母親はこんな人だった」「今でも母親はこんなことをしていて」という悩みがあったりします。

「発達障害」の人もいます。
このようなことで困っているけど、「実はお母さんが…」ということもあります。

「共依存」の問題や「摂食障害」の人も多いです。
摂食障害で悩んでいて受診したのですが、「実はお母さんがこんな人で…」ということがあったりします。

母親の特徴

母親は病気なのか、精神科を受診しているのかということもありますが、もちろん受診していない人もいます。

どのような母親かというと、まず「うつ病」の人です。
うつが酷くて落ち込んでいて、子どもがいないと不安になってしまう。子どもに頼っている。
子どもに病気を看てもらっていた母親です。

「不安障害」で、子どもがどうしているのだろうと気になってしまう。
子どものことが不安で不安で仕方がない、だからすごくLINEを送ってしまう。

LINEを送って返ってこないとすごく不安になってしまう。強迫的です。
返事が来るまで送り続けてしまう「強迫性障害」のようなタイプの人もいます。

母親自身も「発達障害」で、空気が読みにくかったり衝動的に怒ってしまったりするパターンもあります。

「境界性パーソナリティ障害」で子どもを揺さぶる。
「自己愛性パーソナリティ障害」で自己中心的で子どもは自分の付属物だと思っている母親もいます。

「アルコール依存」「ギャンブル依存」の人もいます。
依存の問題として子どもにも依存しています。

これらが診断されているかどうかでも違います。

親は精神科の病気ではないだろう、親は完璧だから問題は抱えていないだろうと子どもは思います。
子どもは親の問題について「あんたがおかしいんだ」と口では言っているけれど、本当に親が病気を持っているのではないかと心の底から疑うことはあまりありません。
僕らのような精神科医だったら考えるかもしれませんが、それでも親の病気を疑ったことはありません。

子どもにとって親というのはそれだけ大きいですし偉大だったりしますし、偉大に見えてしまいますが、冷静に見るとこのような病気を抱えていて、その症状として子どもに影響を与えていることがあります。

その他の特徴としては、「友達がいない」「夫婦仲が悪い」という人が多いです。
その結果子どもしか頼れず、べったりくっつかないと不安になってしまいます。
子どもと一緒にいることで自分の不安が解消されるということがあります。

母親側の主張

ここまでは母親を否定的に捉えてきましたが、意外と母親の側にも主張があります。

・自立困難
その子どもがそもそも自立困難な場合があります。
子ども本人が抱えている病気が故に母親が心配せざるを得ない。

この子は普通の子のように放っておいてもちゃんと巣立っていける子ではない、ということです。
これはもちろん正しい時もあります。
本人はできる気になっていますが、母親の助けがなければ一人暮らしは厳しい子もいます。
でも意外とできるのです。
意外とできるのですが、親は心配でそれをさせられません。そういうことが結構あります。

・現実が見えていない
本人自身も現実が見えていないことがあります。
自分は大丈夫、自分は東京に出て俳優として成功する、歌手として成功するんだ、など現実が見えていないこともあったりします。

・経済的理由
親に嫌だ嫌だと言っているから、本当に縁を切ってしまえば良いのですができません。
親からお金をもらっていたり、親が持っているマンションに住んでいたり、そのような理由でぐちゃぐちゃになってくっついてしまっていることがあります。
自立すると口では言いながら経済的な理由で自立ができないことがあります。
でも、安いアパートに住めば良いのです。
このような甘やかし、スポイルのような状況があります。
親がお金を持っているから、子どもをコントロールしたいがために高いマンションを買い与えることでしつこくしてくるパターンもあります。

どうしている?

実際どのようにしているかと言うと、解決というのはなかなか難しいです。
本人の治療をすれば良い、親を治療すれば良いというものでもありません。
親子カウンセリングをすれば良いというものでもなかったりします。

タイミングを見計らって話し合いをすることで解決することもありますし、子どもが頑張って無視し続けることで、半年ぐらい経った時に親も自分の過ちに気づいてだんだん距離が取れることもあります。
一回思い切って大喧嘩する家族もありました。

場合によっては絶縁のようになってしまうこともあります。
「もう限界、縁を切る」と言うことで絶縁のようになることもありますし、裁判になったケースもあります。

本当に様々ですが、ここまでしたくないよということもあると思います。
多くの患者さんは話し合いで解決したいと思っていると思いますが、話し合いだけではうまくいかず無視するしかなかったり、最終的には裁判まで行ってこじれてしまったケースもありました。

殴りこみに来る母親もいました。
入院中の患者さんや外来の患者さんに対して、家の前まで来て2、3時間ずっと座っていたといったこともありました。

普通の人にアドバイスを求めると「そんなことは無視すればいいんだよ」と言うかもしれませんが、そうではなくこのようなケースもあるということを知ってもらいたいと思います。
今悩んでいる方には、そういうことになってもあなたが悪いのではないということを知ってもらいたいと思います。


2022.5.3

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