本日は「神経発達症(発達障害)と試験・受験」というテーマでお話します。
発達障害と診断されることに何かメリットはありますか?
試験や勉強で合理的配慮をしてくれるんですか?
と気になる方は多いと思います。
特に10代の方は多いと思いますし、その親御さんも心配されていることも多いかなと思います。
今回は発達障害と診断されることでテストでこういう有利な点があるよ、ということをお話しします。
薬が効くのはADHD
神経発達症には、過敏さがあったりコミュニケーションが苦手だったりするASD自閉スペクトラム症と、ADHD注意欠如多動症、不注意があったりするものと、LD学習障害、文字を読むのが苦手、数字が苦手、色々あるのですが、この中で薬が効くのはADHDだけです。
ただ、ADHDの薬を使うことで、ADHDの症状だけではなく、ASDやLDの症状も緩和されることがあります。
ADHDの薬はコンサータとストラテラ、今はジェネリックが出てるのでアトモキセチン、あとインチュニブという薬があります。
これらを使うことで集中力が上がってテストの点が上がることもあると思います。
障害の程度が軽くなるので、他の人に追いつくこと、少しでも近づくことができるということですが、こういうものもあるので受診をして、薬を使ってみるというのもいいと思います。
テストで毎回名前を間違えてしまう、ズレてしまう、という人もいると思うのですが、薬を使うことでちょっと減るかもしれません。
合理的配慮
もっと重要なのは合理的配慮の問題です。
診断をしてもらい、診断書を書いたり、所定の書式を提出することによって、大学や高校にもよりますが、合理的な配慮を受けることができます。
「障害者差別解消法」という法律があります。
その法律に基づいた合理的な配慮なので、全然ズルではありません。
例えば、どんなものがあるかというと、別室受験です。
周りの音が気になる、隣の人の消しゴムの音や書いている音が気になって集中できないという人の場合は別室受験が認められます。
集団面接だと緊張してしまう、声が出なくなってしまう、困ってしまうということであれば、個別面接を受けるように調整することもできます。
LDがあり文字が読むのが苦手だったり見づらいときには、問題用紙を拡大してもらう、場合によっては読み上げをしてもらう、というのもあります。
あとは試験時間の延長です。
なかなか書ききれない、文字を書くのが遅いという場合は試験時間を延長してもらう。
座席指定、臭いが気になるとか落ち着かないとかであれば、座席を指定しておくことで集中しやすくなるというのもあります。
これらは合理的な配慮の例ですが、こういうことです。
こういう配慮があると、ちょっと楽になるのかなと思います。
試験とは関係ないのですが、合理的配慮の一例としては、授業中に電卓を使うのを許してもらう、ノートを書くのが苦手な場合は、デジカメを使うのを許してもらう、デジタルデバイスを利用するのを許してもらう、録音をするのを許してもらうなどがあります。
場合によってはレポートの提出期限を延ばしてもらう、テストではなくレポートに替えてもらう、色々なものがあります。
それぞれの学校に確認してみるのがいいと思います。
TOEICやTOEFLでも合理的な配慮を受けられることがあるので、これも調べてもらうといいんじゃないかなと思います。
意外と合理的配慮を加味した試験はたくさんありますから、これも調べてみると役立つかもしれません。
ということで、今回は、神経発達症と診断されてテストでちょっと配慮を受けることで良い点が取れますよ、いう話をお話をしました。
僕もこれに関する診断書をよく書いていますので、意外と知られていないかなと思うので、今回動画にさせてもらいました。
発達障害
2022.10.6