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すぐに実践できるセルフケアないしカウンセリング技法を開発しました。無料のワークブックあり。主観2.0の開発!

00:56 主観2.0のやり方
04:54 脳の仕組み
07:44 何をやるか
08:56 何をインストールすべきか
09:35 シンプルにやってみる
10:40 複数人でやる場合

ワークブック
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本日は「主観2.0」という治療法を解説しようと思います。
これは僕が開発した治療法なんですけれど、自分一人でやっても結構頭の中がスッキリするんですよ。

自分一人でワークブックという形でやってもらってもいいし、友達同士とか家族でこのやり方をやってもらっても構いません。
ただ、医療とはまた違いますし、治療的なものではないのでそこはご了承ください。

あくまで通常あるカウンセリングを簡単にしたようなものですし、自分でセルフケアをしたり、家族で使ってもらうために今回開発したという感じです。

主観2.0のやり方

・脳内
まず、真ん中の「脳内」という四角の枠を埋めてください。
今、自分が悩んでいることとか考えていることをここに書きます。

人間は、自分が考えていることと客観的な事実が絶対ずれています。絶対ずれている。

僕がいくら格好いいって自分で思ってても、現実はそんなに格好良くないわけですよ。
コメント欄では熱心なマスラーの人が「カッコイイ、カッコイイ」とか言いますけど、騙されませんよ。鏡を見たらそんなに格好良くなかったりしますから。
でも鏡を見る前までの自分は「キマった顔してるな」とか思ったりするんですよね。
だけど全然違うんですよね。

主観の中では「俺って格好いいな」「優しいな」とか思ったりするけれども、現実は多少はそうかもしれないけど、全然違うってありますよね。

思い出しますけど、僕も格好いいのかなとか、奥さんも結婚する前は「格好いいよ」と言ってくれていたので「俺、カッコイイのかな」と思ったりするけれども、実際自衛隊にいた時、自衛官で若くて小顔で、運動神経抜群でさわやかな人たちもいっぱいいるわけですよ。
そういう中で僕がボケッと立っていると、奥さんは「そんなに格好良くないわね」とか言うんですよね。
すごいショックなわけですよ。

でも奥さん的にはかっこいいの中の下、中の上というか、中の中というか、中の中の上、上の下、みたいな感じだと思うんですけど、僕の中では上だと思ってたのが、他の自衛官の方がかっこいいなとか奥さんが言ってたのを見て、「ああ、ズレてるな」と思いましたね。

とにかくね、絶対ずれてるんです。
だから一回書いた後に、「自分って嫌われてるのかな」と思っても客観的に書いてみることが大事です。
「そんなに嫌われてないのかな?」とか、こういうのは大事です。

・行動
順番は次はどちらでもいいんですけど、とりあえず「行動」でもいいかもしれないですね。
ズレに対してどういう行動を取ったかということです。

例えば自分は仕事を頑張ったのに、という思いがあったけれども、現実は評価されてない。
自分は嫌われてるのかなと思って、でも現実はそんなに嫌われてなかったりするかもしれない。
でもズレがあるわけですよね。

評価されるはずと思っていたのが、評価されなかったときには怒ってしまった。
さほど嫌われてないけれど過度に嫌われていると考えて、その場から離れてしまった、逃げてしまったとか、人と喋るのをやめてしまったとか書いてみるといいと思います。

・記憶
次にどうして自分はこう思ったかという「記憶」のことを書いてください。
例えば、昔いじめられていたから、どんな人が来ても嫌われてると感じちゃうんだとか、自己評価が高すぎて絶対評価されると思ったのに評価されなかったとか。
何でもいいんですけど、書いてみる。

・脳
そして次には通院してる人だったら「脳」の部分ですね。診断名をつけるとか自分はこういう傾向があるなとか、人と比べて怒りっぽい性格だなとか、脳の持っている傾向・体質のことを書いてみる。

・その他
あとは「その他」に身体の状況や環境、忙しかったとか疲れてたとかそういうのを書いてみてください。

青文字の部分をとりあえず書いてみるのはとても重要です。
そうすると、今どういうことが起きているのかがわかってきます。

脳の仕組み

人間は、遺伝子で作られた生物学的な機械である脳、遺伝子という設計図に基づいて脳の配線が作られるわけです。
 だったりする。

益田みたいに空気を読みにくいASDっぽい脳を作ることもあれば、多動のADHDっぽい脳を作る、他人に共感して優しすぎる脳を作るかもしれない。いろいろあります。
人間は多様に作られるようにしてますから。
そういう脳の特性がある。

この脳というハードウェアに対してソフトウェアがあるんです。
ソフトウェアとは記憶ですね。つまり知識や経験です。
こういう知識や経験があって、脳の中にそれがインストールされると、今どういう脳の世界ができるか、内的な世界ができるかも決まる。

脳は外の影響も受けるんですよ。
例えば、その時疲れていた、雨が降っていた、周りの人がなんとなくいいなと言っていた、周りの人がなんとなく益田を格好いいと言ってたら、格好良くなくても格好良く見えるとかね。

益田をなんとなくアホだなと思ったら、アホと思ってなくてもアホと思われるとかいろいろあります。
だから人間というのは脳の特性によって見たいものを見てしまっているんですね。
見たいものと客観的な事実はズレてる。

このズレに対して人間というのはどうしているのかというと、ズレてますよというのを、0.001秒とかそういう世界で何をするか決めるんですよ。
例えば認知を修正していくとですね。「益田はそんな格好良くないぞ」と修正して、格好いいを下げてみるとか。
「そんな格好悪くもないかな」みたいな感じで、ちょっと格好いいポイントを上げるとか。

あとは解決ですね。
「益田が格好悪いのは寝癖がついているからだろう」ということで、「ます、益田くん、寝癖付いてるからちょっと直したら」と言ってくれるとか。
そのズレをちょっと直してくれるとか。

あとは回避です。
何か面倒くさいなと思って避けようとか。益田キモイからどっか行っちゃおうと言って避けちゃうとかあります。

それでフィードバックがかかってこの循環を常にやってるんですね。
こういうのを内部活動とか言ったりするんですけれど、常に人間の脳はこれをやっていて、寝てる時もやってるんですよね。
夢の中でもやってたりします。

記憶の中はこうやっていろいろ変化が起きて、新しい情報が入ったり、古い情報は消えたりします。
これをチューニングとプランニングと言いますけれども、こういう仕組みになっているってことです。

何をやるか

精神科の場合はだいたいこういう時に不適切な行動を取ることが多いんですよ。
例えば避けてしまう、回避しちゃうんです。
嫌われていないのに嫌われていると思い込んで、ちょっと怖いから離れておこうと思って回避しちゃう。

回避するとその瞬間は楽になるんだけれど、失敗体験を積み重ねるんですね。
本当は嫌われてたのか嫌われてなかったのかよくわかんないな、でもやっぱり怖かったなってことになっちゃう。

そうすると次に同じような状況になった時に、同じような経験が来てるから強化されてしまっている。
それで、やっぱり嫌われてるかも、やっぱり避けた方がいいかも、と言って避ける。
そうするとどんどん人間を避けることになってしまうので、負の循環が生まれちゃうんですね。

それはどうしたらいいのかということだけれども、治療的には、これからは回避せずにちょっと話しかけてみよう、悪口を言われてるかなと思って話しかけにいったら、全然の自分の悪口じゃなくて、普通にテレビの話をしてたとか、YouTuberの話をしてたとなるかもしれない。
もちろん失敗するかもしれないけど、挑戦してみることは大事ですね。
挑戦していけば、成功体験を積めば悪い記憶は消去されていきますから。
そういうことをやってみたらということを書いたり。

何をインストールすべきか

あとは何をインストールすべきかですね。

例えば「人は嫌ってるもんだ」というのは過度な思い込みだし、記憶を上書きしておいた方がいい。
あの時、自分は悪口を言われている気がしたけれども、後から他の人に聞いたら悪口じゃなかったということだったら、インストールし直した方がいいですよね、記憶を。

嫌われても楽しく生きるやり方があるんだ、誹謗中傷を受けても元気にやってる芸能人だっている、自分を愛するって大事なんだという映画を観てもいい、何でもいいんですけれどこういうことを考えてみるということです。

シンプルにやってみる

この主観2.0は何をするかというと、青で今の状況を書く。
そして自分がやるべき行動は何だったのか、どういうものを勉強したらいいのかも書いてみる。
そしてそれを行動してみるというのがこの治療法のやり方です。
これを100回、200回とやっていくと少しずつ悪い認知は溶けていきます。
これを開発しました。
なかなか良いでしょ?

細かいのはいろいろありますよ。
認知の歪みがあって白黒思考だとか、実は過去のトラウマで投影しているとか転移しているとか。そういう細かいテクニックや技術、知識はあるんだけれども、あまりそう言うと難しくなっちゃうので。
あくまでシンプル・イズ・ベストですからシンプルに書いてみてシンプルにやってみる。

やっていけば他の精神医学的な知識や心理学的な知識も身につきますから、これをやってもらったらと思います。

複数人でやる場合

1人でやる場合はそうだけれども、2人でやる場合、もしくは3人でやる場合はどうしたらいいのかと言うと、基本的にはコーチングないしカウンセリングのやり方と一緒です。

話す人と聞き手に分かれて、聞き手側はしっかり聞くということです。
時間の使い方は傾聴が7で、質問が3です。
「本当にあの人たちは嫌ってたのかな?」「客観的な事実はどうなんだろうね?」と聞いてみたり。
「あの時どういう行動すべきだったのかな」と質問するのが3で、あとは聞くことが大事です。

基本的にはアドバイスしすぎないことが大事です。
アドバイスしなければしないほどいいですね。
自分で考えることがとても重要なので、基本的には共感と承認です。

「うん、よくわかるよ」「不安になるよね」「僕もそうだったよ」「僕もカッコイイと思ったけど、実は、そんなカッコよくなかったよ」とか言われたいですよね。
そういうことですよね。承認だよね。
「よくわかるよ」「でも頑張ってるじゃない」「素敵だと思うよ」「素晴らしいよ」「あなたはこういういいところあるよね」とかそういうのを入れてください。でもあくまで3ですね。

一緒にやるときの重要なポイントは、「認知のズレは必ずある」という前提です。
脳内と客観的な事実は絶対ずれてるという前提で喋らなければいけないということです。

「そんなに嫌われてないんじゃない? 客観的な事実はどうだろうね」と言ったときに、「いやいや、私絶対嫌われてます。いや、もっと嫌われてると思うんですよね。脳内は私は楽観的に考えてるからちょっと嫌われてるだけど、現実はもっと嫌われてるに変えてください」と言うとなんかズレてるんですよね。

ズレは必ずあるという前提だったら合ってるかもしれないけど、ちょっと話がズレてくると思うので、筋が悪いので、「これは回避すべきです」とか言うんだけれども、「そうじゃないよね」「トラウマとかもあるよね」みたいなことで、あくまで治療的に楽観的にやっていくということが重要です。

何か意地悪な言われ方をしてるなとか、客観的な事実はどうだろうねと言われるとカチンと来てしまうけれども、ズレは必ずあるという前提で質問しているんだとわかることがとても重要です。
2人の共通ルールです。

互いの価値観として大事なのは運・不運の問題ですね。
本人のせいじゃないんですよ、この問題って。

今こうやってくよくよし過ぎているのは、脳の生まれつきの問題だったり、周囲の環境の問題だったり、記憶、生い立ちの問題だったりするんですよね。
本人の問題じゃないし、こういう行動を取ってしまうのは必然だったりするんですよね。回避したり、その場から逃げちゃうのは。

それは本人のせいじゃないんだよ。だけどそうなっちゃってるから一緒に頑張ろうねというスタンスを取るのがいいと思います。

あなたはこれだけ今まで苦しい思いをしてきたし、辛い思いをしていたし、そして恵まれなかったんだと。
だけど、これだけ頑張ってるじゃないか。
もうちょっと一緒に頑張ろうよ、手助けできることはしようよというスタンスでやっているということですね。
そういう共通の認識があればいいんじゃないかなと思います。

これが僕の開発した主観2.0です。
ワークブック的に埋めていけばいいので簡単ですよね。
このワークブックも概要欄に載せておきますので使ってください。

今回は、主観2.0というやり方を開発しましたので紹介しました。
最後にこれは何で開発したかというと、僕はオンライン自助会をやっているんです。
自助会をやっていく上で、全員の共通言語が必要だなということでいろいろ考えたんですね。
半年ぐらいもやもやしながら考えてできあがったやつです。
これまでの動画を見ていると益田が試行錯誤してるんだな、という姿が見えると思います。
とりあえずこれでやっていこうかなと思います。
また来年このやり方は変わるかもしれないですけど、変わったときは変わった時でやりましょう。
やっていけばここが使い勝手悪いなとかあると思うので色々コメントください。そしたらまた修正してきます。

主観2.0とは何かというと、主観(脳内)が変わるということです。
今まで考えていたことと変わるということで、主観2.0という意味です。


2022.11.19

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