本日は「10代の時に本音を言わないとヤバい理由」というテーマでお話しします。
嫌われるんじゃないかと思ってなかなか本音を言えなかったり、嫌なヤツと思われたくないから言わなかった、10代の時に親友を作らなかった、友達に相談できなかった人はたくさんいると思います。
大人になってから相談できるかというと、なかなか相談できないですよね。
今回はそのことをお話しします。
どういう風に治療していけばいいのかということまでお話ししますので、最後まで観てください。
■なぜ本音を言わないのか
まず10代の時、20代でもいいんですけれど、なぜ本音を言わないか、というメカニズムをお話しします。
不安なんですよね、こういうことを言ったら嫌われるかな、とすごく不安を感じてしまうんです。
実際、10代の子というのは友達も10代なので、互いに問題があるんです。
互いに情緒不安定なんです。
「ウザイ」「嫌なこと言われてる」「内面の不安とか聞きたくない」と思っていたりするんです。
だけどウザイと思ってもそんなにウザイと思っていなくて、ちょっとウザイと思っているぐらいで、意外と聞いてみると面白いな、と思ったりするのかもしれないです、人の悩みとか。
こんな感じなんです。
だけどこの「ちょっと」に対して過度に不安を感じて、絶対言わない方がいいかも、バカにされるかも、恥ずかしいかも、と本音を言わないで回避しちゃう。
僕もそうでしたけど多くの10代ってアホなんで、不安を感じてよりも先に勢いで喋っちゃうんです。
俺エロ本買っちゃったぜ!みたいなことを言っちゃうわけです、そんな恥ずかしいことを。後で後悔する。
アイドルは誰々が好きだぜ、と言っちゃうわけです。
そういうのはあるよね。
多くの人は言ってしまって「失敗した」と学ぶのですが、生まれつき不安を感じやすい脳を持っている人は、言えなくて回避をしてしまう。
でも回避すると、その経験というのは、言わなくて良かったのかな、どっちだったのかな、モヤモヤするな、という形で「失敗体験」として記憶されるんです。
どっちだったんだろうという感じでモヤモヤとして、また同じ状況が来た時に「でもあのとき言わなかったし、今回も言うのはやめよう」と回避しちゃう。
それでまた同じように「言わなくて良かったのかな、あれはどうだったんだろう」とモヤモヤする。
それで「やっぱり言うの怖いな」と言わなくなる。
こういう負の循環を繰り返してしまうんです。
例えば僕みたいにバカみたいな奴だと「あー、面倒臭えな!先生なんか大嫌いだ」と言ったりして、それを先生が聞いていて、「益田は悪い奴だな」と怒られたりすると、「あそこで言っちゃいけなかったんだ。学校で言うのはやめよう」と教訓は残るんです、失敗しても。
大人になってからも言ってますけど、僕は。
ちょっとアホだから言っちゃうんですけど、でもまあそれでも経験として残ってるので10代の時よりもマシになっている。
何かで友達と小競り合いしたり、喧嘩したりしても学ぶんです。
相手も10代だから許されるんです、相手も同じような問題を起こすから。
喧嘩しても仲直りしやすいし、その年齢だからこそやってしまう失敗を同じようにする分には問題なかったりするんです、案外。
だけど避けてしまうと、記憶がアップデートされていかない。
失敗によってアップデートしていくんですけど、なかなかアップデートできない。
それで実際、歳を取ってから「実は…」みたいな相談をしようとして勇気を出して言ってみるんです。
そうすると「10代の悩みみたいね」と言って共感してもらえなくて、あっさり返されちゃったりして余計傷つく。
傷付いてまた本音を言えなくなって…みたいなことが起きちゃうということがあります。
■失敗も財産
不安かもしれないし、自分の本音を喋る、心を開くのは苦しいかもしれないんですけど、失敗も財産なのでやってみた方がいいと思います。
臨床現場では患者さんが本音を喋りますけど、どんなことが起きるのかというと、最初は無関心なんです医師に対して。
無関心で自分のことに必死で、自分の思いに集中してるんです。
だけどその後「転移」と言って、医師に対して特別な感情を抱くようになります。
何か怖いな、嫌われるんじゃないかな、あの時みたいにどうなっちゃうんだろう、とすごく不安を感じたり、もしくは過度に尊敬したり、益田先生最高だな!素敵だな!頭いいな!格好いいな!と思ったりするみたいです。
でも途中でなかなか良くならないので失望に変わるんです。
何なんだよ益田、全然最高じゃないじゃないか、ただのアホじゃないか、みたいな感じで怒るんです。
デリカシーはないし何なんだよ、そんなのできないってわかってるのに、何で益田ヘラヘラ聞いてるんだよ、と言って怒っちゃう。
適当な励まし方しやがって、と怒る。
怒るんだけど、じゃあ通わなければいいじゃないかと言うわけにもいかないし、うーんと思いながら、でもまあ益田もそれなりに頑張ってるじゃないか、まあこんなもんだろ、こんなもんだよね普通の人間だからね、と言って諦めに変わるんです。
で、また自分のことに没頭する、ということを繰り返すんです。
諦め、共感、感謝です。
まあ益田先生、頑張ってくれてるし、自分の解決にはつながってないけど、場を用意してくれたから良かったんじゃないか?と思ってくれると。
こういうサイクルを繰り返しながら、失敗などを繰り返して、記憶のアップデートをするということもあります。
だから本音を喋るようになることもあるかなと思います。
■無意識の力
結局、失敗も財産なので、ちょこちょこやって嫌な思いもしますよ。
失敗や不安とか嫌なんですけど、その分記憶がアップデートされてますから、大丈夫です。
いや、でも失敗を覚えてないんです、とよく患者さんは言いますけど、いいんですよ、覚えてなくて。
無意識は覚えてますから。
人間というのは無意識の方が力が大きいですから。
頑張ってるけど上手く行かないんです、とよく言いますが、頑張った分だけ無意識が覚えてくれています。
寝ている間に無意識がチューニングとプルーニングと言って、いい感じでデータ処理をしてくれてるんです。
意識よりも無意識の方が賢いですから。
患者さんが「私はうつで休んでいるけど、これでいいんでしょうか?」「全然努力しないけどいいんでしょうか?」と言うんだけど、「良いんです」と僕は言います。
それはなぜかというと、無意識が頑張っているからです。
はっきり言って、意識が何かやってると邪魔なんです。無意識が頑張れなくなっちゃうから。
「もうアンタは出て来なくていいから寝かしてくれ、僕ら無意識が脳を治すから」みたいなイメージなんです、無意識側としては恐らく。
だから全然大丈夫ですから、覚えてなくてもちゃんと蓄積して脳に残っていい感じに成長してくれてますから、大丈夫です。
今回は、10代の時に本音を言わないとヤバイ理由というテーマでお話ししました。
前向きになる考え方
2022.11.20