本日は「他人の意見を程よく聞き流すことができない」という人に向けて、そもそもどういう風に考えたらいいのか、ティーチング的なことをしたいと思います。
アドバイスというか、こういう発想をしたらいいんじゃないの?というアイデアをお話しします。
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自分が見たいものを見ている
そもそも人間というのは、現実をあるがまま観測することはできません。
人間どころか、機械だって何だって、この現実というのを捉えることはできないんです。
そのままを見ることはできなくて、絶対見落としがあったり、自分が見たいものだけ見ていたりするんです。
これは視覚的な情報だけじゃなくて、聴覚的な情報もそうだし食べたときの味もそうだし、色々なものがそうです。
情報をそのまま捉えることはできないんです。
例えば、概略化しますが、「A4678」が丸で囲まれているという物体だったとしましょう。
ある人から見たら、パッと見たときに忘れたり記憶の混乱が起きたりしますから、四角で囲まれて4678だけが捉えられて記憶されているとします。
別の人から見ると、丸とAだけ覚えていて、4つくらい何か書いてあったかな、みたいな感じで記憶されていたりするとします。
互いに現実とのズレがある。
現実というものをそのまま捉えてるわけじゃない。
そしてAさんの意見も部分的には正しいし、Bさんの意見も部分的には正しい。
ここにはズレがある、と。
これが僕らの世界で起きていることなんです。
どっちの意見を取るべきですか、というと、どっちが正しいというわけじゃないんです。
どっちも正しいしどっちも間違っている。
数字を大事にする場面から見ればAさんの方が正しいし、全体的な絵の印象だけを見るならBさんの方が正しいかもしれない。
良いとこ取りをする
僕らは、互いの意見をすり合わせてアウフヘーベンしていく必要があるんです。
アウフヘーベンとは互いの良いところを取って、より良いものにするということです、簡単に言うと。
アウフヘーベンしていく必要があるんですけれども、それは、AさんとBさんの意見の良いとこ取りをするということなんです。
他人の意見を程よく聞く、程よく聞き流すというのは、良いとこ取りだけしなさいよ、ということだったりするんですけど、これは結構難しいと言えば難しいです。
そもそも現実が分かっていないのにどうやってそれをやるんですか、というと結構難しいです。
無意識的なものや直感、他のデータや色々なものをすり合わせて、現実に近づけていくけれど難しい。
暗黙の了解が大事
重要なことは、こだわるのではなくて、正解に近付けていく必要があるんだ、という両者の暗黙の了解なんです。
AさんもBさんも自分の意見にこだわるんじゃなくて、自分の意見は正しいところもあるけど、間違ってるところもある。
相手の良いところを取り入れていくことで、協力してより良いものを作っていこうという暗黙の了解が重要だったりします。
ただ、こういう発想が無意識でできる人が多いんだけど、これを分かっていない人も多いんだろうなと思います。
実際の臨床現場では「どっちがいいの?」と言ったりします。
検索で十分?
ただ今の人はそもそも「検索したらいんじゃね?」と言ったりします。
意見が割れたとき、スマホで調べたらいいんじゃね?と言ったりすることもあるので、何か面白いなと横で見ていて思います。
データに合わせに行けばいいんじゃない?
そもそももっと調べたらいいんじゃない?
そういう風になってきているので、面白いというか、不思議な世の中に変わりつつあるなと思います。
もちろん検索した先も学者の一つの意見だったりするので、学者同士で意見が対立してアウフヘーベンさせたりするんですけれども、素人から見ると、そこまでの細かい精度は必要なかったりするので、検索で十分だったりもします。面白いなと思います。
生のデータを見ていこう、検索してみよう、そういう風にやっていくのはすごく今っぽいですし、データに従って考えていくということは、良い意味での進化なんだろうなと僕はいつも思っています。
逆にスマホがなかった時代、すぐ調べようと思ってもできなかった時代の人類というのはどういうことを考えていたんだろう、と自分もその時代を生きてたんですけど、思い出すと不思議だな、という風に思います。
今回は、他人の意見を程よく聞き流すことができない、というテーマでもお話ししました。
とにかくこだわるんじゃなくて、互いに間違っている、互いに正しいところもあるので、良いとこ取りをしていくということだと思います。
そこはなかなか難しいんですけど、少しずつ慣れていくということが重要だと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
前向きになる考え方
2022.12.9