東西線「早稲田駅」徒歩1分。夜間・土曜も診療。心療内科・精神科。自立支援対応

WEB予約はこちら

再診患者専用

03-6233-9538

予約制:木・日・祝休診

0362339538
初診WEB予約

  

再診患者専用TEL

03-6233-9538

不安を解消する~痩せたい、はどう解決?

00:00 OP
01:52 何が不安なのか?
04:19 不安を可視化する方法
08:30 精神科の治療で大事なこと

本日は「正しく不安と向き合う方法」というテーマでお話ししようと思います。

精神科の患者さんは不安を感じやすい人が多いですね。
人によっては自分はHSPかもと思っている人が多いかなと思います。

考えてみると、僕もHSP側の人間ですね、繊細というか。
いろいろなことを考えたり感じたりする側なので。人口の1割がHSPというならば、限りなくHSP側の人間なんですけど。

とは言いつつ、克服したとは言い難いですが、こういう仕事をしているので、自分の不安を抱えたり対処するのはスキルとしては結構あるんじゃないかなと思います。
今回はそのスキルを皆さんと共有したいなと思います。

HSPというのは気質の問題であって医学用語ではないんです。
だからHSPそれ自体が疾患ということにはなりません。

不安に支配されやすいというと、精神医学的には「全般性不安障害」と呼ばれたり、対人不安が強ければ「社交不安障害」とか「回避性パーソナリティー」と診断されたりします。
あとは発達障害(ASD/ADHD)の二次障害として不安を感じやすい人もいるだろうし、うつ病の人、うつになりやすい人も、不安を抱えやすいです。
幅広くある共通のテーマです。
ただ、不安がメインだと全般性不安障害と診断されます。

何が不安なのか?

不安は「何が不安なのか」というのを明らかにする方がいいんですよ。

不安の原因がない場合、対象なき不安、そういう不安に支配されている場合だと、これは「妄想」と呼ばれるものになります。

妄想を持つ疾患は、統合失調症、うつ病、躁鬱です。
この三大疾患が妄想を持つ疾患と言われています。
これは医学用語の話ですね。医学的には妄想というのはそういう風に定義しています。

理由がない、対象なき不安、了解不能、共感できない不安を持っている場合は「妄想」と呼んだりします。妄想と呼ぶ、と定義しているんですよ。
「益田はひどいことを言うやつだ」とか言われそうですけど、これは妄想という医学用語なので、そういう風に理解してください。

「何が不安なのか」をアプローチしていくのが基本的にはとても重要です。

「何が」というのを明らかにするのは結構きついんですよ。
自分の欠点や過去の出来事、トラウマと向き合う行為なので、すごいきついです。
向き合った結果、解決に向かうのか、それとも諦めるのかは、その問題とか患者さんによって違いますが、とにかくまず明らかにしてみることはとても重要です。
それを明らかにしていくことが臨床的な行為です。

どうやって明らかにしていくのかというと、「MECEで」「具体的なレベルで」と書いてます。
漏れなく明らかにしていくことがとても重要です。漏れなく重なりなく。

親子問題、兄弟の問題、恋人との問題、友達との問題、職場の人間関係、自分の能力の問題、お金の問題、才能の問題、夢の問題、家賃の問題、いろいろあると思います。

これを全部、洗いざらい喋るんですよ。喋るというか、分類していって明らかにしていくことはとても重要です。
それを具体的なレベルまでやっていく。
一人だとなかなか難しいので、治療者とやったりカウンセラーとやったりするというのが精神科の話です。

不安を可視化する方法

どういう風に可視化していくとやりやすいのかを説明します。

例えば「今、何に悩んでいますか?」と聞いたりします。
そうすると、「いや、やせたいなと思ってるんですよ」と患者さんが答えたりする。

やせたいけどやせていないことが不安だ、ということだとしましょう。
この問題を中心に考えていくと、これはどういうことなのかなって思いますよね。

やせるにはどうしたらいいんでしょうかというと、食べすぎを減らす、そして運動量を増やす。
食べ物と運動の問題以外に、そもそも代謝の問題もあると思います。
こういう問題に分けていく。

代謝の問題とはどういうことかというと、年齢の問題だったり、ストレスがたまると代謝が落ちますからストレスとか。薬の問題かもしれないですね。

食べ物だと一食あたりが多いドカ食いなのか、間食がそもそも多いのか。
間食が多いならテレビの前に物を置いてないか、食べ物の置き場所とか。
ドカ食いなら外食が多いんじゃないか。

運動だったらそもそも怪我はないんですかとか。時間はあるのか、好きな種目はあるのか。
こういう風に分類していく。どんどん具体的に落とし込んでいくことがとても重要ですね。

あとは、上の段階が必要だったりするんです。
「そもそも何でやせたいの?」と。

外見上承認されたいのというと、そもそも承認されたいからだと思うかもしれない。
で、承認は誰にされたいの?と。
自分なのかそれとも他人なのか。自己満でやせたい人もいますよね。
やっぱりモテたいからやせたいという人もいるだろうし。

外見上の承認というのは、内面を見ることができないということかもしれないし、内面を自分は評価していない、他者も評価しないんじゃないかという思い込みを持っているかもしれない。
そういう形でより抽象的な問題を考えてみる(チャンクアップ)。

具体的な問題を考えてみるのを「チャンクダウン」と言ったりします。
横に行くことを「スライド」と言ったりするんですけど、とにかくこういう形で不安と向き合うには、いろいろなものを考えていくことが重要です。

ぐるぐる思考になって全然うまくいかないとか、考え込みすぎるんですという人は、ここら辺をぐるぐる考えていることが多いんですよ。書かずにね。

運動しないとな、でも運動できないし、食べるのやめようかな、とか言っていると生産性が上がらないので、1回書いたら終わりが来るまで書き切ってみる。

1回書いたら汚いからと言って捨てるのではなくて、書き出してみて、1日で終わらなかったら2日、3日かけてもいいですから。
同じ紙で書き出してみることが大事です。
上に行ったり下に行ったり、いろんなことを書き出してみて、とにかくマップをきちんと作ってあげることはとても重要です。

書いてみると案外整理されて、「自分はここだけ頑張ろうかな」とか、「これは諦めざるを得ないかな」とか判断できようになります。やってみることが重要です。

精神科の治療で大事なこと

精神科の治療において何が重要かというと、コミュニケーション能力を高めていくとか、ストレスケアやセルフケアができる力を高めていく、問題解決能力を高めていく、仲間を作る力、チームビルディング、マネジメントする力を高めていくとか、そういうものが求められていく。

やはり自分の認知を変えていくというのは、こういう能力を高めていくということでもあるので、結構大変だなと思われそうですけど、大変なんですよ。
大変なことをやろうとしているのです。

不安と正しく向き合うというのは、主にストレスケアとか問題解決能力を高めていくことに該当するということです。

こういうのを1人でやってみたりとか、僕のワークブックを使ってもらったりとか、カウンセリングに行ってみたり、ワークショップに参加してみるのもいいんじゃないかなと思います。

困ったら主治医の先生と相談しながら治療を進めていく。
自分のスキルを高めていくのが重要かなと思います。

ということで、今回は正しく不安と向き合う方法というテーマでお話ししました。

オンライン自治会をやっています。
毎回宣伝みたいでアレですけど、人数が増えれば増えるほどサポートできる人も増えますし、同じような悩みを持つ人も増えていきます。運営できる人達も雇えるのもいいことなので宣伝しています。

こういうワークショップをやったり、悩みを相談できる場所を作ってますので、もしよかったらメンバーシップからご参加ください。
アプリから登録するよりも、ブラウザから入った方が1000円安いです。自分のやりやすい方でやってください。


2023.1.21

© 2018 早稲田メンタルクリニック All Rights Reserved.