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親を憎むのをやめる方法

00:00 OP
01:24 出版の経緯
03:01 そもそも親子って何?
05:03 子育てのレベル?
07:43 親を理解する
09:47 どんな未来を選択する?

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日は「親を憎むのをやめる方法(KADOKAWA)」というテーマでお話しします。

「KADOKAWA」と書いてますけれども、今日なのかな、2月2日にKADOKAWAから『精神科医が教える 親を憎むのやめる方法』というタイトルで本が出ます。

これは益田の本です。
3冊目の本が出てたので、宣伝も兼ねて今回こういう動画を撮らせていただこうと思います。

なかなか急ピッチで作ったというか、短い時間の中で頑張って作ったという感じです。
日頃考えていること、色々なものを詰め込んだ本となります。

「親を憎むのをやめる方法」ということなんですけれども、親子関係だけに焦点を絞ったというよりは、精神医学全般および色々な人間関係にも応用できるような本になっています。

どういう内容なのかをざっくり説明するとともに、この本の宣伝をしたいなと思います。

出版の経緯

まずこの本がどういう経緯で始まったかというと、「出版しませんか」とKADOKAWAの人から連絡が来まして、ディスカッションしました。

ディスカッションの中で、担当の人たちの意見として、親子問題の話に関心があったようなんです。

最近では『毒親』というのが流行ってますよね、みたいなことを語っていて。
でも毒親って何かあんまりいい言葉じゃないよね、みたいなことを言ってたんです。

「毒親という形でラベリングすることで、そもそも治療効果があるんですか?」
「毒親って何なんですか?」
というところから始まりました。

そのときに僕が話したのは、毒親というのはこういうものなんじゃない、それって全然治療的じゃないよね、それって一過性に恨んだり怒ったり、気持ちは落ち着くかもしれないけれども、それで本当に治癒に至った人ってのはなかなかいないよ、ということです。

じゃあどういうことですかというところで話が広がって、この本が出来上がったという感じです。

基本的には担当の編集の人とライターさんとの会話の中でテープ起こしをしてもらってできた本なので、内容も読みやすいと思います。
妙にマニアックになることはなくて、全般的に語ることができているんじゃないかなと思います。

そもそも親子って何?

「そもそも親子って何なの?」というところから話はスタートしました。
親子って当たり前のもののように言うし、親子って何なんだろう?と改めて考えたことないですよね、あまりにも当たり前のことなので。

でも親子とはどういうものなのか、それを生物学的な見地や社会学的な見地、人間の心理発達、脳の発達の観点から、ちょっとエンタメ的に(エンタメ的かな?わからないですけど)語ったり説明してみました。

ひとつの学問やひとつ世界観から捉えるのではなく、色々なところから捉えてみて、親子とはどういうものなのかな、現代における親子はどういうものなんだろう、どういう機能があるんだろう、社会学的な観点、つまり親子ってどうしてそういうものが存在するのか、親というのはどういう機能があるのかという生物学的な観点から捉えました、人間以外の動物も。

社会学的にはどうなのか、つまり現代においては親はどういうことをすべきなのか、江戸時代とか原始時代とはやることが変わってきていますから、そういうことを捉え直している。

そして発達です。
人間の脳の発達やこころの発達の中で、「親子」というものがどういう影響を与えているのか。
つまり、親子関係を通じて白紙の状態の脳にどういう情報をインプットしているのか、逆にインプットできないとどういう病気になってしまうのかを、さらっと触れていると思います。

僕も思い出しながら喋っているので、もしこの動画を見て「益田、言ってること違うやんけ」となっても怒らないでくださいね。
だいたい合っていると思います。

もし違ってたら、コメントください、また動画を撮り直しますから。
動画で撮り直すので、ご了承ください。

子育てのレベル?

子育てのレベルって変わってますよね、みたいな話をしました。
ここ5年、10年、臨床の中でどういう風に変わってきているのか、親子がどういう風に語られているのか、どういうことが話題になっているのか、問題になっているのかという話を展開しています。

皆さんご存知の通り、最近では発達障害ブームと呼ばれてます。
ブームなんだ、ブームなんだ、と言いますけれど、でもブームじゃないですよ、これだけやってるということは。
「発見」なんです。

人間には知性の差がある、能力の差がある、そしてそれは格差を生んでいる。
そして教育的な問題、血筋の問題、色々なものが絡んでいるんですけれども、そういうことをもう一回語っています。

親に発達障害がある、子どもに発達障害がある、ということがいかに苦しいのか、そしてそれらを社会的に援助しないと核家族で密室空間の中で親子関係が完結してしまうと、発達障害が絡んでいるときに、ある家族にとってはすごく不幸なことが起きてしまうんです。
それを解説しています。

発達障害傾向があるというのは、100人中8人くらいはそういう傾向があるみたいなことも言っていますから、決して他人事ではない。
だけどそんなに多くいるわけでもないということです。
一部で偏っているということです。
そこら辺の話をしています。

なぜお母さんは冷たいのか、厳しすぎるのか、時間管理に厳しすぎるのか、父親は頑固なのか、お金を出さないと言って文句を言うのか。

これはお父さんお母さんの性格が悪いからじゃなくて、もしかして発達障害傾向があるからなんじゃないの、という話をしています。
なかなか切り込んだ話題です。
これはなかなか言えないんです。

心理の人や福祉の人は気付いていても、それを声を大にしては言いにくいんです。
それはなぜかというと、医者以外は診断してはいけないということになっているからです。
だから医師の立場だから言える、ちょっと強引なゲームです。

医師以外は言えないんです。
生物学者も社会学者も教育系の人も教育の学者さんも、いくら益田より優秀で賢くて色々なことを知っていてもなかなか言えないのです。立場があるから。
でも僕はここら辺を医師免許があるというだけで、空気を読まずにガンガン皆さんにわかりやすいように伝えていきますから。

そう言うと、何かすごい悪いヤツという感じがしますけど、みんなが言えないことを語っています。
有料ですからね、有料なので語っている、と。

親を理解する

その上で、親をもう一回理解してみようよ、ということを語ってます。

親はどんな生まれだったのか、そもそも親の親って何だったの?
おじいちゃんおばあちゃんってなんかいつもお小遣いをくれるけど、若い時どうだったのかな?
おじいちゃんたちの親の世代はどうだったのか、おじいちゃんのちょっと上の世代はどうだったのか?
戦争に行ってたってどういうこと?
戦争に行っていた人たちに育てられたってどういうこと?

そういう話から、
親は発達障害があったんだけどどうやってたの?
親は明らかに自分よりも発達障害の傾向が重いのに、親は一人暮らしできて結婚できたの?
給料はどんどん上がっていったの?
なんで僕らは転職しなきゃいけないのに、親たちは終身雇用で家もあって車もあったの?
そういう社会事情を踏まえて解説をしていると思います。

そういう視点は言われないと思わないんです。
書いてることは結構単純だったり、他の本もいつもレビューで「益田は当たり前のことしか言ってない」と言われるんですけれども、当たり前のことをちゃんと他のものと結びつけて考えられることが大事なんです。

別に僕は学者じゃないから、みんなが知ってること、みんなが言ってることをただ言ってるだけなんだけれども、それをちゃんと適切な場所に置くことで論を進めているということです。
そうすると結構見えてくるものもあると思います。

時代はどういう風に変化していったのか、僕らが当たり前と思っているものは実はあの時代はどうだったのか、そしてあの時代では上手く行っていたけれども、何で今の人は上手く行かないのか、ということがわかってきます。
面白いですよ、そういう話は。

ということを考えると、親だけでなくて嫌な上司の理解にも役立つんです。
それがこの本のいいところです。

どんな未来を選択する?

「主観2.0」と書いてるんですけれども、基本的には精神科というのは主観的なものを一回客観的なものに置き換えるんです。

自分の心の中で起きていること、自分が見えているもの、というのは主観的なものなんです。
バイアスがあって自分が見たいものを見て、過度に怯えてたり、過度に不安になったりとか、過度に馬鹿にしたりとか。フラットな状態で見てないんです。
なので迷うしフラットの状態で見てないから、合理的な行動がとれてないんです。

なので一回合理的に見ましょうよ、客観的に物を見ましょうよ、ということで、生物学的な観点、社会学的な観点、色々な観点から人間を客観的に捉えるということをしています。
その上で、じゃあどんな未来を選択するの、ということです。

その上で、「でも親を憎もう」というのもありだと思いますし、「じゃあ許そう」「じゃあ憎むことも許すこともせずに距離を取ろう」「僕の人生の中で彼らのことを考える時間はもうやめたいから、表面上は仲良くして、でも、もうあまり考えたくないよ、それに対して時間を割きたくないな」それもひとつの選択だと思いますし、悪くないと思います。

だけど大事なことは客観的な事実、知識でもう一回把握し直すということです。

誤ったものの見方をしない、誤解して誰かを理解しようとしない。
そういう「目指す」という行動や運動に意味があったり素晴らしかったりするんですけど、そういう主観2.0を目指しましょうよ、ということを最後に述べてます。

よく言われるんですよ、益田先生の言うとおり冷静になりましたよ、と。
あ、なるほどね、と。
親がああだったら仕方がなかったんだ、貧困の問題もあったな、知的な能力の問題もあったな、体力的に弱かったな、色々な問題があったかもしれないです。
でもそれを知ったがゆえに絶望しました、みたいなことを言われることがあります。

自分が恵まれてなかったんだ、自分の努力不足とかそういうんじゃなくて、本当に運が悪かったんだな、と。
運が悪かったのなら、この人生もう嫌だな、リセットしたいな、リセマラしたいな、異世界転生したいなとか思うかもしれないです。

でもそうじゃないんだよね。
結果じゃなくて、最初のスタート地点がいいとか才能があるとか、何かが優れているわけではなくて、絶望した中にも、弱い中にも踏み出していく、そこに人間の尊厳、価値があるんです。
それを最後に説明しています。

主観2.0では自由に選んでいいですよ、と言いながら、最後に僕はそういう道徳的なことも少し触れています。
それも読んでもらえたらなと思います。

決して珍しい話をしているとか、「えー!」みたいなことはないかもしれないけれども、意外と発達障害の観点とか、こういう風に整理して考えたことがないので、結構勉強になると思います。

発達障害とはどういうものなのか知らない人たちに向けて書いてたりするので、色々な人が読んで面白いと思ったり、スッキリすると思います。

もしこの本で満足できなかったら、もう一回宣伝をしておきますけど、他にも本を書いてますので、もしよかったら読んでください。

『精神科医の本音』という精神科の裏事情を書いた本があります。
ソフトバンクブックスで出てます。

あとは『親を憎むのを止める方法』にも似てるんですけど、『精神科医がやっている聞き方話し方』という本も書いてます。
これは人間理解の方法を書いたり、それに合わせたコミュニケーションスキルを高める方法も書いているので、これもできたら読んでもらえたらなと思います。

この3冊はほぼ同時期に出版のお話をいただいて、断らなかったんです。
出版の依頼があって、全部断らなかったので3冊同時に始めて、どんな形に落ち着くか紆余曲折しながら作っていった本です。
同時に作ったので思い入れが深いんですけど、ようやくこれで一段落ついたかなとひと安心しているところです。

今回は、親を憎むのをやめる方法、というテーマで書籍を紹介しました。
もしよかったら概要欄にもリンクを貼っていますので、本を買っていただけると大変ありがたいです。

ここで本を買っていただけると、また出版社の人から声がかかって出版できるかもしれません。
売れなかったら、益田の作家人生はここで終わります。


2023.2.2

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