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「社会福祉」について考える。雑談的ミニレクチャー

00:00 OP
00:33 医師になった当時
03:01 福祉? 保険点数?
04:46 分野をまたぐのが難しい
05:52 誰に聞けば良いのか

今日も雑談を色々喋っていきます。
今日は「社会福祉」というテーマで思いつくままに喋ります。

医師になった当時

僕が医者になったのは、十数年前です。
2010年前後ぐらいです。

この頃学生教育の中でよく言われたことは、「インフォームド・コンセント」ということを口酸っぱく教わりました。
きちんと患者さんに病気の説明をしなさいよ、病気の説明をして、治療方針を一緒に決めましょう、という話だったんです。

それ以前は、医者があまり病気のことを言わなかったんです。
これはNGだったんです、そもそも。がんの告知というのが。
本人には言わず家族にだけ伝えていた、という時代から、僕が学生だった十数年前には、患者さんと一緒に考えましょう、二人で考えようという時代になっていった、と。

医療の世界もそうで、精神科の領域も人権運動などで闘っていたのですが、人権運動の時代から90年代になってくると、薬物の時代、薬を使おう、きちんと科学としてやっていこうという時代に移り、僕の時代になってくると精神科というのも普通の医療ということで、同じように追いついてきた感じです。
一般の医療に精神科も追いついてきた。
精神科というのは特殊な科じゃなくて普通の医療なんだよ、ということになってきた感じがします。こんなもんだったんです。

福祉? 保険点数?

なので、福祉の説明をどうやったらいいのか。「福祉って何?」という感じだったんです。
何かよくわからないけれど役所の人がしてくれる、医療事務の人がしてくれる、というような感じ。
僕はしかも防衛医大だったんです。防衛医大だったのでなおさら一般的な福祉制度のことは疎くて、自衛隊の制度を学ぶのに結構一生懸命という感じでした。

まだ保険点数を知らない医者、ビジネスを知らない医者は普通にいっぱいいますから。
この10年で福祉のことはだいぶ知りつつあると思うんですけれど、まだまだ「それって医者の仕事なの?」と言ってる人も多くいるのが現状かなと思います。

実際ややこしいし、しょっちゅう変わるんです。
2年ごとに保険の点数も変わるので、何となく全体像が見えにくい。
理解させにくいかのような印象を受けるようなものはあります。

福祉側も、医者って嫌なやつだな、と思っていたりすることもあるんだろうと思います。
でもなかなか複雑だから、分野をまたがって理解してくれることが少ないのかなと思います。それは福祉の人もそうですが。

分野をまたぐのが難しい

これがなかなかできないんです、分野をまたぐというのが。
例えば大学の教員たちには無縁の世界ですから。

公認心理師試験では、医療のことや福祉のことが問われますが、それまでは分野をまたいで理解するという感じでもなかったですから、カウンセラーの人は。
心理のことだけをやっていればいいというのは言い過ぎだけれども、でも、やりましょうというのは明言化されてなかったので、最近のことと言えば最近のことなんです、こういうのも。

自分もある部分中堅になってきて、後輩たちを見たりしている中で、あまり見ないですけど、僕は開業してるので、でも本当に若い人と喋るときに感じるんです。
本当にこの10年は、医学も色々なことが変わったんだなと思ったりします。

誰に聞けば良いのか

じゃあ実際にどういうサービスが使えるのか、どういう制度を使ったらいいか、正確に聞くのはどこに聞けばいいのかというと、病院のドクターだったり、大きい病院であればPSW(精神保健福祉士)の人に聞くというのがまず一つです。
あとは精神保健福祉センターが各県にあります。保健所だったり、市・区役所の障害福祉課などです。

こういうことを言うと「人による」と言われそうです。「担当者によるんだよ」とか。そうかもしれません。色々な人がいますから。

あとは民間だと相談支援事業所というのがあります。
就労移行支援施設やグループホームに併設されていることが結構あるかなと思います。

あとは委託事業で、オンラインでもいのちの電話じゃないですけど、何かしらあったりするという感じです。
ここは本当に多種多様なので、もうようわかりませんね。
こういうのも整理した方がいいんでしょうけど。

何のサービスが使えるかというと結構難しい。地域ごとに違ったりするので、結構ややこしいです。
ドクターが全て知っているわけでもないし、不親切で教えていないということでもない。
実際僕らが教育をしっかり受けてきたわけでもないというのはあります。
ちょっとやっているとは思いますけど、他にも医学とか色々なことを勉強しなければいけないので、なかなか十分じゃないというのがあります。
こういうところと相談しながらやっている感じです。

でも実際、僕がよく使う福祉の制度というと、就労移行支援、生活保護、障害年金、傷病手当、障害者手帳ぐらいだったりします。
細かいところがいっぱいあるんですけど、たまたま自分の患者さんに使っていないので知らないこともあったりするかなと思います。

色々聞くところがありますし、聞いたらそこが、うちの管轄じゃないからあっちだよとたらい回しというか、色々教えてくれると思います。
何でこんなにややこしいんだと思うかもしれないけれども、この面倒くささは役所ってそういうものだと思ってやってくれるといいと思います。
面倒くさいですけれどもそういうものです。

今回、社会福祉についてどこに相談したらいいのかを雑談形式で話しました。


2023.3.6

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