本日は「精神科医本人の自殺・うつ」というテーマでお話しします。
精神科医というのはわりとプレッシャーがかかる、きつい仕事ではあるのかなと思います。
一般的には自殺をする人が多いんじゃないか、うつになる人が多いんじゃないかな、と考えられたりするのかなと思います。
もしくは、精神科の知識があるんだから自殺する人なんかいないよ、と思う人もいるかもしれません。
ちょっとそこら辺を少し話をしてみます。
コンテンツ
医師の自殺率は高いが
色々なデータがあるのかなと思いつつ、元の論文やデータはあまり引っ張ってこれなかったです。ちょっと調べたんですけど。
精神科医が群を抜いて自殺率が高いというデータはなくて、医師全般、一般的な仕事よりは自殺率が高いという論文やデータはすぐ見つけることができました。
どういう科が自殺が多いかというのは探してこられなかったです。国内外含めて。
ただ、うつのなりやすさとバーンアウトについては出ていて、日本だと小児科が多い、海外だと泌尿器科とかが高かったです、たぶん忙しさの問題だと思いますけど。
必ずしも精神科が抜群に高いというわけではない、ということがわかります。
精神科の知識があるから自殺が減る、精神科医が周りにいる、精神科のことをよく知っている医療従事者が周りいるから自殺率がほぼゼロだ、ということは全然ないです。
医者の不養生とは言わないですけど、やはり医療系の人たちは自殺は多いです。
うつになっちゃう人も多いんですよ。
だから結構難しいなと思います。
難しい仕事ですね、本当に。
自殺の原因
やはりバーンアウトしやすいんです。
無力感に苛まれる、責任感で潰されちゃう、そういうことがあったりします。
あとは結構夜中に呼ばれるとかありますから、睡眠不足でうつになってしまう、そういうのもあったりするという感じです。
これらを広くとって過労死と言ったりします。
過労死のリスクが高いという感じです。
女性の方がリスク比では高いです。
女性医師の方が男性医師よりも自殺率が高いかどうかまではよくわからないというか、データが取れてないです。
あくまで一般人口比で一般の女性と比較すると高いという感じでした。
なぜそういうことを言うかというと、女性よりも男性の方が自殺リスクが高いからなんです。
そもそも男性の方が女性より高いんですけど、医師であるということで、その差はちょっと縮まっているという感じです。
あとは研修医です。
研修医とか若いうちというのは特に危ない。
過労死になりやすかったりするというのがあります。
そのため今は僕が研修医のときとは法律やルールが変わっています。
研修医をそんなに働かせないなどルールは変わってます。
あと給料も出る、と変わってきてます。
昔は給料は出てなかったですからね、すごいですよね。
もちろん僕は自衛官だったので出ていましたけど、薄給の病院も珍しくなかったというか、そういう感じです。
それでちょっと先へ進めます。
自殺リスク
どういう人が自殺になりやすいかというと、例えば身体疾患も含めて病気がある人というのは自殺リスクが高いです。
あとは孤独です。
独身である人の方が自殺リスクが高いです。
既婚者の方がリスクが低いです。
離婚した人は、独身の人よりはリスクは低いけれども、既婚者よりはリスクが高い感じです。
あと、貧困ですね。
貧困の問題がある場合は自殺リスクが高いです。
あと、人種の問題ですね。
やはり黒人とかヒスパニックの人は自殺リスクが高いです。
白人は自殺リスクが低い感じです。
男性であることは自殺リスクが高いですね。
あと、飲酒、薬物の問題があること、そういうものと距離が近いと自殺リスクが上がります。
あとはいじめです。
職場も学校もそうですが、いじめがあると自殺率が上がる感じです。
サポートが大事
なのでサポートが結構大事なんですよ。
いじめと孤独の問題に関わってきますけど、周囲の人のサポートが大事。
お酒の力だけの付き合い、ドラッグの付き合いではなくて、一緒に色々考えたり、会話ができる、相談できる人が近くにいるということ、相談できる人を見つけることがとても重要だったりします。
一週間の中では月曜日に自殺が多いということも分かっているようです。
燃え尽きないということは結構重要です。
しっかり寝る、自分の使命感に潰されないことが大事です。
本当にそうだなと思います。
人間ができることは本当にごくわずかですから、個人ができることなんて。
だから潰されないことが大事だし、「いやいや、お前の責任だろ」「お前もっと頑張れよ」と言われたりするんだけど、そんなの聞き流せばいいんですよ。
できないですから、そんなの。
僕だってしょっちゅう言われてますよ。
益田はロクでもないとか、僕なんか口コミの半分くらいは「１」をつけられてますから。
そういうのを見てもらうと、ああ、こんなにやっててもこんなに言われるんだな、と思うと、ちょっと勇気が出ますよね。
迷いながら僕もやっているし、よくわからないなと思いながらやっていますので、そういうことだなと思います。
みなさん潰れないように頑張りましょう。
今回は、精神科医本人の自殺・うつ、というテーマでお話ししました。
精神科医の裏側
2023.4.17