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発達障害、女性の性依存症

00:00 OP
00:40 ケース紹介(創作)
04:23 治療

本日は「発達障害と女性の性依存症」というテーマでお話ししようと思います。

前回は発達障害とPTSDというテーマで動画を撮りましたね。危険があって性行為や男性への恐怖が出てくるというケースでした。

今回は逆ですね。依存症になっちゃうと。
不特定多数の人と関係を持ってしまうパターンをお話ししようかなと思います。ケーススタディ(創作)ですね。

ケース紹介(創作)

A子さんは子供の頃から生きづらさを感じていた。
育てにくい子供と言われていて、すぐパッと動いちゃうとか危ないことをしちゃうので、親からきつく叱られていた。
親がなかなか自分のことを理解してくれなくて、寂しい思いをしていた。
人づきあいも苦手で、中高時代、同性の友達は少なかった。
自慰行為を早い段階で始めていて、それが病みつきになっていた。中学高校になると自慰行為をほぼ毎日するようになっていたということですね。

大学生の時に初めて彼氏ができてべったり付き合っていく。
そのベッタリしている感じというのは、境界性パーソナリティ症、いわゆるボーダーと間違えられてしまうような形ですごくべったりしていて、離れられない。
いつも彼のことが気になりずっとメールを送っちゃったり、長いLINEを送っちゃったりする。
それで上手くいかないんですよね、そういう関係になるので別れちゃう。

別れた時に凄く傷ついてしまい、別れたくない、だから男の人がいなくなるのがつらい。
恋人がいなくなるのがつらいということで、そこからオンラインでアプリを使って恋人を作り、そして常に複数いるような状態になってしまっているということです。
そういう状態が何年も続いているというケースですね。

A子さんは35歳の女性で、今30歳の彼と同棲している。
彼は彼女が他の人と男性と関係を持っていることは知らない。
一番長く続いているのは45歳の妻子持ちの人で、不倫関係の人。あとは若い24歳とか27歳の男の子たちと不倫がもう1ケースあるという感じです。

自分は何なんだろうとか、自分が悪いんじゃないかとか思っていたA子さんですけども、インターネットなどを通じて自分に発達障害があることがわかった。
そして、女性の発達障害には性存性の合併症も多いと知るんですね。病名ってあったのかと。

自分もこれを変えたいんですよ。この彼と二人で穏やかに過ごしたいんだけども、やっぱり衝動的に性行為をしてしまう。ちやほやもしてくれるからね。そういうことに依存してしまう、思わず行きたくなってしまう。
フラストレーションが溜まるとそこに逃げ込みたくなってしまうんですよね。
だけどそれを変えたいなということを思っていたと。

じゃあ受診しようと言っても、発達障害を診てくれる病院は少ないし、ましてや性存性を診てくれる病院も少ないわけですよね。
「私は発達障害で、こういう風にやっているのは性依存なんでしょうか」と言っても、「いやいやこれあなたは性格でしょう」とか言われそうで怖い。

実際言われてしまったとか、そういうのは治療法がないという形で断られたみたいな口コミがあったりすると、もう怖くて行けないということもあるなと思います。
まあ、ここまであるあるですね。

YouTubeで益田先生は言ってるかもしれないけど、地方だとそんなクリニックないよとか言われそうですけど、でもまあそんなこともないんだけどね。
性依存と主治医が診断するかどうか、そういう言葉を使うかどうかはまた別としてこういうケースはよくあるので、扱っていないことはあまりないと思いますけどね。
臨床ではよくあります。

治療

治療では、認知行動療法をまずしましょうと。
発達障害に向けた認知行動療法や性依存に向けた認知行動療法を併せてやって、ナラティブセラピーをしつつ、自分の生い立ちを語りつつ、やっぱりこういう性依存があると、将来の可能性や未来を奪ってしまいますよね。

今はバレていないけど破綻してしまいますから、自分の人生を守る上では衝動性に支配されちゃいけないということを人生を語り直すことで心を強くするとか。

あとマインドフルネスですね、衝動性が上がった時にその気持ちに気づく訓練をしていくということです。

あとは薬物治療ですね。
コンサータ、ストラテラ、インチュニブのいずれかを使ってADHDの衝動性を抑えたり。
そうすると心が落ち着いてきてすっきりものが考えられるようになるんですね。
「ああ、もうイライラする。男のところにいきたい」「ああ、アプリしたい!」みたいな気持ちがちょっと落ち着く。

「でもこうすると嫌な思いをするから、それはやめておこう」「代わりにゲームしよう」「代わりにお酒飲んだりしよう、おいしいものを食べよう」「代わりに彼とおしゃべりしよう」そういう形で落ち着かせて一晩過ごす。
そうするとあの時男の人のところに行かなくて良かったと思って、1日が過ぎる。
そういうことを1週間、1ヶ月、1年とやっていくと落ち着いてくる感じです。

あとは一人になるのが不安というのもありますけど、一個ずつ消していく。
心の中に相手を作る。気持ちの中に相手を作る訓練をする、相手の気持ちをわかるようにする。

目の前にいる人だけが自分のことを心配してくれているのではなくて、自分には今見えてないけれども心配してくれてる人がいるとか、そういう不在に耐えるというか。
不在の中にも、相手を自分の心の中に棲みつかせるみたいな要素も鍛えてもらうという感じです。

そうこうしていると性存性も軽くなり、発達障害の症状も軽くなるという感じです。
薬物療法も効きますからね、受診して性依存を治してもらえたらなと思います。

今回は、発達障害と女性の性存性というテーマでお話ししました。


2023.7.13

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