本日は「マインドフルネス」をテーマにお話ししようかなと思います。
マインドフルネスって結局何なのかということですよね。
いろいろな本で書いているけれども、実際何なのかよくわからないと思うので、僕なりに理解したことを皆さんに伝えようかなと思います。
マインドフルネスとはどんなものか、僕なりの定義ですけど、サッカーのPKの前に深呼吸をして整える感じがマインドフルネスなんです。
PKの時外しちゃいけないじゃないですか。外しちゃいけないと思って深呼吸していくわけですね。
深呼吸して雑念を飛ばしていくんですよ。
雑念を飛ばしてボールとキーパーの動きとゴールだけに集中していく、練習通りに体を動かすというこの感じがマインドフルネスだなと思います。
うつの人が不安になって、夜眠れなくて怖くなっているとか、「ああ」とかぐるぐる思考になっている時には、深呼吸をしてすることで、今やるべきこと、今やるべき仕事に集中する、取り掛かっていく。
家事なら家事、お風呂に入るならお風呂に入る、歯を磨くなら歯を磨くというのが、良いマインドフルネスの使い方なんじゃないかなと思います。
あるがままの自分を受け入れる状態とか、無心の状態とマインドフルネスの定義では言ったりしますね。
あとは東洋で昔からなじんでいた瞑想や禅と言ったりするんですけども、それを逆輸入したものをマインドフルネスと言ったりしますけど、まあ僕は深呼吸をしてゾーンに入ることをマインドフルネスと理解しています。
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呼吸と連動している
普段から深呼吸をしていく。そしてリラックスできる姿勢にする。
呼吸をゆっくりにすることで、今高鳴っている心臓の動きを強制的にゆっくりさせていくイメージなんですよね。
呼吸と心臓は連動しているので、心臓が速い時は呼吸も速くなっているんですよ。
呼吸をゆっくりしていけば、心臓もゆっくりになるということです。
心臓がゆっくりになっていけば、交感神経系から副交感神経系に移行してきて、だんだん頭の中もリラックスしてきますから、これを練習しておくと、本番が来た時にだんだん短く入れるようになるんですね。
最初は10分とか20分かけてゆっくりになっていたのが、だんだん短くなるんですよ。毎日やっていけば。5分とか3分とか。
最終的には試合中とか3秒とか、10回ぐらい呼吸しただけですぐゾーンに入りやすくなっていくということですね。
これがマインドフルネスだと思います。
効かないと言えば効かないのかもしれないですね。
練習試合だったら深呼吸すれば落ち着けるけど、やっぱりここ一番の時、決勝戦とか優勝が決まる時だったら、やっぱりいくら深呼吸してもなかなか気持ちが収まらないとかあるじゃないですか。
戦う敵というか、その場面が大きければ大きいほどなかなかマインドフルネスが有効に働かないかもしれないんですけども、でも練習しておけば練習しない時よりは出来るという感じです。
こういうトレーニングは臨床的にはすごく重要なので、やっていきましょうというのが国際的なスタンダードになっているという感じですね。
スポーツを一生懸命やっていた人とかであれば、マインドフルネスの感じとかゾーンに入る感じはイメージしやすいと思うんですが、全ての人がそうではないと思います。
僕自身もそんなにスポーツを一生懸命やっていたわけじゃないんですね。
レスリングとかやってましたけど。
別にスポーツ少年ではなかったですね。どちらかというとオタクというか隠キャなんで。
レスリングは試合が短いので緊張している間に終わっちゃいますから。
サッカーとか野球みたいに長い時間かけて試合をして、その中のポイントポイントで冷静さを取り戻す必要性はなかったですからあれですけど。
役に立った訓練ベスト8
じゃあ自分はどうやってそれを身につけたのか。
スポーツだけで身につけたわけじゃないので、いろいろな要素からだんだん身につけたと思うんですね。
僕も中学生の時はすごく情緒が乱れるタイプでした。
感情の起伏が激しいタイプの発達障害傾向のある少年だったので、何て言うのかな乱れていました。
でも医学を学ぶとか、こういう仕事をしていく中で身につけてきたので、今回は役立ったものを皆さんにお話ししたいなと思います。
どういう訓練が役に立ったか、ベスト8を並べました。
本来だったら8番から行った方がいいんですけども、もう1番から行きますね。
一番は「寝る」ということです。
一番マインドフルネスを身に付けるのに役立ったのは、僕にとって寝るという行為でした。
お酒を使わずに薬を使わずに寝るということ。
昼寝をしたりとか、空いた時間に眠る。
空いた時間に目を閉じて、できるだけ休息することをよくやっていたんですよ。疲れた時とかに目を閉じて、自分の考えを俯瞰的に見て、考えていることと夢が混ざっていくのをただ眺めていたり。
頭を使っていると寝れないので、そういうことを結構やる機会が多かったんですよね。
自衛隊の訓練の時もそうですけど、空いた時間にちょっと身体を回復させたいなという時がたくさんあったんですよ。
そういう時にはちょっと仮眠を取るとか、寝てないんだけれども目を閉じてゆっくり呼吸することはよくやっていたんですよね。
これがマインドフルネスの僕の中の原点です。
その時に自分に出てくる考えとか感情を眺めるという訓練をしていたんですよね。
これは結構有効だなと思います。
リラックスした場所で深呼吸をしながらゆっくり休む。
手足がじわっと温かくなってきたなと思ったり、そういうことをしている間にうとうとしたり、夢をただ眺めていたり、そういうことをしていくとマインドフルネスが身に付くと思います。
次に役立ったものはスポーツです。
スポーツもやっぱり役に立ちましたね。
感情のコントロールをしなきゃいけない訳ですよ。スポーツって。
冷静でなきゃいけないし、熱くなり過ぎちゃいけないんですね。心は熱く頭は冷静に、みたいな。
気持ちを落ち着けるために呼吸をしたり。
やりたくない練習とかあるわけですね。練習行きたくないな、今日やりたくないなと思っても、何とか心をなだめて練習に向かう感じ。
練習し始めると体が動き出すんですね。体が温まってくると。
それもスポーツで学んできたことですよね。
体が「嫌だ嫌だ、やりたくない」と言ってるところを押さえつけるという感じですよね。
でも、あまり押さえつけると怪我をしたりしますので、それも体とうまく対話をしながら練習するのも大事です。
あとは自然の中を歩く。
自然の中で風を感じたり、匂いをかいだりというのも、自衛隊の中で色々やってきました。
木の匂いをかぐとか、これもやっぱりマインドフルネスに役立ちますね。
この時の体験をイメージしながら深呼吸すると、結構リラックスしやすいです。
あとはフローと言えば制作ですね。
執筆活動だったり、YouTubeを撮るのもそうですけど、ゾーンに入っていく感じというのはやっぱり勉強になったなと思います。
あとはですね、まあ知識ですけど医学教育とか医師であること、医療の中でやったこと、救急現場で冷静に動くこと、対処していくこと、ロジカルに動くこと、そして相手に指示を出すこと、臓器を見たこと。
人間の臓器を見ていることは、やっぱりマインドフルネスを想像するのにすごく役立っていると思います。
肺の動き方とか、そういうのもイメージしやすいと思います。
あと哲学や思想ですね。これもゾーンを語る上では大事で、宗教のこととか哲学のことを学ぶ中で、自分の理性や論理というものの限界、そういうものを学ぶことができる。
これも役立っているなと。
後は患者会、座談会とかやっていくと、色々な人の意見とか、色々なものが見えたり。
なんだかんだ言って人間は自然の一部というか、個別の悩みのように見えても普遍性があったり、共通点、パターンがあったりして、やっぱり人間の意識や人間の持っている悩みというのも自然現象の一種でしかないんだなということが座談会を通じてわかったりする。
こういうのも知識としてあるとイメージしやすいし、ゾーンに入りやすいかなという気がしますね。
あとは僕は昔訓練分析という形で自分もカウンセリングを週2で5年くらい受けていたんですけども、これも役に立ったような気もするし、あまり立っていないかもしれない、これは。
ゾーンにはあまり役に立っていない気がしますね。
あとはアルコールとか、そういうドラッグ体験ですよね。
ドラッグ体験がマインドフルネスに役立ったかというと、あまり役に立っていない気がしますね。僕の場合はね。
酩酊状態になることはあまり役に立っていなくて、どちらかというと寝る瞬間のまどろみとか、スポーツの時の感情のコントロールの仕方、自然の中を歩いたとか、ここら辺の方が役に立ったなという気がします。
あとはそのイメージ作りの知識ですね、これは役に立ったという感じがします。
こういうものをやっていく中で、マインドフルネスを身に付けてきた感じはします。
悩みが整理されている
もうちょっと伝えたいこととしては、マインドフルネスをやるために大事なこと、前提として結構大事なのは、「悩みが整理されている」ということです。
悩み事が整理されてないとぐるぐる思考になりやすいので、ある程度悩みは整理されている。この悩みはこうだからこうしておこうという、自分の中で目標、方針が定まっていないとやっぱり考えてしまいますよ。
雑念を浮かばせないためには、雑念を考えきっておくことが大事です。
試合中も練習通りやる必要があるわけじゃないですか。試合中とかもね。練習通りやる。
練習中はその時のテーマを決めておいて、そのテーマ通りやらないとやっぱりぐちゃぐちゃになるわけです。
雑念がありながら練習してもゾーンに入れないですから。
やっぱり練習通りやることが大事だし、日常生活においては悩み事をしっかり事前に整理しておくことです。
あとはやっぱりマインドフルネスを益田は身に付けたといっても、まだまだ先はあると思いますし、もっと極めていくことができると思います。
もっと極めていけば、もっと早くゾーンに入りやすい、より困難な状況であってもゾーンに入りやすくなると思うので、まだまだ先があるなと思います。
臨床医として
と言いつつ、僕は霊的な修行をしたいわけじゃないんですよ。
体得したいという人間ではないんですね。
体と対話をしながら、自分の魂と身体の感覚を理解したりとか、そういう霊的な修行がしたいわけじゃなくて、あくまで臨床医なんですね。
まだまだ先があるといってもお坊さんのように本当に訓練をしていきたいとか、座禅を組んでいきたいとか、そういうのはあんまりないですね。
その座禅の先にある世界が見たいとかそういう感じじゃなくて、あくまで臨床医として臨床の中でどれぐらい使えるのか、患者さんにどうアドバイスできるのかということを知れたらいいなと思いますね。
マインドフルネスのインストラクターでもカウンセラーでもないので、あくまで医師だなと思っています。
だから先があるのはわかるんですけど、これ以上を極めたいという感じもあんまりないというか。もちろん意識していますけどね。
うつの患者さんとか、不安の患者さん、トラウマの患者さん、PTSDの患者さんが身につけなきゃいけないマインドフルネスっていうのは、多分僕が身につけているマインドフルネスよりもはるか先、もうちょっと先のマインドフルネスを身につけないとたぶん苦しいんじゃないかなとは思うんですね。
もうちょっと身体的にトレーニングをしていくのも重要なんだろうなと。
そうでないと自分達が持っている苦しみからは解放されにくいのではないかなとは思うんですね。
益田レベルの日常のストレスであれば、別に益田レベルのマインドフルネスで十分なんですけれども、患者さんはもうちょっと上のレベルが必要なんだろうなと思ったりしています。
でもまあ患者さんと僕は違うので、体感的には違うので、アドバイスはできますけれど、感覚的なものは違うので、参考にしつつ、皆さんもトレーニングしてもらえたらなと思います。
座禅を組んでゆsっくり深呼吸をするのを1日に何回かルーティンにしてもらうのもいいし、僕みたいに寝る時にそういう呼吸を意識してみて、スマホをいじらずに寝る訓練をしていく中で、マインドフルネスを身につけるのもいいし、自然の中とかそういうところで散歩する、朝散歩するみたいなところでマインドフルネスを身につけてもいいと思います。
色々なやり方があると思いますが、何らかの形で身につけてもらうとか意識してもらえたらなと思います。
今回は、マインドフルネスって結局何?というテーマでお話ししました。
前向きになる考え方
2023.7.25