本日は「外傷性の神経発達症」というテーマでお話ししようと思います。
発達障害のことを新しい呼び名で「神経発達症」と呼ぶんですけど、それらが先天的生まれつきの問題ではなく、遺伝的な問題ではなく、後からそのようになってしまうことがあるんですよ。そのような症状を持つことがあるんです。
今回はその話をしようかなと思います。
発達障害のように見えるけれども、実は違うかもしれないとかここはややこしいんですよ。
幼い頃の虐待や高ストレス状態とかそういうものがあったから、発達障害になってしまったのかとかね。ここら辺は何とも言えないというか、まだよくわかってないんですよね。決着がついてないです。
ただ、遺伝的な問題以外にも幼い頃に高ストレス状態を経験することによって、子供の時からも大人になってからも、何かしらの発達障害のように見える障害が起きてしまうことはよくあります。
それらは心理検査でわかるのかというと、例えばWAISを取っても区別がつかなかったりするんですよね。
なので何て言うのかな、結構まだよくわかっていないんですよ、医学も。
ということで、治療法に関して言うとトラウマのケアをしつつ、発達障害的なアプローチもするので、やることはあまり変わらないんですけども、まだまだ医学的にわかってないので、そういうこともあるよってことを今回知ってもらいたくて動画に撮るという形です。
ASDやADHDのような症状
子供の時にすごいストレスを浴びるとうまくいかないことがあるんですよね。
例えばASD、自閉スペクトラム症の人たちはコミュニケーションの困難さとか、感覚過敏、何か特定のものに対する過敏さがあったりするんですよ。
虐待とかいじめとかがあると、このような症状が起きることがあります。
例えば、抑うつ状態とかトラウマによる麻痺があるせいで、コミュニケーションがうまく取れない、対人関係がうまく取れないこともある。
何かに対する感覚過敏のように見えるものも、トラウマがある人の過覚醒と似ていたりします。
後はADHDのような症状ですよね。
集中困難や不注意、多動や行動の問題、情動コントロール困難や衝動性というのもいじめや虐待から起きやすいんですよ。
例えば集中困難や不注意というのはうつの症状でもあるし、PTSDの麻痺とも似ています。
多動・行動の問題というのも過覚醒だからだとか、落ち着きのなさとか情動のコントロールとか衝動的なのも過覚醒の問題だからとも言えます。
子供だと今落ち着きがないとか、体調悪いなとか、機嫌が悪い時は、直近のストレスによる影響も受けやすいし、そういうものの連続によって大人になってからも発達障害のように見えてしまう人たちはたくさんいるということです。
トラウマになりやすい
後は、私はトラウマによる発達障害なんでしょうかとか、虐待を受けたから発達障害になってしまったのでしょうかというと、これも誤解を与えそうなのでもう一つ言うと、トラウマになりやすいんですよね、発達障害の人というのは。
忘れられないんですよ。
忘れるのがすごく苦手で、切り替えるのが苦手なので、もともと発達障害的なものがあるからこそ、トラウマが生まれやすいとも言えるのでなんかややこしいですね。
鶏が先か卵が先かみたいな形になっちゃうんですけど。
発達障害の人でトラウマがない人はあまりいないので、そういう意味でももちろん通院している人でということですけれど、なかなかどちらが先かということは言いにくかったりはします。
ただ、遺伝的な要素がなく、幼少期のトラウマから発達障害様に見える人たちというのは、トラウマの除去はもちろん難しいんですけれど、発達障害的な困難さ、コミュニケーションの困難さとか、感情のコントロールとか衝動性のコントロールは比較的言語的介入によって対処しやすかったりするという特徴はあるのかなとは思います。
診断というかそういう因果の話も出たのでちょっと難しいんですけど、理解してもらいたいなと思います。
今回は、外傷性の神経発達症というテーマで、いじめや虐待からそのような症状が生まれることもあるよという話をしました。
発達障害
2023.10.17