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苦しみの原因と言語的治療の限界

00:00 OP
00:35 色々な苦しさ
03:53 共感と解放?
05:48 できること3つ
11:32 優しさ
12:56 カスハラにならないようにする

今回は、苦しい原因とか苦しいのはなぜか、そしてそれに対して会話の中でどこまでのことができるのか、カウンセリングでどこまでできるのか、あと自助会ですね、オンライン自助会の中でどこまでできるのかを話してみたいなと思います。

色々な苦しさ

中心に「苦しさ」ということを置きました。今の状況は苦しいと。
この状況をどう打破していくのかを考えたい。一緒にね。
今、心が苦しい。何で苦しいかよくわからないんですよね。心のことって目に見えないから。

例えば、何か出来事があるとか、何か事件があるんだったらわかりやすいですよね。 戦争が起きているとかだとわかりやすいんだけれど。
そうじゃなくて、心の中の苦しみというのはちょっとよくわからない。
目に見えないから把握しにくかったりします。

そういう時に精神科があるんですけども、例えば苦しい原因が自身の弱さにある場合ですね。
これはよくあります。障害があるということです。
障害があった場合、苦しいんですよね。生活していく上で、普通の人と同じことができないから、とても苦しいんです。

これが生まれ持った苦しさ、もともと持っている弱さ、DNAのレベルで刻まれているような弱さという場合というのもありますね。

あとはトラブルですね。
自分がそういう環境で育ったとか、そういうところにいる。
外から持ち込まれたようなもの。その結果、弱い立場に押し込まれている。
だから苦しいというパターンもあります。

トラブルがあったので、トラブルがトラブルを呼んで、今現実的にトラブルが多い。
何か問題を抱えていて、その結果苦しいというのがある。
今までは問題なかったのに、誰かと絡むようになったから、自分の周りにその人が現れたから、自分の家族、チーム、友達にその人が現れたから、その人によって攻撃をされて、その人によって引き起こされて今のトラブルが起きて苦しいということもあります。

あとは今のトラブルと似ているんですけども、成長する苦しみとか変化する苦しみもありますね。
わかりやすく言うと、家の子どもとかそうですよね。
「野菜食え」と言われているわけですよね。
今までは野菜食べなくてもね。もっと前だとお母さんのおっぱい、その後、ミルク、離乳食、自分が好きなものを食べたらいいよだったのが、野菜食えとか言われて。
「何で食べなきゃいけないんだ」とかね。

年を取ると今度は自分の好きにさせてくれないんですよ。
学校行けとか勉強しろとか、それは社会に適応していくために必要な努力でもあるし、社会でのルールを覚えなきゃいけないので、そのルールを覚える苦しみもあったりしますね。
だから成長する苦しみ変化する苦しみというのもあって苦しい、と。

10代の子は苦しいんですよ。脳みそが変化しているから。
思春期というのを味わっているので苦しい。

僕も勉強し続けなきゃいけないのでそういう苦しみもあれば、仕事をこなさなきゃいけないので、それは今のトラブルとも言えるけれども、自分が成長するために必要な苦しみだったりもしますよね。

こういうのがありますよということです。

共感と解放?

こういう苦しい時に他者とかカウンセリングとかでどこまでやれるのかを考えていくと、よく勘違いされているのは、共感と解放ですよね。

友達と喋ってる時に話したらスッキリするじゃないですか。
今回の苦しみを誰かに話して寄り添ってもらえれば解放されるんじゃないか、安心できるんじゃないかという思いですよね。
それのすごいやつがあるんじゃないかみたいな。
友達とかではなくて、偉大な医師だったら、偉大なカウンセラーだったら、偉大な治療者だったら、もっと共感してくれるような人だったら、共感してくれるような自助会メンバーだったら、友達だったら起きるんじゃないかと思っているかもしれないですね。
普段の会話の中で起きるやつのすごい版みたいなやつ。

これを求めるのは無理がありますね。これはできないんですよ。
友達以上に何かそういうことは起きないですね。
だからこういうのはちょっと違う。

子供の時に体験したような、親が来た時に安心したような、暗闇の中で泣いている赤ん坊に対してお母さんが来て介抱してくれたような、そういうことというのはなかなかないんですね。

現実には起きているんだと思うんですよね。
そういうことってちょっと起きているんだけれども、それ以上のものですよね。
今よりもっと強い効果があるものを求めるんだけども、もうこれ以上はないですよねということです。
これを求めるものではない。

できること3つ

そうなっていくと以下の3つなんですよ。まずは「補助エンジン」とか「指示」ですよね。押してくれるもの。
つまり優秀なリーダーがいるということです。
今の苦しみ、今のトラブルに対して、自分の能力では解決できないこともあるんですよね。
それを助けてもらう。誰かが代わりにやってくれる。
こうしたらいいと指示してもらう。

自分の考えで計画を立てるのではなくて、誰か別の人に計画を立ててもらって、自分はそれを行動すればいいという補助エンジンとしての治療とカウンセリングというのがあります。

そう言うと「益田何なんだ、お前は弱者を差別しているのか」とか言われそうですけれど、やはり医療は福祉と近いので、医療は福祉とつながってますけど、やはりわからないとかできない人とかいるんですよね。

だからこちら側がインターネットで検索してあげる。
こういう制度があるよとか、保健所に相談した方がいいよとか、生活保護は取れるんだよとか、結構手取り足取り教えてあげなきゃいけないこととかもあるので、そういうことを直接やる。
DVを受けているから警察に行かなきゃいけないんだよとか、かなり具体的に教えてあげるのも必要ということです。

こういうことを繰り返していれば、考え方を教えるということなので、自分でそのうち出来るんじゃないかと考えることもあるんですけれど、やはり生まれ持った弱さがあったりすると、一生必要な人もいますね。
福祉の現場で働いている人はよくわかると思います。
その場合は一生補助をしてあげる。それは僕ら治療者側のやるべきことだったりもします。

次は、認知行動療法もそうなんですけども「考える方法、問題を解く方法を教えてあげる」。
そしてそれを一緒に解いてみるということですよね。

だからこういう時はこういう風に解決してけばいいんだよとか、こういう風に考えたらいいんだよとか、こういうアイデアがあるよとか、そういうことを伝えていくというのもありますね。
例えば仏教ではこういう教えがあったんだよとか、昔の人はこう考えたんだよとか、そういうのもあります。

あとは「場の提供」ですね。
苦しい時に自分一人ではなかなかできないから、自習室を用意するという感じですよね。
時々アシスタントしてあげる、壁打ちの相手になっているみたいな感じですね。
2つ目は認知行動療法っぽいし、3つ目は精神分析っぽいとか言ったりしますけど、心の探求をする場所を提供するということもあります。

1つ目では宿題を解いてあげたり、レポートを書いてあげるということですね。
2つ目は宿題を一緒に解きながらやり方を教えてあげる家庭教師みたいな感じ。
3つ目は自分の学習塾をやる。向こうのプレゼンを聞いて、ここを直したらいいんじゃないのと教えてあげたりする。
こういう3段階かなと思います。

だから言語的介入ができることというのはこういうことだということですね、分解すると。

話を聞くとか、優しく寄り添うと魔法の力みたいなのが起きて、何か知らないうちに変化して、自分が変わっていく、強くなっていくというものがあるんじゃないかと思うかもしれないですけど、実はそんなことはなくて。かなり限定的なもので。

補助エンジンとして対応するのか、治療を通じて考える方法をマスターしていく、編み出したり身につけたりすると変化するので、結果的にトラブルが解決したり、弱さが強さにちょっと変わるとかあるのかなというイメージですよね。

ちょっとオンライン自助会の話をさせてもらうと、自助会内では共感して話を聞くことはするけれど、「補助エンジン・指示」はやってほしくないというか、責任が生じてしまうので。
「あんたの言うことを聞いたら、間違ってたじゃないか」とか言われることもあるかもしれないですよね。プロじゃないから。だからこういうのはNG。
できれば主治医の先生に聞いてみたらとか、保健所に聞いてみたらとか、家族に相談してみたらと言ってほしいですね。

あと考える方法というのを教えるというのはアリなんですけれども、この場合、科学的根拠がないことを間違って教えてしまうこともあるかもしれないので、そうならないようにメンタルヘルス大全を早く作って、この大全ではこう書いてあるよねみたいなことを教えてあげたらいいのかなと思っています。
厚労省のホームページはいいと思います。

あとは場の提供ですよね。一緒に体験をシェアする場所として機能すればいいのかなと思っています。

やさしさ

優しさってあるじゃないか、益田は優しさが持つ効力を無視してないかとか言われそうですね。
寄り添わないじゃないかとか包み込んでくれないじゃないか。
もう毎回言われる、言われると言うかそのジレンマに常に襲われているんですけど。

あとよく言われるのは、「わかりやすく言わないと伝わらないよ」と言われたりしますね。
この問題も結構考えますけど、どうしてかということも結構考えたんですけども、わかりやすく言うとは何かというと、一つの側面としては「予想通りに伝える」ということなんですよね。

患者さんが考えている自分の想定外とか、自分が考えてなかったこと、新しい事実を言われると、優しい言葉に聞こえないんですよ。
だからが望んでいるもの、予想通りのものを伝えないと伝わらないということだったりもしますね。

でも、この予想通りというのがややこしくて、「共感と解放」を求めていることがあるんですよね。
だから、結局青い鳥探しみたいなもので、もっといい体験があるんじゃないかみたいな、依存みたいになってしまうことがあるので、それは良くないのかな。

だからどういう風に優しさを表現していくのかは、テーマとして考えていかなきゃいけないなと思っています。

■カスハラにならないようにする

あとは互いにですが、カスハラ、カスタマーハラスメントにならないようにするということですよね。

感情というのを出していいんですけど、出しすぎてそれで場を壊しちゃうといけないので、ある程度押さえながら言語的交流をしなきゃいけない。
自助会といえども診察室といえども、社会の場であるので、カスハラにならないようにというのは言います。

そんなことを言うと、酷いじゃないかとか、うちの主治医はそんなことないとか言うんですけれど、わからないですね、実際はどういうものかわからない。
僕がこういう言い方をするとすごく冷たくて責められている感じを受ける人もいるかもしれないですけど、そういうわけではなくて。
でも、ちょっと念頭に置いておいてほしいというのはありますね。

だから結果的にそういうことをきちんと伝えるというのが本人のためでもあるし、成長のためなんですけれども、結局常に補助エンジンが必要な人、生まれ持った弱さがあって、どうしてもそこを越えていくことができない、伸びしろが乏しい人というのもいる。
障害があるがゆえに、感情のコントロールができないというパターンもあると思うので、難しいですけれど、そこら辺の兼ね合いはそういうものだということですね。

不特定多数の人に伝えるので結構難しいですけれども、その塩梅をちょっと頭に入れておいてもらったらなと思います。


2023.11.21

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