ちょっと雑談的に色々話してみます。
マインドフルネスについて今回語ってみます。
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マインドフルネスとは
マインドフルネスはご存知ですか?
流行ってますよね。
認知行動療法の第3世代(難しい言い方をすると)にも取り入れられたやつで、座禅なんですよ。
目を閉じても閉じなくていいんですが、呼吸に集中するんです。
呼吸に集中してると、やはり人間どうしても色々考えてしまいます。雑念が浮かんでくる。
仕事のこと、人間関係、過去の思い出など思い出してくるんです。
この思い出した記憶に支配され過ぎないようにする。
考えているのはいいんだけど、これ長く考えているな、と思ったら、ああイカンイカン、と思ってまた呼吸に戻る。
またボーっとしてると考えてしまうんですよ。また戻る、という感じです。
この繰り返しをやるということが、基本的にはマインドフルネスの初級編という感じです。
色々な言い方があるんですね、マインドフルネス。
呼吸に集中する、感謝の気持ちが芽生える、目を閉じる、目を閉じない、呼吸をしながらする、スポーツに集中するとか色々あるんですけど、あまりそんなに気にしなくてもいいんじゃないかなという風に思います。
マインドフルネスをやるときに「ああ、マインドフルネスって有効なんですね。じゃあ何か本読んでみたいと思うんですけど、益田先生、何を読んだらいいと思いますか?」とかよく聞かれます。
別にそういう必要は僕はないと思います。
ただ、目を閉じて呼吸をしていればいいんだと思います。
あまりややこしいことを考えずに、目を閉じなくてもいいですけど、閉じて呼吸に集中するというか、雑用せずに、他のことをせずに、ボーっとするというか。
もっと言えばスマホをいじらない。
車窓から眺める風景を見てるだけでもいいのかもしれないですが、それさえしないというか。
「何もしない」というこの制限がマインドフルネスの本質なのかなと思います。
こういうときに脳はデフォルトモードネットワークと言ったりして、そのときの頭の動きのことをデフォルトモードネットワークとか言ったりするんです。
そのときに頭の中が整理されるんです、無意識に。
それが結構重要だったりします。
もちろんそういう作業の中に呼吸のエッセンスがあったり、色々あるんですが、考えなくてもいいかなと思います。
どうやるかには大きく差はない
これは結局何に似てるかというと、チャーハン論争に似ているんじゃないかなと思うんです。
火力が大事なんだ、フライパンが大事なんだ、とよく言うじゃないですか。
究極のチャーハンをどうやって作るのか、ウェイパーを使う方がいい、味の素を振ったら味が混ざる、とか。
究極の卵かけごはん論争など色々あるんですけど、誰でもできるからこそ色々なこと言いたい人がいたり、奥深いが故に論争になりやすいというか、そんな感じがします。
結局、プロが作るチャーハンがいいのか、家庭料理のチャーハンで十分なのか、永谷園のチャーハンの素を使った方がいいのか、そんなのを使わずに味の素と醤油と卵だけでいいのか、色々ありますよね。
色々あるので個人によります、どういうやり方がいいのかは。
こだわり派の人は、
やはりプロが作ったチャーハンじゃないとな、
やっぱり厚切りゴロゴロのチャーシュー肉が入った究極のチャーハンじゃないとな、
あそこのチャーハンじゃないとな、
とあるかもしれないですけど、多くの人はそんなこだわりないと思うので、家庭の焼き飯を食べてもらうように、マインドフルネスもその感じでやってもらったらいいんじゃないかなと思います。
そんなに差はないと僕は思いますね、ぶっちゃけ。
ぶっちゃけましたけど、あんまりないと思います。
そんなに差がないと思いますけれど、やるかやらないかによっては差はすごくあると思います。
どうやるかには大きく差はないです。
いや、もちろんすごい下手な人はいますよ。
チャーハンを作るのがめちゃくちゃ下手な人、鍋を振ったことない本当に料理が下手な人って、こう言うと失礼ですけど、いますから、そういう人は習ったりしないといけないと思いますけど、卵をちょっと割るにしても殻が入ってしまうとかあると思いますけど。
でも仕事をしたり、スポーツや楽器の訓練をした経験がある人、受験勉強で長い時間机の前に座るなど、自分の感情を抑え込みながら何かをした経験がある人にとっては、やれるんじゃないかなと思います。
それはチャーハンを作ったことはないけれど、焼きそば作ったことがあるとか、そういうのと似てます。
もちろんやっていくうちにこだわりたいポイントや、あれってどうやっているのかな、他の人はどういう調味料を使っているのかな、みたいな興味が湧いてくると思うので、そういうときに聞いたりするとひとつの参考になるとは思いますが、基本的にはその程度のものだと思っていいんじゃないかなと僕自身は思っています。
ただ呼吸をする
このひとつの「ただ呼吸をする」というだけでも色々なエッセンスがあるんです。
デフォルトモードネットワークとさっき言った脳の整理の要素。
あと呼吸法ですね。
つまり人間の脳と身体は繋がってるんです。
例えば吊り橋効果って聞いたことあると思うんです。
吊り橋や怖い場所に行ってドキドキしてると、横に異性がいると好きになってしまうというやつです。
例えば強制的に笑顔を作ると、だんだん幸せな気持ちになるといいますね、ガッツポーズするとやる気が出てくるのと同じように。
人間の脳と心と身体は繋がっていて、心臓の動きが速いときというのは焦るんです。
不安になるんです、脳の中で。
同時に呼吸も速くなるんです、基本的には。
だから呼吸をゆっくりにしてあげることで、強制的に心臓の動きもだんだんゆっくりさせていく。
そうすると脳の中も結構スッキリし、焦りが減るんですね。
緊張が取れるということが起きます。
これはもう起きるんです。
ゆっくり呼吸するトレーニングをしていくと、最初は10分~20分かけて呼吸と心臓が連動したのが、条件反射のようにすぐ呼吸をゆっくりすることによってスイッチが切り替わって心臓がゆっくりになり、それにつられて頭の中もスッキリしてくる、リラックスしてくるということが起きるので、トレーニングすればするほど、そういうことがやりやすくなります。
普段から練習しておけば、実際すごく緊張する場面、例えばサッカーのPKのとき、スポーツする人だとわかると思うんですが、そういうとき、精神科の患者さんだったら電車の中、プレゼン前、色々あると思うんですけれども、そういうときにトレーニングしておけば、普段やっている呼吸法をそこでやると よということがあります。
ただ、この呼吸法にも限界があって、普段のJリーグの試合では、いつも通り呼吸をやることによって頭が冷静になっても、ワールドカップなどの大一番の舞台だとゆっくりやっても全然落ち着かなくて、シュートを外してしまうということがありますから、過信しすぎずに、でもトレーニングしないよりはした方がいいという感じです。
これはマインドフルネスをひとつの側面かなと思います。
あとは、自分と向き合えるというのもひとつです。
不安なことをぐるぐる考え過ぎないんだけれども、やっぱり頭に浮かんでくるわけです。
浮かんできたものに向き合って、でもほど良い感じで手放して呼吸に戻るというのが大事で、考えても、あ、イカンイカンと呼吸に戻っていたら全然自分と向き合えないので、せっかく無の時間をしているので、遊びというか、余裕を持って自分と向き合ってみて、頭の整理の時間に変えてもいいんじゃないかなと思います。
そういう感じです。
他にも色々な側面や効果はあると思いますが、それはチャーハンひとつ取っても色々な側面、奥深さがあるように、呼吸法にも奥深さはあるかなと思います。
ただマインドフルネスだけで全てが完結するわけでもないです。
チャーハンひとつで商売ができる、中華料理全てであるという風に言わなくもないですが、やはりそれは無理があるなと感じたりします。
マインドフルネスというのも精神科の治療の中のひとつのテクニックなので、それだけで全てが決まるわけではないです。
マインドフルネスを極めれば全ての心の問題が解決するのではなくて、やはりストレスマネジメントというのは他の要素もあります。
問題を解決するコミュニケーションスキルを高めていく、リーダーシップ教育をちゃんと受ける、良い環境を作る、あとはうつ病など場合によっては薬物を使用する、カウンセリングを通じてもっとトラウマと向き合っていくなど色々ありますので、マインドフルネスというのも一つのメニューとして入れてもらえばいいと思いますが、これだけで完結する訳ではないという感じです。
あとはこれをどれくらいやったらいいんですかということですが、5分ぐらいでもいいからやり始めた方がいいと思うんですが、この5分さえできない人もいます、患者さんで。
それは焦りのせいなのか、ADHDの症状なのか、うつ病の症状かわからないですが、これが5分もできないのであれば、何かしらもっと助けを借りる、休むなど色んなことをしなければいけないので、精神科の治療をしっかり受けるのがいいと思います。
患者さんによっては「いや、私、5分もできないけれど主治医から、薬物治療中だけどマインドフルネスを勧められた」という人もいると思います。
それは医師の監督のもと安全に進めている、安全にトレーニングしてるということです。
その患者さんはたぶんやっても問題ないだろう、マインドフルネスをやっても悪化させていかないだろう、という医師の手応えがあるから勧めているのだと思います。
でもそうじゃない場合は、やはり主治医に聞いてみてください。
やはり5分もできない、5分する前にもう混乱しちゃう、パニックになってしまう場合だと、マインドフルネスをやる段階にはないと思います。
まず休む、そういう段階なのかなと思います。
何かと話題のマインドフルネスですし、1時間修行する、マインドフルネス合宿など色々ありますけど、そういうものだけで全ての問題を解決するわけではなもちろんなくて、ただ、そういうことをきっかけに学んだり、回復することもあるとは思うんですが、それだけで全てが完結するということではもちろんございませんね。
軽んじる必要はないとは思いますが、でもこればかりに注目しすぎたり、重視しすぎる必要もないんじゃないかなという風に思います。
これは精神科医の一般的な意見だと思います。
そんな呼吸ごときで脳みそ全部は変えられないです、記憶から何からということですね。
前向きになる考え方
2023.12.19