今日は「代替行動」について語ってみようと思います。
アルコールやギャンブルの依存症の患者さんと、それらをやめたら何に時間を使ったら良いのかという話題になります。趣味って何だろう、どのような時間の使い方をするのが幸福につながるのかといったことも皆さんと一緒に考えてみようと思います。
コンテンツ
幸福に繋がりやすいこと
診察では、かつてやっていたこと、かつてはまっていたこと、やりたいと思っていたことをやってみませんかという話をします。
何をやっても良いといえば良いのですが、人間の幸福に繋がりやすい項目は心理学的な実験からわかっています。
・主体的（能動的）
・発見、学び、成長
・承認欲求が満たせる（他者から自分の存在を認めてもらえる）
・やりがい（社会的あるいは自分の中で価値があると感じられる）
このような行動を取ることが大事だといわれています。やる気はなくても決めたらやるということも大事です。お酒、ギャンブル、薬物をせずにやってみようということです。
具体的に何をするか
ホワイトボードにある項目は適当に並べたものです。
・衣食住
人間は衣食住が関係するので、衣食住に関わることを極めてみるのはいかがでしょうか、ということです。ファッション、食事、住まい（掃除、DYI、引っ越し）。衣食住にこだわるのは人間の幸福に繋がります。
・飲む、打つ、買う
遊びといえば遊びですが、これはよくありません。
・学び
勉強や研究は楽しいですよね。
将来研究者になるとかではなく、学びや知ることは面白いものです。
・仕事
お金を稼げますし、社会貢献にもなりますから面白いです。
・家族、友人、恋人
彼らに対して何かをすることも良いです。
家族に手紙を書く、電話をするといったことも良いです。
・健康
ジムに行く、美容にこだわる、髪を切る、ネイルをする
・スポーツ
釣り、ゴルフ、マラソン、テニス、サーフィン、スキー・・・
・ドライブ
ツーリング、温泉に行く、蕎麦を食べに行く
・演奏、作曲
楽器演奏が好きな人は結構多いです。
・観劇
・美術館めぐり
・映画鑑賞、読書
受け身になりがちなのでそこは気をつけましょう。
・料理
・DIY
・投資（節度を持って）
・旅行、温泉
・資格取得
・イベント、パーティー
・ボランティア、自助団体に参加する
・信仰に関わること
・ブログ、SNS、YouTube（自己発信）
・ペット
・買い物、収集
依存もあるので注意が必要ですがこれも一つの趣味です。
・テレビ
・スマホ
スマホはついダラダラやってしまうためうつに関係してきます。
自分から関与して成長を感じられるものが良いです。
・麻雀、ゲーム
はまりすぎはいけないので程々に。
このようなものの中で複数を組み合わせ、楽しいなと思いながらやっていくのが良いでしょう。
人生は楽しむためにある
アルコールやギャンブル依存症の人で厳しい親に育てられた人は、趣味をやっていると罪悪感を感じることがありますが、そんな必要はまったくありません。人生は楽しむためにありますから趣味は大事です。遊びこそ本質ともいえます。
１回きりの人生ですから、楽しい方が良いですよね。