カウンセリングで「自伝(生い立ち)」を話せていますか? どのような心理療法かに関わらず、生い立ちから話すと治療者は人となりを理解できるものです。まずは家系図に始まり、自分の子供時代や親との会話、影響を受けたもの、今の自分をどう思っているのか、自分の長所・短所、職場の人間や身近な人、ビジネスやお金の話まで。
僕自身がよく「どうして精神科医になったのですか」と聞かれるのですが、聞いてくる人の中には僕の人生は幼い時から今まで筋が通っていると想像しているのかもしれません。ですがそんなことはなく、すごくずれていたり白が黒になるなど全く別の価値観に切り替わっているところもあります。そういう部分の想像力を持つことが成熟、円熟であり、自分の人生や他人のことがわかるということだと思います。
カウンセリングでは、今の自分のことだけを語るというのではなく、生まれる前までさかのぼってそこから今の自分に至るまでをどう語るかが大事です。連続性がないもので、失ってしまったものや納得のいかないものもあるでしょうけれど、語ってみるというのが大事だと思います。
カウンセリング
2020.10.14