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発達障害(ASD/ADHD)の攻撃性について解説します

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00:00 今日のテーマ
00:12 ASD/ADHDの攻撃性
04:42 生い立ち、環境
06:40 治療

前回の動画でサイコパスについて話しましたが、そこで触れたADHDが持つ攻撃性についてもう少し深く考えてみたいと思います。

ASD/ADHDは、素行障害・反社会性人格障害、うつ病・躁うつ病と合併していることが多いと言われますし、境界性人格障害が鑑別に上がることもあります。

<ストレスが投げ込まれたときのイメージ図>
ストレスが投げ込まれた時の人間のパターンは、それを「吐き出す」あるいは「自分の中で蓄えて徐々に消化していく」の2つに分かれます。自分の中で消化していくというのは、他者の力も借りながら自分の中で言語化して理解するということです。

ただ、全てを言語化はできないので部分的に吐き出します(スプリッティング)。吐き出したものがまた内側に戻って内省につながれば良いのですが、吐き出したものが行き場を失って、離れた状態で自分を攻撃してきたり他者を攻撃したりすることがあります。
衝動的に吐き出してしまうのが発達障害らしさです。自分の内的な世界や想像力の空間が狭いので溜め込めないということです。

吐き出したものが外から自分に向かうときは、自傷やマゾヒスティックな行為に変わり、他者に向かうときはサディスティックな行為になります。自分と「分離している」ので罪悪感を感じずに冷淡に相手を攻撃してしまいます。
これ自体は発達障害に限らず皆に起きることですが、言語化や蓄える力が弱いとスプリッティングが起きやすくなります。WAIS(知能検査)で言うとワークングメモリが足りないから蓄えておけない、知覚統合が弱いから言語化しにくい、処理速度が遅いから消化するのが遅いといった具合です。

これは本人の能力だけの問題かというともちろんそうではありません。
虐待があり、助けを借りながら(言語化しながら)成長する機会がもらえなかった。内省を促すようなしつけではなくただ罰を与えられた。授業中に暴れ外に出て行きなさいとただレッテルを貼られ学習機会を損失した、などの環境が原因でスプリッティングの要素だけが起きてしまうことがあります。周りの人にもスプリッティングが起き、責任を本人だけに押し付けてしまうこともあります。虐待の場合は親自身に問題があることが多いのでまたややこしいです。

治療についてはカウンセリングによる育て直し、教育が大事かと思います。大人だとなかなか時間が取れなかったり、子どもだと親の問題が絡んできたりしてどちらが簡単か、介入しやすいかということはありますが、自分で治療の選択ができない子どもの方がやはり難しいです。一見子どもの方が助けてらえそうですがそうではなく、やはり弱者だと思います。

薬に関しては衝動性を抑えるために抗精神病薬、ADHDの攻撃性を抑えるためにグアンファシンを使ったりしますが、医師・患者間の信頼関係を築いてからでないと薬物の導入は難しいかなと感じます。

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2020.11.14

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