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承認欲求とはどういうものなのか、どうすればコントロールできるのか、精神科医目線で解説します

00:00 今日のテーマ
01:35 承認欲求
07:20 発達史
11:06 小学生
12:20 中学生
13:41 社会人
14:31 SNS
15:27 どのような問題が起きてくるのか

今日から3回にわたり「承認欲求」について語ります。1回目の今日は概論となります。臨床的な観点から承認欲求をどのように考えているのか自分なりに整理しました。

承認欲求に支配されてしまうと、問題行動を起こしたり、それによってうつになって来院する患者さんもいます。逆に承認欲求に取り憑かれてしまった人から被害を受けてうつになるというパターンもあります。

承認欲求

承認欲求とは国語辞典によると「他者から認められたい欲望」です。承認欲求という言葉そのもので欲望を語られることよりも、嫉妬、自信がない、劣等感、もっと頑張らないといけないといった言葉で語られることが多いと思います。例えば「自信がない」というのも、承認欲求の裏返しなのです。

認められたい「他者」が誰なのかいまひとつ曖昧な人も多いです。治療的な観点からいうとここを具体的にしていくことが大事です(親、兄弟、友人、先生、恋人、異性、上司、SNS…)。承認欲求は人を強烈に動かすドライブとしては有効ですが、あまり良い欲求ではありません。学び、権力、異性などの強い欲望はうまく利用しないと生きていけませんし、それに支配されてもいけません。

また、承認欲求は欲望なので投影され混同されやすく、本当は親に認められたいのに認められないから学校の先生に切り替わる、恋人から必要とされたい振り向かせたいのに他の異性から人気があるようにしてしまう、仕事がうまくいっていないからSNS上で人気があるようにしてしまうといったことがあります。

発達史

・生まれてから

生まれてすぐに出会うのは母親です。母親は生存に関わり、基本的には承認してくれます。
最初は目も見えず耳も聞こえず母親を認識していませんが、だんだん母親に助けられていること、母親から認められていることがわかるようになります。

しばらくすると母親以外にも人間がいることに気づいていきます。つまり父親です。父親は母親の独占を妨げるものとして登場します。それによって子供は不安になります。そうこうしていると、兄や姉といった強いライバルも現れ、またしばらくすると弟など弱いライバルが現れます。

二者関係が三者関係に変わり、さらに人が増えてくる中で「承認されなければいけない」という不安に襲われます。それを解消するためにはどうやって人に好かれるか、人と仲良くするかを学びます。とはいえ家族は基本的には味方です。

・小学生〜

小学校に上がると「先生」が出てきます。先生は社会のルールを教えてくれますが、食べさせてくれる父親や母親とは違います。でも、先生の言うことを聞かなければなりません。

兄弟ではなく、同級生も出てきます。ライバル、友達、意地悪する人などいろいろいます。その中で先生に認められれば同級生の中で優位に立てたり、意地悪も減ったりします。

友達と仲良くなりたいというのも承認欲求です。欲望と行動の折り合いをつけることを学びます。

・中学生〜

思春期に入り、異性に気づきます。恋愛という家族や社会とも違うもう一つのベクトルを学ぶわけです。世の中に恋愛というものがあると驚きます。恋人は二者関係なので母親との関係の再燃でもあります。

異性にモテるとはどうしたら良いかを考え始めますが、これは学校の先生からの承認とはまた違います。やんちゃな人がモテたりしますが、上からのルールを自立したというアピールでもあります。

恋人ができると他の人のところに行ってはいけないというルールもあるのでその辺りの折り合いをつけることを学びます。

・社会人

会社に入ると学校とはまた違って、正しいことがすべてではありません。上司の機嫌をとることが出世につながることにもなります。上司に承認されないと給与も役職も上がりません。自営ならばお客さんに承認されないといけません。

・SNS

今時でいうとSNSです。子どもの頃からSNSをやっている人が増えてきていると思いますが、SNSでの承認というのはAI・データのアルゴリズムで優位な発言をすれば良いということになります。広告収入もありますが、広告からどうビジネスに繋げるかというのがミソです。この辺りになると欲望を刺激されているのかお金を刺激されているのかわけがわかりません。支配されないように程よく付き合います。

どのような問題が起きてくるのか

母:母親が感情的すぎると世界が不安定なのでは思ってしまう
父:父親が厳しすぎると先生や上司もそうなのではないかと怯える
兄弟、同級生:競争しかない(仲間で手を組むことが安心してできない)

そうはいっても、母親が不安定に見える本人の問題、父親が厳しすぎるように見える本人の問題、兄弟が競争しすぎるように見える本人の問題かもしれません。僕は患者さんの味方なので患者さんのファンタジーを聞きますが、患者さんが語るヒステリックな母親も、実際に診察室に来ると患者さんが語る母親とは全然違って普通のお母さんだということもよくあります。母子関係が近すぎて母親の細やかな感情を感じ取りすぎてしまうのです。

恋人、SNS、お金:多く集めてどうするのか?
ゲームを楽しむことではなくそれに支配されて自信を失ってしまうこともあります。そうなってくると、家族関係や学校時代を振り返ってそこで問題があったのかどうかを聞いたりします。そうして解きほぐしながら「誰に、どうして、どれくらい、どのように」承認されたいのかを個別分解して治療的に考えていきます。

まとめると、承認欲求は欲望の1つなので、それに支配されすぎるとよくありません。支配されない程度にうまく使って自分の目的を果たすようにします。支配されそうになったら、誰にどうしてどれくらいどのように愛されたいのかをきちっと見直します。


2021.1.2

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