今日は「自分のことを無価値だと思ってしまう人の特徴ベスト3」を個人的な偏見も含めて語ってみようと思います。あくまで僕の中のランキングです。口にするかしないか別として、自分のことに価値がないと考えている患者さんは結構いらっしゃいます。
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自分を無価値だと思う?
皆さんが想像するであろうことと、患者さんが実際に口にするのはこちらの3つです。
・ライバルとの争いに負ける、成績が悪かった
・恋愛対象(群)から求められない
・できないことがある
ここら辺は喋りやすいのですが、喋りやすいということは本当ではありません。本人は本心だと思っていても、それは臨床的にというかカウンセリング的には本核ではないのです。
僕も自衛隊を出されたと動画でよく言いますが、それは嫌なこと、汚点かもしれないけれど、別に大した汚点ではないということです。本当に自分のことを無価値だと思ってしまうのはどこなのかというと以下の3つです。
3位:周囲から関心をもたれない
・友達がいない
友達がいなかった、いても表面的な付き合いだった。
・親が自分のことで忙しい
虐待やネグレクトではないけれど、あまりかまってもらえなかった。
・先生からも注目されない(優等生・受動的)
問題児でもないので優等生だと思われることもあるけれど、受動的で自分から能動的に何かをしていけない。
これは自分の問題かもしれませんが、結構います。発達障害のASDの受動型にも多い気がします。
ニコニコしていて集団の輪に紛れ込むこともあるけれど、友達はいないというタイプです。自分には価値がないのではないかと思いがちです。
2位:身近な(性)暴力
この辺りはあまり語られないのですが結構多いです。
・本人への虐待、いじめ
・家庭内不和の目撃
父親が母親を殴る、母親の再婚相手による性暴力
1位:常に叱られてきた
一番多いのはこれです。
「もっと頑張れ」
「成績が悪いからもっとやりなさい、塾に行きなさい」
褒められてきていないのです。そういう人は大人になってからクリニックに来る人が多いです。
親子問題が現実にあったのか本人のファンタジーなのかはわからないですが、そういうのはあります。
大人になってから治療の中で共感、評価、褒めることも大事ですが、響いていかないです。こちらは言いながら心の揺れを確認しています。
僕は人を褒めるのは下手なのですが、患者さんが頑張っていることにきちんと評価するようにしています。その時に「ありがとうございます」「良かったです」と言ってくれると良くなっているのだなと思いますし、僕の言葉が一方通行で抜けていく、または「ヘラヘラ喋って私の気持ちをわかってくれない」となると過去を想像したりします。
どのように触れていくか
では、わかっているからといって上に挙げたような話題に触れるのかというと、毎回触れるというのはやらないしやれないです。なんとなくこちらもわかっているけれど、臨床の場で取り扱うには機が熟していないこともあります。でもいつ機が熟すのかという問題もあるので、どのようなタイミングでどう聞くのかは悩むところです。
また、親子の話題は重いのですが、診察室から出ていく時にある程度の決着をしていないといけません。蓋だけ開いて、傷だけ開いて帰してはいけないので、診察の中でどう話していくのかはなかなか難しいところです。
ただ、初診の段階かどこかでそういうことがあったということは掴んでおいて、「そういうことがあったからあなたは今でも自分を許せないんですね」とサラリと喋るとか、本人の問題というよりはあえて過去の自分を分離させて、「昔あんなことがあって大変でしたよね」と客観視できるように喋るいったことをしながら少しずつケアしていく語りをします。
この辺りはやりすぎると侵襲的すぎて部外者が何をズケズケと喋っているのだとなりますし、偽善的に見えることも多いです。でも気づいてはいるので、気づいてますよということです。
これからもこのようなことを話していきたいと思います。