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急性ストレス性障害の症状について解説します

00:00 今日のテーマ
01:41 急性ストレス性障害とは
06:51 適応障害とは

今日は病名のちょっとした豆知識として「急性ストレス性障害」を取り上げます。

急性ストレス性障害というと「ストレスの影響でうつっぽくなったのかな?」と思いませんか? これはテストでも引っ掛け問題してあるもので、PTSDの前段階を「急性ストレス性障害」と言います。1ヶ月以上経つと「PTSD(心的外傷後ストレス性障害)」と病名が変わり、1ヶ月未満だと「急性ストレス性障害」という病名が付きます。

いわゆるストレス性のうつは「適応障害」です。
適応障害という言葉を初めて聞いた人は「私って社会に適応できていないということですか」と言ったり、「こんな病名を上司に出したら休職しても復職させてもらえません。ストレス障害とかにしてもらえませんか」とよく言うのですが、産業医の先生も見るので病名が全然違うことになってしまうのでダメなんですよと説明します。納得する人もいればそうでない人もいます。

急性ストレス性障害とは

急性ストレス性障害とは、死ぬのではないかという急激で強いストレスを感じることで症状が出るものです。それが継続していくとPTSDになります。

■死、暴力、性被害の暴露にあっているかどうか
生死に関わる事故、襲われるなどの被害に遭った時に急激に脳のストレスシャワーを浴びます。その結果、後遺症のような症状が残ります。

・自分が直接体験
・身近な人の目撃、伝聞(身近な人の事故を見たなど)
・仕事上での繰り返し、目撃など

僕は自衛隊にいましたが、自衛隊では災害派遣でご遺体に関わることがあります。それが多いとストレス性のシャワーを浴びることになります。

また、映像編集の人たちが自衛隊の活動を見ているときにご遺体も映り込んだりするので、そのような映像を編集している人たちもストレス性のシャワーを浴びたりします。そのような症例経験は僕もあります。ただしニュースを見るなどは含まれません。

■症状は5つの領域から9つ
・侵入症状(フラッシュバック、生々しい夢を見る、生理的な苦痛感を思い出す)
・陰性気分(落ち込み、うつ、幸福感の欠如)
・解離症状(現実感がない、思い出せない)
・回避症状(海を避ける、車に乗れなくなるなど関係するものを避ける)
・覚醒症状(眠れない、警戒心が解けない、集中しにくい、常にビクビクしている)

■3日以上、1ヶ月未満続いている
上記の症状が3日以上、1ヶ月未満続いているものを「急性ストレス性障害」と言います。1ヶ月以上経つとPTSD(心的外傷後ストレス性障害)になります。

適応障害とは

■はっきりと分かるストレス因に対する3ヶ月以内の変化
■ストレス因に不釣り合いな苦痛、社会的機能の障害
■ストレス因の解消後6ヶ月以内に快復

よく「原因がなくなれば快復するから適応障害」「原因がなくなってもよくならないからうつ」といった言い方をするのですが、診断基準は上記になります。ガバガバと言えばガバガバです。

興味深いのは6ヶ月以内に快復するというところです。うつ病は6ヶ月以内では快復しないというニュアンスも含まれています。復職するのに半年以上かかる患者さんも多いのですが、それはうつ病と診断されていることが多いということです。病名は結構ややこしいので臨床感覚を伴わないと理解されにくかったりします。

ホワイトボードにF43.0, F43.1, F43.2と書いていますが、これはICD-10というガイドラインのコード番号です。コードを見ても分かるようにすごく近いところにあります。これは定期的に変わりますが、近い疾患だと考えられたので近い番号が振られているということでもあります。

今日は急性ストレス障害の診断と症状を解説するとともに、適応障害の診断と症状も解説してみました。


2021.4.20

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