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ゼロから学ぶ。ストレスチェックで高い値が出たときに本人や周りの人が知るべきことを解説します

00:00 今日のテーマ
00:53 ストレスチェック一連の流れ
03:00 疾病モデル
04:52 病気ごとの治療

今日は「ストレスチェックで高い値が出た時に知ってほしいこと」を解説してみようと思います。
ストレスチェックを会社で実施すると思いますが、その時に高い値が出ると「どうしよう」となると思います。それにまつわる話をざっくばらんにしていきます。

高ストレス者

会社ではストレスチェックが義務になっていますが、会社の中の上位10%が「高ストレス者」となります。その高ストレス者の人に会社は「産業医面談」をできるようにしなければなりません。ただし、産業医面談は本人の任意なので断ることもできます。

会社は産業医面談を行ったということを年に1回労働基準監督署に報告しなければなりません。また産業医面談の結果を産業医は会社に伝え、業務改善をしなければなりません。

産業医面談

産業医面談を行う医師は精神科医ではないことが多いです。精神科医の臨床医経験のある人が産業医になるのは結構珍しいのです。そのため、産業医から精神科クリニックを受診してくださいと言われることが多いです。そこで僕みたいなのが出番になって「これは適応障害ですね」とか「休みましょう」とか言ったりします。

このように産業医と精神科医の間でやりとりをしたりするのが、ストレスチェックで高い値が出た時の一連の流れです。

非専門の先生が多いのでそのような先生に向けた動画もあります。
初めて休職する人に向けが動画もありますのでよろしければご覧ください。

疾病モデル

職場ストレスがあると

ストレス反応が起き

うつ病・適応障害・パニック障害・PTSDを発症する

職場ストレス以外にも本人の個人的な要因やプライベートなど仕事以外の要因で起こることもあります。また、上司や家族のサポートなど緩衝要因があれば職場ストレスがあっても緩和できたりします。

ストレスチェックは高ストレスの人を救うためでもありますし、職場の構造的な欠陥がある場合は職場ストレスを改善するよう職場に対して産業医から助言するためでもあります。

病気ごとの治療

職場ストレスが原因で発症する主な病気をあげました。

■うつ病

休息:◎ 抗うつ薬・SSRI:◎ 抗不安薬(ベンゾ系):△ 睡眠薬:○

休息が絶対に必要です。
抗うつ薬をしっかり飲んで、ベンゾ系の抗不安薬はあってもなくても良いです。
ベンゾ系の薬は即効性がありリラックス効果があるので気が楽になりますが、依存性の問題があるので長期服用は難しいです。
睡眠薬も依存性があったりしますが、とにかく寝れないと脳が休まらないので睡眠薬を使うことが多いです。

うつ病は40代、50代で発症することが多いです。
症状が6ヶ月以上続くことが多く、薬を飲みながら残業を減らし時短勤務で6ヶ月のパターンもあれば、一時的に休職して6ヶ月をやり過ごすこともあります。休職するのか時短にするのかは人それぞれです。

うつ病の場合は回復に時間が必要ですので6ヶ月以上みてもらう必要があります。抗うつ薬を飲むことによってこの期間が短縮したり、落ち込みの幅が狭まります。

■躁うつ病

休息:◎ 抗うつ薬・SSRI:X 抗不安薬(ベンゾ系):△ 睡眠薬:○

躁うつ病の場合も休息が絶対に必要です。
抗うつ薬は絶対にダメです。躁転したり自殺のリスクが上がってしまいます。稀に裏技的に使うこともありますが、原則ダメです。
抗不安薬は即効性がありますが依存性があるのでなくても良いです。
眠れた方が良いので睡眠薬を使用します。

躁うつ病は20代、30代の発症が多く、自殺が多いです。
治療のメインは気分安定薬です。

■適応障害

休息:◎ 抗うつ薬・SSRI:△ 抗不安薬(ベンゾ系):△ 睡眠薬:○

適応障害も休息が大事です。
抗うつ薬はあってもなくても良いです。あった方が良いというパターンもあります。
抗不安薬もあってもなくても良いです。
睡眠薬はやはり眠れた方が休まるので使う方が良いと思います。

職場ストレスの場合は適応障害が一番多いです。
治療期間は3~6ヶ月ほどです。

だいたいうつ病か適応障害かで迷います。
40~50代で気分の落ち込みがあった場合、うつ病と診断するか適応障害と診断するかで結構迷います。
病気が重い場合はうつ病、軽い場合は適応障害とざっくり分けてしまうこともあるのですが、適応障害と言えどもうつ病の可能性を否定できないので抗うつ薬をしっかり入れて予防線を張ることもあります。

■パニック障害

休息:○ 抗うつ薬・SSRI:◎ 抗不安薬(ベンゾ系):○ 睡眠薬:○

突然動悸がしたり、息苦しくなったり、手足が痺れたりすることをパニック発作といい、それが何回も起きることをパニック障害といいます。

休息が絶対というわけではありませんが有効です。
抗うつ薬は使ったほうが良いです。
ベンゾ系の抗不安薬は即効性があるので、電車の中でパニックになってしまった時などには有効です。
睡眠薬は使って良いです。

パニック障害は治療が数年にわたることもあるので焦らず治療していきます。
うつ病や適応障害と合併しやすいです。通常2つの診断名を並列して書くことは誤診の可能性が高いのですが、うつ病とパニック障害、適応障害とパニック障害は合併しやすいです。

■PTSD

休息:○ 抗うつ薬・SSRI:△ 抗不安薬(ベンゾ系):△ 睡眠薬:○

パワハラで脅されたり殴られたりした時に起きやすいです。
休息は必要です。
抗うつ薬や抗不安薬は絶対ではありません。
睡眠薬はあったほうが良いと思います。

PTSDを発症することは稀です。
患者さんに「これは相当トラウマになったからPTSDと診断してくれ」と言われることがあるのですが、診断基準に該当しないことが多いです。(フラッシュバック、麻痺、過覚醒、解離など)

■アルコール依存症

休息:△ 抗うつ薬・SSRI:△ 抗不安薬(ベンゾ系):○ 睡眠薬:○

意外と多いのがアルコール依存症です。仕事のストレスでお酒を飲む量が増えてしまって、お酒を飲むから疲れが取れなくてストレスも高いという状態です。

休息はない方が良いこともあります。休職してしまった場合、昼からお酒を飲んでしまう可能性もあるためです。きちんと会社に行きながら断酒した方がやりやすいことが多いです。
抗うつ薬やうつがひどい場合は使うこともあります。
ベンゾ系の薬をしっかり入れたほうがアルコールの離脱症状が起きないので有効です。
お酒を飲んでいると眠れなくなる人が多いので、睡眠薬は結構使います。

自殺が多いのも特徴です。
疾患としては見逃されやすいので注意が必要です。

■発達障害

休息:○ 抗うつ薬・SSRI:△ 抗不安薬(ベンゾ系): 睡眠薬:○

発達障害から来ているうつの場合は、職場の環境の問題もありますが本人の資質の要素も大きいです。
本人の資質の要素も大きいのですが、職場ストレスによって本人の特性が出てきてしまうこともあります。部署が変わった時に高ストレスになって忘れっぽさが目立つようになってしまったというパターンも多いです。

休息も良いですし、薬は抗うつ薬や抗不安薬はあまり使いません。
睡眠薬はあった方が眠れるので使います。
あとは発達障害の治療としてメチルフェニデート、グアンファシン、アトモキセチンなどを使ったりします。

発達障害が原因のことは結構多いです。職場でもどのように扱ったら良いのか困っている同僚、上司も多いのではないかと思います。
家族問題も出てきたりしてぐちゃぐちゃしやすいです。
人格障害と誤診されることもありますし、人格障害的な特徴を併せ持つ人も多いので意外とこじれやすかったりもします。

ストレスチェックで高い値が出た時に受診すると、これらの診断がされることが多いと思います。
これから精神科を受診される方は頭に入れてもらえたらと思います。それぞれの疾患についても動画を撮っていますのでよかったら見てください。


2021.4.24

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