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影響力の武器を解説。精神科医がおすすめするビジネス書

00:00 今日のテーマ
02:50 影響力の武器
12:39 他者理解、集団理解

今日は「影響力の武器」という本について解説してみようと思います。心理学の面白さを知ってもらいたいと思い、この本を取り上げます。

心理学の面白さは何かというと、ひとつは自分たちは自分の意志で動いているようで意外とそうではない、無意識に操作されていることが明らかになることです。
もうひとつは、一見関係ないように見える複数の事象の中から共通点を見つけ出し、それを抽象化することで我々に違う見方を教えてくれることです。その見方を学ぶことで自己理解が深まることもありますが、それ以上に他人の理解が進んだり集団の理解が進みます。

自分の情報というともっと細かいことになってきますが、他人や集団、自分から離れたところに行くほど心理学が教えてくれる知識は応用が効きます。それが面白いと思います。

哲学の面白さは、常識を疑うことで常識は意外と違うということがわかることだったりしますが、心理学は自分の意志や自分が正しいと思っていることは無意識に支配されていたということがわかるのが面白さです。 

影響力の武器

この本は「説得とマーケティングの本」と言われており、営業に関わる人が読むべき本と言われています。1984年発刊で現在も売れているのですからめちゃくちゃ売れているということです。

著者はロバート・チャルディーニという1945年生まれの社会心理学者です。この本を書くにあたり3年間の覆面調査(中古車販売などのセールスマン等)をしたそうです。

影響力を6つ(+1)の要素に分類しています:

1.見返りの法則:無料提供→地元、学校?
親切にされると人はお返しをしなければいけないと思います。例えば、無料のサンプルをもらうと買わなければいけないと思ったり、スーパーの試食販売で食べると商品を買ってしまうといったことです。

臨床的にはどういう話題になるかというと、地元や学校かなと思います。親切にしてもらったから地元から離れられない、学校の先生を憎めない、学校が嫌だったと言いにくいとか、ちょっと良いことがあると嫌だと言いにくいのです。でも言っても良いのです。

会社に対しても新入社員の時に拾ってもらった恩義があるとか、仕事がない時に拾ってもらった恩義があるのでなかなか辞められないといったことがあります。

2.好意:人気者、SNSで共感を呼ぶもの
3.社会的証明:口コミ、全米No.1
4.権威:受賞、専門家→パワハラ

このようなものが臨床的に何が問題かというと、ネット情報に医師が負ける、診察室で医師がしゃべっていることを信じてもらえないことがあるということです。あなたはこの病気だからこのような治療をしましょうと言っても、「私はネットで見てこの病気だと思うし、ネットで見てこの薬が有効だとあるのでこうしてください」と言われることが結構あります。

ネットの情報ではそう書かれていても実は違うのですよと説明しても、信じてくれる人もいればそうでない人もいます。好意、社会的証明、権威の影響を受けやすい人は、診察室で巻き返そうと思ってもなかなか巻き返せないことがあります。

権威についてはパワハラが起きる原因になったりもします。パワハラをする人は自分は正しいことをしている、会社のためにやっていると思っている、立場が上だからやっているなど、権威を盲信してしまいます。

5.希少性:タイムセール、ブランド品

6.一貫性:ブランド品、コミュニティ化→転職、引越し、離婚
例えば高級ブランド家具を買った後に「同じようなものがニトリで売ってたな」とか思うのですが、思いたくないので「これは価値があるのだ」と思う。一回コミュニティに入ってしまうとなかなか辞めにくい。例えばAppleのiPhoneを使ってしまうとなかなかAndroidには移りにくいなど。

臨床的には転職、引越し、離婚など変化を嫌うのでなかなか踏み切れないということがあります。
一貫性ということで言うと、親から「あなたがやると言ったでしょ?」というような呪縛もあります。親も変えられないし言われた患者さん側も変えられない。共依存関係で二人の関係が煮詰まってしまっているのに変えられない、いつまでも次に向かえないというのがあります。

7.統一性(New):アイドルのオタク発言、下準備、スマホ
自分と相手が同じ仲間だと思うと信じやすい、物を買いやすいということがあります。博多の人がうまかっちゃんを買い続けるというようなことです。
アイドルのオタク発言も「私もあなたと同じ仲間ですよ」ということです。
下準備と言って、スマホなどで接触回数が多いと仲間意識が芽生え信用しやすいと言うこともあります。

このように見てみると、1984年に書かれていますが今でも通用しますね。インターネットによって益々この要素が起きると思います。
 
ネットはタダのものがたくさんありますし、好意・社会的証明・権威はSNSと関連します。ネットはテレビと違ってここだけの情報というような希少性があったり、一貫性で言うとYouTubeを見ると見続けてしまうなど。統一性で言うと同じ仲間が集まったりします。スマホやインターネットは人を操作するところがすごくあります。

他者理解、集団理解

もう一度戻りますが、これらは自分を理解するのにも役立ちますが、相手や集団を理解するのにもすごく役立ちます。自分は自分のことをすごく考えているので上記のようなことに操作されにくいのですが、他人や集団はあなたのことを全く考えていないので上記の影響を受けます。

例えば、自分が好きなものやこだわりのある商品はマーケティングの影響を受けないのですが、別に何でも良いものは上記のマーケティングの影響を大きく受けます。何でも良いからAmazon’s choiceで買っちゃおうみたいな。判断や決断をするための情報があまりにも多いので、それほど関心のないことはマーケティングの影響を受けやすくなるのです。

他人や集団や会社があなたに対してどう理解するかも上記の影響を受けます。ですからあまり一喜一憂せずに話半分に聞くのが良いかなと思います。


2021.5.5

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