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精神科医のストレス解消法(心の問題とどう向き合うか)

01:10 しなやかな思考
02:31 不安と正しく向き合う、抱える
04:22 不安を要素分解していく方法
06:10 世界を信頼する
09:42 3つのバランスが大事

今日は「精神科医のストレス解消法」についてお話しします。
精神科医と言っていますが、僕個人の話です。

ストレスを解決するための3つのポイントをお話ししますが、この解決法は患者さんの治療を通じて日々ブラッシュアップしていますので、そんなにセンスの悪いものではないんじゃないか、と思います。

しなやかな思考

個人的な解決法としてまず何を目指すかというと「しなやかな思考」です。

しなやかな思考になっていけるように日々トレーニングしています。同じものを見ていても「別の見方ができないか」と練習していくのです。

・気持ちを書き出す
・状況を書き出してロジカルに整理する
・認知行動療法、精神分析、仏教、哲学などの思考トレーニング(学問体系から学ぶ)

「こういうものだ」と思っているものでも、「別の角度から見たらこう見えるのでは?」と多数の視点で捉え直すようにします。

不安と正しく向き合う、抱える

「不安と正しく向き合う」とは、不安とはどういうものかを要素分解していくことです。
何が不安なのか、いつ不安なのか、どういう不安なのかと分解していきます。そうすると、細かい問題に分かれていきます。

小さくなるのでそれを1つ1つ、
・解決可能なのか?
・解決できるかもしれないけれどコスパは良いか?
・優先度は高いのか?
と吟味していけるようになります。

吟味していくと、最終的には「ジレンマ」「解決できない」という問題にたどり着きます。

「ジレンマ」
こちらを解決すればこちらが解決できないという状況です。
例)家族を取ればキャリアが取れない
例)お金を大事にすれば家族を取れない
→程よいバランス、落とし所を考える必要があります。

「解決できない」
死や別れは避けられません。そういう類のものです。
そこまで到達したら、そこから先は「抱える」か「受け入れる」しかありません。
受け入れる方法としては、マインドフルネスなどがあるかと思います。

不安を要素分解していく方法

不安を要素分解していくには、自分と感情を切り分けていく必要があります。
切り分けて、見つめます。

これを一人でできない場合は、カウンセラーとなど複数の人間でやると良いと言われています。

ただ、分離して自分の気持ちを抑えすぎるとヒステリーという解離症状がおきたり、なぜか頭痛がする、方が痛いということになったりするので、あまりおさえ込みすぎてもよくありません。程よく距離を取って付き合っていくことが大事です。

・ソクラテスメソッド
要素分解をしていくときに「それってどういうことですか?」と聞いていくのを「ソクラテスメソッド」と言います。「それは本当にあなたは知っているのですか?」「知らないのではないですか?」とやっていきます。

ソクラテスは古代ギリシャの哲学者で、「無知の知」を唱えました。
つまり、僕らは何も知らない、何も知らないことすら知らない。それをわからせるためにソクラテスは質問をしていきました。

診察ではそこまでのことをしなくても、「こういう見方があるんじゃないの?」とか「その不安てどういうことなの?」と聞いていくと、「ああ、これは自分が悩む必要のないことだったな」などとわかったりします。

世界を信頼する

しなやかな思考で柔軟に物事を考え、不安を分解してロジカルに考えてある程度のところに行ったら妥協して受け入れる。これらの理屈だけではだめで、感情的なものもやらなければいけません。
それは何かというと「世界を信頼する」ということです。

社会は良い方向に向かっています。日本政府を批判しても良いのですが、日本は医療保険もありますし誰かは助けてくれます。自分が酷いことさえしなければ、いや、酷いことをしても、社会は助けてくれます。
本当は社会は温かいものです。

ただ、「悪い人」はいます。ときどき。
あとは、自分とテンポが合わない人も存在します。

世界を信頼するのがベースですが、時々悪い人もいる。
世界は基本的には良いものですが、完全ではない。
この塩梅がすごく大事です。

それがたまたま「両親」だったらどうなの?ということですが、虐待やネグレクトを受けた人は、すべてが悪く見えてしまっています。

一番最初の身近な人が悪かった、あまり愛情を注いでくれなかったとなると、他の人もそうなのではないかと思 い込んでいたりします。ですが、そうではありません。

会社についても、新入社員で入った1社目の上司がパワハラをする人だったとしても、他の会社はそんなことはありません。

ですが、一番最初に起こる問題は結構深刻です。
一番最初に傷を負ってしまうと、そこにこだわってしまって次の場所に行かず、また同じような人を選んでしまうことがあります。それを精神分析の用語で「反復強迫」と言います。

虐待を受けていた人がDVをする彼氏を選んでしまうといった形で、人間はわざわざ自分から同じ失敗をしに行きます。そして、同じ失敗をするだろう場所に行って「今度は克服してやる」と果敢に挑戦するのですが、毎回失敗するということが起こります。これはあるあるです。

自分は反復強迫になっていないか気をつける。
そして、世界は信頼できるものなのだと理解していく、これが大事です。

3つのバランスが大事

以上の3点を良い感じでバランスをと取りながらやっていく必要があります。

いろいろな視点で考えて不安と正しく向き合っても、世界を信頼していなければジレンマや解決できない問題に至ったときに、「これって生きている意味ないんじゃないの?」とネガティブな結論にしかなりません。

ベースは「世界は信頼できる」とポジティブなもので受けて、そこに対してロジカルなものを追加していくのが良いのではと思います。

それから臨床をやっていて思うのは、特に福祉の人は「世界を信頼する」部分だけを重視しすぎていることが多いということです。

「安心できる場所なんだよ」ということだけを一方的に言っていても治療はうまくいきません。
世界は良いものですが完全ではありませんし、悪い人の存在を黙殺しているような形になります。そうすると結局治療はうまくいかないですし、欺瞞のようなものが残ってしまいます。

悪い人も確かにいる、でも避けることもできるし、受け入れることもできる。
こちらの方に持っていかないといけないのではないかと思います。

今回は「精神科医のストレス解消法」というテーマで、精神療法の基本であり重要な3点をお話ししました。


2021.6.24

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