今日は「運動」についてお話しします。
心身に良いと言われている運動ですが、どれぐらいやるのが良いのでしょうか。
運動はうつの予防や改善に良いと言われていますが、当然体にも良いです。
心血管系のイベントの予防、糖尿病の予防・改善、高血圧の改善などいろいろな効果があります。
痩せるために運動するという意味ではなく、運動がもたらす筋肉を収縮させるポンプ機能や、汗をかくことの意味などいろいろあります。
では、どれぐらいやれば良いかと言うと、これはいまいちわからないことが多いです。
人によって体の大きさや筋肉の量も違いますし、その人が抱えている病気も違うので、なかなかデータが取りにくいためです。
将来的には、実際に細かくデータを取って「あなたは1日45分歩きなさい」「あなたは小柄なので39分」などと適正値がわかるかもしれませんが、そういうことは無視しても良いのです。仕事もありますし、なかなかベストは出しにくいと思います。
とは言いつつ、常識的なラインというものはありますのでそれを今回お話しします。
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3種類の運動
運動というのは大きく分けるとこちらの3つになります。
・有酸素運動
・筋トレ
・ストレッチ
・有酸素運動
ウォーキングやランニング、水泳は有酸素運動です。
このような運動は、1日30分以上行うと良いと言われています。
ただ、やればやるほど良いかというとそうではありません。マラソンもやりすぎると膝の軟骨をすり減らしたりします。
ですからたくさんやれば良いというものではありませんが、30分以上というのが常識的な意見です。
毎日30分というのは最低限のラインで、もう少しやると良いと言われています。
・筋トレ
筋トレは週に2、3回やるのが良いと言われています。
筋疲労というかある程度のダメージを与えると、それが回復するまでに3日~1週間程度かかります。ですから、週に2、3回がちょうど良いのです。
僕も防衛医大の時にレスリングをやっていましたが、週2くらいで刺激がくるように、今日は下半身、今日は上半身など分けてやっていました。ですので実感としてわかります。
・ストレッチ(ヨガ)
ストレッチも非常に有用です。
可動域を増やすためにやる必要があります。
肩こりがひどい人はちょこちょこストレッチをやると良いです。
僕も本当にストレッチが嫌いでやっていないのですが。
ヨガも良いと言われています。
まとめると、毎日30分歩くように心がけ、週2、3回は筋トレをする日を作ります。
流れとしては、最初に5~10分走ったり歩いたりウォーミングアップをしてから、5~10分のストレッチをしっかりやる。そして20~30分の筋トレをやり、クールダウンのストレッチや有酸素運動をして終わるというイメージです。
HIIT
最近話題になっているものに「HIIT(ヒート/ヒット)」というプログラムがあります。
インターバルを短くしてきついことをさせるというものです。
HIITでやると短い時間で高い運動効果を得られるのですが、HIITをやってしまうと急激に血圧や心拍数を上げるので体に良くないこともあります。人を見てやるようにしてください。
また、怪我の元にもなりますので、運動をし慣れていない人は普通に歩いたり筋トレをしたりすることを意識すると良いかと思います。
どうやって習慣化する?
ただ、頭でわかっていてもなかなかやれないものです。
どうやって習慣化すれば良いかの方が、どれくらい運動するかよりも悩ましいことかと思います。
実際に患者さんたちがどのように運動を習慣化しているかと言うと、診察室でよく聞くのはデイケアです。
デイケアの運動プログラムに参加するのが1つです。
ジムに通っている人もいます。
普通のスポーツジムだと高いので、市営や区営のプログラムをうまく利用している人もたくさんいます。
保健所がやっていることもありますので、うまく組み合わせながら何とか運動をする習慣を身に付けるようにします。
自分ひとりだとなかなかやる気が起きないので、プログラムを利用しながらやる時間を作るようにしていきます。
また、筋トレYouTuberもいます。
YouTubeを見ながら楽しく筋トレしていると言う人もいます。
運動はなかなか億劫ですが、がんばりましょう。
僕も来年2022年からは、できれば筋トレを週2回やれるようにしたいと思います。
2020年に断酒を始めて継続できていますので、次の目標は筋トレを週2回。苦しくなくても良いからスクワットを少しやるなどやりたいなと思っています。
今日は、どれくらい運動をすれば良いかというお話をしました。
時間や回数は理想ですからもちろんこの通りにできなくても良いのですが、1つの目安にしてください。
うつ病
2021.11.15