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休職した方が良いサイン

00:37 休職を勧めるとき
05:30 インフォームドコンセント
07:00 ドクターストップ

本日は「休職した方が良いサイン」というテーマでお話しします。

どれくらいうつが酷くなると、どれくらい症状が重いと休職した方が良いのか、その基準をお話ししてみようと思います。
ドクターストップ、精神科医が考えるドクターストップについてもお話しします。

休職を勧めるとき

どういう症状があったときに休職を勧めるのか、休職した方が良いのかということです。

まず「本人の気持ち」です。
今本人が休みたいと思っているのか、それとも働きたいと思っているのか、ということは結構大事です。

体がきつい時に、うつがどれくらい酷いのかというのは、本人でないと分からないことが多いです。
本人が休みたい時はかなりきつい時なので、本人が休みたいと言ったらだいたい休むように調整していきます。

仕事を病気で休むというのは本人の権利なので、甘えではなく、休みたかったら休むことができます。

これまで働いてきたわけですし、きちんと税金も社会保険料なども納めてきたわけだから休むことは権利で、甘えだからダメだと思う必要はありません。
休みたかったら休めば良いということです。

二つ目のポイントは「周囲の意見」です。
本人はまだ頑張れると思っていても、上司から休んだ方が良いとか、精神科を受診するよう言われた、家族から休むように言われているのであれば、本人が頑張れると思っていてもそれは正しい判断ではないことが多いので、休む判断をした方が良いと思います。

やはり周りの人はよく見ています。
心配してくれていますので、周りの意見をきちんと聞いて判断するのが良いと思います。

周りが休めと言っているのに、ついついうつの人というのは働きがちです。
周りから休めとか、いい加減休めと言われているのに頑張っていることが多いので、周りの意見を聞くということです。

「仕事はできているか?」というのもポイントです。
職場には行くのだけれども椅子に座って一時間何もしない、ボーっとしたまま、やってるようでも普段の三割くらいの仕事しか出来ていない、という場合は休んだ方が良いです。

次の項目にも続きますが、出勤すれば評価を下げるだけの時もあります。
その人は苦しんで、頑張って、無理やりエネルギーを振り絞って行っているけれど、会社へ行ったらただ座っているだけ、会社へ行ったらイライラして怒るとか、会社へ行ったら仕事もできずにシクシク泣いてしまう。

病気のせいでその人が少しおかしくなっているのに、周囲からは座ってるだけの怠け者と思われたり、怒っているとパワハラ、モラハラ親父なのかと思われたり、泣いているとこいつは泣き虫でダメな奴なんじゃないか、甘えているんじゃないかと思われたりすることもあるので、病気で変になっているわけだから、そういう場合は休んだ方が良いです。

回復した後もそのようなことで、大丈夫ですけど、評価を下げてしまっていることもあり、その挽回はできますが時間がかかるので、それなら一回休んだ方が良いということはよく勧めます。

ホワイトボードの下に行くほど重症度が増していきますが、「食事、睡眠」が取れているか、「体重」が大きく変化していれば休むことを勧めます。
「私、一日一食だけは食べています」というときに一食でもおにぎり一個だけだったり、「寝なくても大丈夫なんです、苦しいけれどまだ頑張れます」と言っても、体の影響が出ているときは休むことを勧めます。

職場へ行くたびに動悸がして全然ダメで、自然と涙がポロポロと出るときも、体に限界が来ていることのサインなので休むことを勧めます。

「死にたい」という気持ち、「仕事頑張ります、でも死にたいです」というときには、もう休もう休もうみたいな形で休むことを勧めます。

「過労死の基準」もあります。
労災の過労死の基準で、直近の2~6ヶ月で月80時間以上の残業がある、また、直近の残業時間が100時間を超えている場合でうつがひどい時にはもう休みましょうと言うことが多いです。過労死してしまうので。

こういうことを総合的に判断する、ただどれか一つでも引っかかると休職を勧めるかと思います。

インフォームドコンセント

先ほどから「休職を勧める」という言い方をしていますが、「休職しなさい」とは言いません。
ドクター・ストップということはしません。

精神科の医療は特にそうですが、医療というのは「インフォームドコンセント」が基本です。
つまり、ドクターというのはその人の症状や病気の説明をしっかりして、本人と治療者で協議をしながら治療方針を決める、本人主導で治療方針を決めていくというのがインフォームドコンセントというのですが、それが基本です。

本人が働きたいと言っているのに強制的に休ませることはないです。
「休んだ方が良いんじゃないの?」と言うのは、決して「あなたは症状が軽いから」ということではないのです。

「休んだ方が良いんじゃないの?」と言ってるときは、患者さんは「医者から休めと言われてないから、まだ頑張れるということだな」と考えるのは間違いで、重症だから「休みなさい」、比較的軽症だから「休みませんか?」という提案になっているのではなく、重い方でも基本的に「休みませんか?」と言います。

それは強制的にはやらないからなのです。
協議しながら決めるものなので、重症の方でも「休みましょう」と言います。

ドクターストップ

では究極的にはドクターストップは無いのかというと、そんなことはもちろんありません。
ただ人権との兼ね合いをすごく重視します。

精神科は、その人の正常な判断能力を失うという病気なので、逆に言ったら本人の中で病的な部分と健康的な部分があったときに、病的な部分よりも健康的な部分が優っている、病的な部分があったとしても健康的な部分があるのであれば、健康的な部分に訴えることが精神科の医療にとっては大事なわけです。

だから本人の意志を無視して治療するということは基本しません。
本人の人権を守るために必要です。

精神科というのは精神がおかしくなるので、時には本人の意志を強制的に止めて、人権をある種無視して、無視というと言い方は良くないですが、本人の意向を無視して治療することもあります。
それは妄想などに支配されてしまうからです。
そういう病気なのです、精神科の病気は。

ですが、本人の意向を無視する場合、妄想に支配されているから正常な判断ができない、ということを判断する厳しいルールが設けられています。

例えば本人の意向を無視する強制入院というものがあります。

入院にはそもそも3種類あり、
1. 任意入院:本人の意志で入院する
2. 医療保護入院:家族の同意で入院する、本人は同意できない代わりに家族が同意して入院するケース
3. 措置入院:自傷他害の恐れがある、自分もしくは他人を傷付ける危険性があるので強制入院させる
という3つがあります。

この「医療保護入院」というものの条件を見てみると、基本的には
・自傷他害の恐れなし。切迫した自傷他害の恐れはない。
・治療同意を得られない。医者が治療したほうが良いと感じているのに、妄想があるために本人の意志で考えているのではなく妄想のせいだと診断の結果思った場合、治療が必要だとわかるのですが、治療同意が得られない場合。
・家族あるいは行政の長の同意がある場合。
これくらい医療保護入院のルールは厳しいです。

ですから、外来治療の中ではなかなか「休みなさい」と言うことはないです。
「休みなさい」という強制はないです。
ただそれは軽いからではなくて、重症の方に対してもそうです。

本人がもう治療同意ができない場合であれば、医者が「指定医」という精神科の中でもきちんとトレーニングを受けた人であるという条件の元、強制的な治療が行われたりします。
ただそうなる前にきちんとインフォームドコンセントをしましょうということになります。

あまり上手く言えてないですが、こういうことです。

恐れがないからと言っても、医療保護入院のときは恐れがあるケースも見ます。
あるけれど、家族の同意を得ている、切迫はしていないけれどそういう風に発展しうる可能性がある、今は大丈夫でもこのまま悪くなっていった場合、夜になった場合、恐れはないけれど切迫して緊急性が高いとして医療保護入院ということになります。

この辺りに関してはちゃんとした細かいところがあるのですけれども、ざっくりと説明しました、プロ向けの動画ではないので。
患者さん向けにざっくり説明しました。

ホワイトボード左側のような症状がある場合には休職した方が良い、ということです。
医者から強制的にドクター・ストップが入るのではなくて、一緒に考えていくというスタンスを取ります。
それはなぜかというと、精神科の場合には特に人権を重視しているからです。
厳しいルールがあるからです。

今回は休職した方が良いサインについて解説しました。


2022.1.10

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