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【ゼロから学ぶ精神医学④】脳のどこが傷害されるから、病気になるのか?

01:23 神経回路の傷害
04:02 自律神経の乱れ
05:26 記憶・学習に関する問題

本日は「脳のどこが傷害されるから精神疾患が生まれるのか」というお話をします。

前回の復習から始めます。
人間は何かの出来事があり、それが脳や体調に影響を与え、「気分」がアウトプットされる、ということでした。

良いことがあれば脳の中に入り、「ああ、楽しかったな」となる。
遊園地に行ったら、脳が反応して「楽しかったな」となる。
おいしいものを食べたら脳が反応して「おいしかったな」となる。
何かがあると、一回脳の中に入ってから感情となって現れます。

その脳の神経回路はどのようにできているかと言うと、「遺伝子」と「記憶・学習」によってできています。
そして、体調の影響も受けながらアウトプットされます。
 

神経回路の傷害

では、どこが傷害されるから病気が生まれてくるのか、ということです。

・統合失調症
例えば「統合失調症」はどこの病気かと言うと、神経回路の中の問題です。
脳神経の中のドパミンに関係するところが傷害されてしまいます。つまりドパミンが出過ぎてしまいます。
出過ぎてしまうので、幻覚妄想が出てきます。

実験室で統合失調症モデルのネズミを作ろうとすると、覚せい剤を打ちます。
打ち続けることによってドパミンが大量に出て、同じような状況になります。

ドパミンに関係するところがやられてしまっているので、ドパミンをブロックする薬を使うことよって神経回路が安定し、幻覚妄想の症状がなくなります。

・双極性障害
同じく神経回路の問題として、カルシウムチャネルなど神経細胞の膜の問題としてあるのが「双極性障害(MDI)」です。
ですから膜を安定させるようなもの、抗てんかん薬やリチウムを入れることで膜が安定し、神経回路が保たれます。

・うつ病
「うつ病」はどういう病気かと言うと、セロトニン系に関するところがやられてしまっている病気です。
セロトニン再取り込み阻害薬という薬を飲み、脳内のセロトニンの量を増やすことでうつが良くなります。

神経回路がどうしてダメになってしまうかと言うと、もともとの遺伝子とそこにストレスが加わることによってやられてしまいます。

・うつ病と適応障害の違い
「うつ病」と「適応障害」はどう違うのかという話をいつもするのですが、厳密に言うと、科学的には違いがよくわかっていません。
ただ、予後が結構違います。

うつ病は、再発を繰り返しますしなかなか良くなりません。
適応障害は、ストレスから離れるとうつが速やかに良くなります。

自律神経の乱れ

すぐに心臓がドキドキしてしまう、ドキドキしてしまうことで不安になり、それでなおさらドキドキしてしまう。

体調と神経回路の連携の問題はどういうことか、自律神経の乱れとして起きる病気は何かというと、まず「パニック障害」があります。

・パニック障害
パニック障害とは、突然動悸や手の震え、冷や汗が出てきて、心臓がバクバクします。
脳も不安になって、死ぬのではないかと恐怖に襲われます。
このようなことを「パニック発作」と言い、 います。
また、不安で電車に乗れないことを「広場恐怖」と言います。
このようなものをパニック障害と言います。

パニック障害の場合は神経回路を落ち着かせるような薬(SSRI:抗うつ薬)を入れることで、多少動悸がしても落ち着かせるような治療をします。

・不安障害
少し動悸がするとすぐに「怖いな」「不安だな」となってしまうのは、体調と神経回路の異常だったりします。
これもSSRIが効いたりします。
動悸を抑える薬、自律神経をゆっくりにさせる薬として、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬も有効です。

記憶・学習に関する問題

・PTSD、認知のゆがみ
記憶や学習に関する問題として、虐待を受けたり、死にそうな思いをしたことがあると、「PTSD」や「複雑性PTSD」といった病気になることがあります。

虐待を受けたりすると「認知のゆがみ」が出てきたりしてうつっぽくなるのも、記憶や学習の問題がベースとしてあるためです。

・知的な問題
遺伝子と記憶・学習全体の問題として、知的な問題もあります。
知的障害、境界知能、発達障害など。

・報酬系
神経回路の中で、報酬系と呼ばれる部分があります。
報酬系とは、楽しいことがあるとまたやりたくなる、といったことです。
おいしいものがあるとまた食べたくなる、良いことがあるとまたやりたくなる、不安なことがあると避けたくなる、このようなものです。

この報酬系と呼ばれる回路がバカになってしまっている問題として、「依存症」や「強迫性障害」があります。

不安を感じて頭が真っ白になる

「もうこれしかない!」とお酒を飲む

リラックスして、ストレスが緩和され楽になる

また不安になったときにお酒が飲みたくなる

このサイクルを止められなくなります。

ギャンブルもそうです。
不安があったり嫌なことがあったりすると、「もうギャンブルに行くしかないな」となり、ギャンブルに行って楽しかったとなると、また嫌なことがあるとギャンブルをしたくなります。
このサイクルを止められなくなります。
他に、過食嘔吐、自傷、買い物、性依存など。

強迫性障害も同じです。
鍵の確認をすると楽になるので不安が減る、そうするとまたやりたくなる。
手洗いも同じです。

不安のサイクルを止めるために、神経回路の問題として抗うつ薬(SSRI)を入れたりするのですが、それだけだと不十分で、行動自体を止めてあげないといけません。
そういうものを「行動療法」と言ったりしますが、とにかくやめる。
やめられないから困っているのだと言いますが、とにかくやめる。それが大事です。

お酒だったら、お酒を買えないようにお金を持たない。
ギャンブルもそうです。財布を持ってもお金は少ししか持たない。クレジットカードを持たないようにする。
そういう強制力が大事です。

精神疾患というのは、脳の中のここの病気なのだということがわかると、どういう薬が有効か、薬が効くことなのかどうかがわかります。記憶や学習の問題は、薬が効くものではありません。

今回は、脳のメカニズムから見た病気の一覧を解説しました。


2022.5.19

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