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うつ病を疑い、受診する目安

00:57 うつ病の発症原因
02:25 受診の目安
07:03 その他に気をつけた方が良いポイント

本日は「うつ病を疑い、精神科を受診する目安」というテーマでお話しします。

10人に1人が「うつ病エピソード」を体験すると言われています。
うつ病はメジャーな病気ですが、なかなか受診に至らず悪くしてしまい、事故にまで発展してしまうケースも珍しくありません。

今回は、うつ病とはどのようなものなのか、受診の目安をざっくり解説します。

うつ病の発症原因

どのようなことが原因でうつ病を発症するかということです。

うつ病は、遺伝子の問題と精神的なストレス(負荷)の2つの要素で発症すると言われています。
ですから、ストレスの割合が大きければ誰でも発症すると言えばします。
逆に、遺伝子の割合が大きければさほど負荷がかかっていなくても発症する、ということです。

どの年代でも発症し得る病気です。
発症後は、だいたい3~6ヶ月くらいうつ病エピソードを経験した後に、元に戻ると言われています。薬を使うとこの期間が短くなるというイメージです。
また再発がとても多いので、薬を使うことで再発までの期間を延ばす意味もあります。

3~6ヶ月と言っていますが、もっと長引く場合ももちろん多いです。
うつが良くなったからといってすぐに復帰できるわけではなく、リハビリが必要な人もいます。
このような病気です。

受診の目安

どのような状態になったら受診をすれば良いかということです。
うつ病の症状がいくつか該当したら一回受診してみるのが良いかと思います。

<大人の場合>

・楽しくない、集中力低下、気力低下
何をやっても楽しくない、集中力が保てずミスが増える、考え続けることができない、体力がガクッと落ちる、気力がわかない。

・自信がない、自己肯定感の低下、罪の意識
自分はダメなのではないかと思ってしまう、自分は悪いことをしてしまったダメな奴だと思ってしまう、周りの人から嫌われているだろうな、などといった罪悪感にまで発展する。

・将来に対し悲観的
世の中は良くならない、日本は沈没する、不景気から回復することはない、人類はお先真っ暗などと言う。

・食事、睡眠、(死について)
食事がとれない、眠れない、途中で何度も起きてしまう、朝早く起きてしまう。
死ぬことをよく考えてしまう、計画を立ててしまう、自殺についての動画やサイトを見てしまう。

・妄想、口数が減る、残業100h
これらは本人は気づきにくい症状です。
妄想については本人が自覚することはありません。
うつ病の三大妄想は「心気妄想」「罪業妄想」「貧困妄想」です。

「心気妄想」は、自分の体の中に何か病気があるのではないかと思う妄想です。自分はガンなのではないか、家族がそれを隠しているのではないか、などと思います。色々な病院に行って訪ねたり、主治医と家族は自分に黙っているんだと思ったりします。

「罪業妄想」は、自分は世界で一番悪い人間なのではないか、昔やった悪いこと、子どもの時の万引きを後悔して夜中にしくしく泣き始めるなど。

「貧困妄想」は、お金がないのではないかとビクビクしている。財布の中に全然入っていないのでは、ATMを見ても「お金がない、お金がない」と言っているような状態です。(実際はお金はある)

他に、周りの人からわかりやすい症状としては、口数が極端に減る、ということがあります。

疲労を計る目安としては、月の残業時間が100時間を超えていると過労死のラインです。
他にもパワハラ、セクハラなど色々な状況が考えられます。

これらの症状や状況があり困っている場合は、精神科に相談しても良いのではと思います。

<子どもの場合>

・自傷、過食嘔吐
子どもの場合、わかりにくいので注意した方が良いのは、自傷行為です。
髪を抜く、自分のお腹を殴る、リストカット、アームカットなど。
過食嘔吐など摂食障害の症状があるのも危険です。

・成績悪化
突然成績が悪化する、授業に出られなくなるのも病気を疑います。

子どもの場合、うつ病以外にも似たような病気として統合失調症や複雑性PTSD、虐待などの鑑別があがりますので、単純なうつ病ではなく他の病気が疑われることもあります。
ですが、上記のような症状がある場合は受診をしたら良いと思います。

その他に気をつけた方が良いポイント

・アルコールの量
お酒の量がガッと増えたりするとやはり危険です。
飲まないと寝れない、飲んでいる間だけ楽になる、お酒で紛らわせているから良い、というのもダメです。
周りの人が診察に連れていく必要があります。

・自殺の計画
自殺の計画を見た場合はすぐに通院を検討します。

・躁エピソード?
受診の際に家族や本人が確認した方が良いのが「躁エピソード」です。
過去に1週間や1ヶ月程度、元気すぎる期間はなかったか、ということです。
このような確認は大事です。

もし躁エピソードを満たすもの、ずっと元気で楽しくて、という期間があったと思ったらまた落ち込んで、ということを繰り返しているのであれば、うつ病ではなく双極性障害を疑います。

双極性障害とうつ病は同じ「気分障害」という分類で似ているのですが、使う薬が違います。
双極性障害の人に抗うつ薬を使うと、人によっては元気になりすぎて躁状態になり喧嘩が増えてしまったり、お金を使いすぎたり(マンションを購入してしまったり)、ということが起きます。
社会的な影響も大きいのでこれは確認しなければいけません。

・家族の協力?
家族の協力が得られるかどうかも重要です。
家族が「甘えなんだ」「治療は受けるべきじゃない」となると、本人は通院すべきだと思ってもなかなか足が向きません。
子どもの場合、大学生も特にそうです。
この辺りの調整も重要です。

とにかく、このような症状があった場合は受診をした方が良いと思います。
うつ病も遺伝子とストレスの重ね合わせなので、普通の病気だということです。

今回は、うつ病を疑い、精神科を受診する目安、というお話をしました。


2022.6.3

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