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うつ病の認知行動療法

00:00 OP
00:31 自動思考に気付き、行動を変えていく
01:34 認知の偏りに気付く
06:56 意識を向けることが大事
08:03 予測する脳

厚生労働省:心の健康
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kokoro/index.html

認知行動療法が自分でできるワークブック
https://wasedamental.com/director/cbt-workbook/

本日は「うつ病の認知行動療法(CBT)」というテーマでお話しします。

認知行動療法は、いわゆる「CBT」と呼ばれるものです。
それを解説します。

自動思考に気付き、行動を変えていく

認知行動療法とは何かを簡単に言うと、自動思考、つまり自然に頭に浮かんでくる考えが偏っている、認知の偏りがある。自分が普通に考えていること、ナチュラルに考えていることが間違って思っていることが多いんです。
そこに気付いて行動を変えていく、というのが認知行動療法の基本です。

うつ病の人、うつになりやすい人というのは間違った考え方を持っていることが多いんです。

自分は嫌われてるんじゃないか、自分は無能すぎるんじゃないか、自分は世界一愚かなんだ、世界で一番嫌われてるんじゃないか、そういう風に思いがちです。
でも実際は、多少は嫌われてるかもしれないですよ、みんなに好かれてる人はいませんから、だけどあなたが考えてるほど嫌われてはいないし、あなたが絶望しているほど無能ではないんです。給料分は稼げているわけだから。
そこら辺を治していくことが重要だったりします。

認知の偏りに気付く

認知の偏りにどうやって気付くのか、どうやって変えていくのか、ということですが、代表的なものは3つあります。

・行動活性化

1つ目は「行動活性化」と呼ばれるものです。
どういう風に変えていくかというと、24時間の日記帳をつけるんです。
何時から何時までは何をした、何時から何時まではこういうことをした、そういう24時間分をつけるんです。

僕だったら23時~7時半ぐらいまで睡眠、24時~8時くらいまで寝ていた。
出勤して何時~何時まで仕事した、何時~何時まではYouTubeを撮ってた、何時~何時までは家族と会話をして寝た、そういうことです。
こういうものを書いて、その時の気分をつけます。
電車に乗っているときに嫌な気持ちがした、落ち込んでた、思わず涙が出てしまった。
これを1週間分とか2~3週間分くらいのデータを取るんです。

気分が悪いときにどういう行動をしたら暮らしやすくなるんだろうということを考えて、それに置き換えてみる。

例えば、電車に乗るときに涙が出ちゃう、嫌なことを考えがちだったら、自分の好きな音楽を聴く、Netflixのお気に入りの動画を見る、そういうものに変える。
仕事時間が長すぎるのであれば、減らすような努力をしてみる。
そもそも寝る時間が短くて疲れているのであれば、夜寝る前のゲームは好きなんだけど、休みの日のためにとっておく、頑張って寝る。遊び過ぎないで帰る、そういうことです。

そういう風に1日の行動スタイルを細かく変えていくことによって、ネガティブな時間を減らしていくというのを「行動活性化」と呼びます。

・7つのコラム

2つ目は「7つのコラム」と呼ばれるものです。
その日にあった出来事を日記のようにつけていきます。

まずは「状況」ですね。上司に怒られちゃった。
そのとき「気分」は落ち込んだ、うつ80%、そういう風に書く。
そして「自動思考」、自分はやっぱり無能なんだ、仕事ができないんだ。
「根拠」として、大学受験も落ちてしまった。

そして「反証」を書きます。
でも大学受験に落ちるなんて結構いるしな、大学受験に落ちた人がみんな無能だったら益田も浪人してますから、益田先生も無能ということになるので(うーん、益田も無能かもしれないですけど)、益田もそこまで無能じゃないから私も無能じゃないな。

「プラン」としては、上司も冷静に考えてみれば私のことを無能として叱ったんじゃなくて、新人だし慣れてないから注意という意味で説明していたのもあるから、あんまり落ち込むのやめよう、という風にプランを立てる。
そして心の変化、うつは40%、そういう風に書いたりします。

こういうのは一見くだらないように感じるかもしれないですが、全部書かなくても状況と気分を書くという習慣をつけるだけでもポジティブな効果が出た、というエビデンスがありますから、侮るなかれという感じです。
これも100枚、200枚と書いていくと効果が上がっていきます。

・アサーショントレーニング

あとは「アサーショントレーニング」です。
対人関係が苦手な人は、どういう風な話し方をすれば良かったのだろう、ということをもう一回書き出してみるということです。

上司に怒られてしまったときに、上手く説明できなかった。
上司は勝手に私の責任だと言ったけれど、本当は違ったのに上手く説明できなかった、ということはよくあると思います。
その出来事を書いて、答え方を書いてみるんです。

まず1つ目は、すごく攻撃的な言い方です。
「あなたはどこに目を付けてるんですか」「全然仕事のことわかってないですよ、わかってないのに偉そうなことを言わないでください」「これは私の責任じゃありません」など。

受け身な言い方だと、「わかりました、これからはがんばります」とできるだけ相手の希望に沿うような言い方です。
「これから気を付けて見ておくことにします。ちょっと最近たるんでいたので出勤時間も5分早く来るようにするので、今回はお許しください」などと書くわけです。

最後は望ましい言い方をするということです。
「この件については確かに時間が足りなくて、ちょっと準備不足な面もありました。しかしそもそも私一人ではなかなか難しいので、このプロジェクトは誰かに手伝ってもらうか、プロジェクトの量を減らすか、何か手伝ってもらえませんか」そういう言い方をしてみる。
「同じようなミスはしないと思いますので大丈夫です」とか色々あると思います。

こういうのも頭で思うのではなくて、1回書いてみる、ということが結構重要だったりします。

意識を向けることが大事

日記をつけろということですか、と患者さんはよく言うんですけど、まあそうと言えばそうです。
日記をつけろということなんだけれども、どこに意識を向けるかが重要なので、こういうやり方で日記をつけろということになります。

書きにくいなと思うかもしれないですが、その場合だとアプリも結構ありますから。
認知行動療法を利用したアプリもありますので利用してもらってもいいし、一人じゃやれないということであれば、Slackグループを作るのも面白いと思います。
患者さん同士のチームを組んで、自助会などでコラム日記みたいなものをリレー方式でやるというのもアリかな、という気がします。

僕もオンライン自助会をやっているんです。
オンライン自助会というのをやっていて、集団認知行動療法というプログラムを週に1回やっているのですが、良い効果を生んでいると思います。

Slackではコラムでやるんじゃなくて、何でもいいから呟いてよ、と言っています。
呟くことでみんな反応したりしてくれますから、それなりに良い効果があるんじゃないかなと思います。

予測する脳

ちょっとだけ理論的な話もします。
そもそも人間の脳はどうできているかという話です。

人間の脳は常に活動していて、何が起きているのか予測し続けているんです。
バーチャルリアリティの世界を頭の中に作って、常に予測しているんです。

現実で何かを見たりすると、見た情報と脳内での予測、脳内のバーチャルリアリティとのズレを認識し、バーチャルリアリティの世界を修正したり行動をしたり、問題解決の方に動いたり、危険だなと思って回避したりするということをしているようです。

脳内のバーチャルリアリティの世界はどうやって作られているかというと、遺伝子という設計図をもとに作られた脳という物理的なハードウェアに、これまで学習してきたこと、記憶、経験、知識等々をインストールして、脳内でバーチャルリアリティの世界を作っています。
脳内と現実のズレが起きると不安を感じたり、嫌な気持ちになるんです。

嫌なことがあって、良い行動をすればいいんだけど、悪い行動をしちゃった、良い結果が出なかった時に、「ああ、やっぱり世の中って良くないんだ」「やっぱり私は無能なんだ」「やっぱり世界って嫌なものだ」と思って、悪い記憶が増えてしまう。

悪い学習をしてしまって、また同じことがあった時には、悪いイメージで予測してしまう。
悪いことが起きるんじゃないかと予測してしまう。

そうすると、もう一回逃げよう、ということで逃げちゃう。
逃げちゃうとやっぱり問題解決しない。
一時的にはいいんだけど、モヤモヤする。
モヤモヤするから、記憶が悪い記憶として残っていって、よりネガティブな世界観を作ってしまうわけです。

ここで良いフィードバックを与えてあげるのが重要で、どうやってやるかというと、行動してみる、一回書き出して客観的にそれは違うんだよと記憶を訂正していく、学習してきた内容を訂正していくことが重要になります。
そのやり方として、この認知行動療法があるということです。

今回は、うつ病の認知行動療法というテーマでお話ししました。


2022.11.17

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