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うつ病と入院基準、メリット・デメリットについて解説します

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00:00 うつ病の入院基準
03:49 入院後の流れ
05:38 入院するメリット
06:54 入院のデメリット

今日は「うつ病の入院基準」というテーマで動画を撮ります。うつ病と言ってはいますが、躁うつ病や統合失調症でも同じです。

入院の目安

・自傷、他害の危険の有無
入院しないと、自殺をしてしまう、自分を傷つけてしまう、他人に迷惑をかけてしまう、家出をしてしまう、通行人を攻撃してしまうといった場合には入院の目安です。もっと危険な場合は医療保護入院や措置入院などもあります。

・食べられない、眠れない、薬を飲まない
うつが酷くなりすぎて妄想が出てくると薬を飲まなくなってしまうことがあります。そうなると外来治療の継続は困難なので入院となります。

・合併症がある
他に病気がある場合は入院となります。

基本的には、外来治療が継続困難で自殺の可能性がある場合に入院となります。

生の最終地点として死がある、うつが悪化して自殺をしてしまうと思われるかもしれませんがそれは誤解です。うつ病が悪化したら自殺はしません。悪化しきる前の中途半端な時期に自殺が起きやすく、どれくらい悪くなれば自殺するのかを見極めるのは難しいです。これはうつ病なのかただの落ち込みなのかを見極めることよりも難しいです。

自殺する直前は他人を信用していなかったり、通院していなかったり、通院していても嘘をついて元気な振りをしていたりします。もちろん死ぬつもりがなくても突発的に死んでしまうこともあるのですが、ここは難しいです。精神科医は知識はあるので推理する力はあるかもしれないけれど、普通の人間なので嘘を見抜く力も他人の心を読むこともできません。でもまずいなというときは入院の適用となります。

入院後の流れ

入院すると、酷い場合は隔離や個室といった自由を制限した状態からスタートします。良くなってくると4人部屋に移ったり、集団プログラムに参加して認知行動療法やレクリエーションに取り組みます。もう少し良くなると、外出や外泊訓練をして退院となります。つまり、外来治療ができそうだなとなったら退院となります。

難しいのは、退院した時には自殺する気持ちがゼロになっているかといえばそういうこともない点です。治療者は最終責任者ではありますが、一人の人間でしかありませんし、病院もコンクリートの箱でしかないので限界があります。
命の価値は無限大でどんなものよりも価値があると考えるのですが、一方でこのような難しさもあります。

入院するメリット

・薬を飲んで、食べて、寝る
これが保証されます。

・薬の変更が早い
副作用が出やすい人は入院した方がやりやすいです。とはいえ、変更の頻度は入院中でも週に1回も変えません。

・自傷、他害のリスクを減らせる
日中に家族が見れないという場合、入院のメリットは高いです。ただ、リスクを減らせるだけで本当に計画を立てている人だとなかなか止めるのは難しく、100%防げるものではありません。ですがかなり減らせます。

入院のデメリット

・医師、看護師は1日に数分
ここは誤解されがちで、入院すると医師や看護師と結構喋る時間があると思われるかもしれませんが、1日に10分もないくらいです。1日1回の先生もいれば1週間に1回の先生もいます。

・他の患者がいる。集団生活
集団生活をしなければいけないので合わない人には合わないです。

・お金がかかる
ベッド代の差額を払う個室だけの病院もあるのですが、それも結構お金がかかります。実際、休むのだったらホテルで休めば良かったという患者さんもいます。

入院のメリット・デメリットがあるので、入院すればすべてが解決するというものではありません。
海外だと入院すると心理士や作業療法士がチームを組んで1日のプログラムがあるところもありますが、日本だと珍しいです。アルコール依存症だと集団プログラムがしっかりしているところもありますが、例えば摂食障害の集団プログラムがある病院はあまりないかと思います。

やはり精神科の治療の中心は外来にあります。

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2021.1.29

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