今日は「発達障害の方の人間関係の悩み」について解説してみようと思います。人間関係の悩みは種類が多いのでとても解説しきれませんが、よくある話を語れたらと思います。
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親子問題
・親も発達障害
親子問題でよく話題になるのは親も発達障害があるということです。その結果、親からの虐待やネグレクトがあることもあります。また「自分も頑張ってきたんだからお前も頑張れ」など、発達障害に対する無理解もありますし、逆に過保護になることも見られます。
・兄弟が発達障害
受動的でトラブルを起こさない、ASDで自閉的な要素が強ければ良いのですが、そうではなくアルコールやギャンブル依存症になって家族に迷惑をかける、素行障害を合併していて犯罪的なことをやってしまう、発達障害に加えて気分障害もあり自殺やうつがある、兄弟の事件のせいで外傷体験(トラウマ)を持っている、兄弟間のレイプもあります。
解決策としては、自立しているのなら距離を取るのが一番手っ取り早いです。解決を目指すのであれば、年単位のカウンセリングが必要だと思います。自分自身および世界の理解が必要になると思います。
友人問題
友人関係に関してはそもそも友達ができないとか、できたとしても悪い仲間を作ってしまうことが結構あります。普通の人間関係を作るのが難しいから、ギャンブル仲間、アルコール仲間などを作ってしまうということが男女ともによく起こります。
友人はいらないと回避してしまうこともあるのですが、そうすると成長機会の損失にもなりますのでそれはそれで問題かと思います。
恋人・夫婦
そもそも恋人ができないということもありますし、恋人がいても相手のカサンドラ症候群の問題もあります。カサンドラになる相手はその人自身の問題があったりします。
問題がある同士がくっつくことも多いので、その結果トラブルに巻き込まれる、巻き込むことがあります。
子
子も発達障害を持つことがあります。
遺伝しないといえばしないですし、基本的には平均回帰の法則で突出した特徴は平均に近づくものですが、傾向は似るものです。
困るのは教育体制の不備の問題です。アメリカだと発達障害は児童の7~8%と言われていますが、日本はそこまで診断されておらず、また教育体制も整っていないので困っている親御さんが多いです。
仕事・職場の人間関係
仕事・職場の人間関係で起きやすいトラブルはパワハラです。パワハラに巻き込まれる、パワハラをするどちらもあります。
発達障害の人はコミュニケーション、マルチタスク、スケジュール管理、変化、抽象化作業が苦手だったりします。転職が多いという特徴もあったりします。
巻き込まれない、巻き込まないために
これまでの話を見ても、問題に巻き込まれる、巻き込む方に自ら行ってしまうことが多いです。
「どうして私だけ?」と思うのですが、簡単に言うとそこのセンサーが弱いので、勇気を持ってというか安易に突き進んでしまいます。
人間関係においては、戦う、悩むだけでなう、避ける、無視するという手段もあります。
そこを突っ込んだらたぶん泥沼化するなと思い、多少の嫌な思いは税金みたいなものだと割り切って損切りする、距離を取るようにします。相手に対して悔しい、屈辱、恥などありますが、損ですから避けるのも一つです。負けるが勝ちです。普通の人は泣く泣くそちらを取りますが、発達障害の人で妙にこだわってしまい戦ってしまう人は結構います。
普通の人より火種が多く、その火種が多いにもかかわらず、それを一個一個育ててしまうというのが発達障害の人の人間関係の悩みとして診察室でもよく語られることです。
今回は発達障害の人の人間関係の悩みをざっくりと述べてみました。
発達障害
2021.4.27